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【徹底レビュー】日本で発売した「Google Home」を開封 日本語に対応~スマート家電と従来家電の橋渡し、垣間見える家電の未来

2017年10月6日、Googleは待望のスマートスピーカー「Google Home」を日本国内で発売した。当日から各オンラインストアで注文受付が開始、各大手家電量販店などでは店頭販売が行なわれた。

この「Google Home」については、すでに海外メディアなどがレビューを公開しているため、どんな感じに動作するのかはある程度イメージできていたのだが、やはり使ってみないことには分からないことも多い。

どんなことができるのか、聞き取り能力はどれほどなのか、自身の生活にどれ程浸透するのか、そもそも便利なのか。

筆者は、同スピーカーの発売当日ビックカメラに赴いて、「Google Home」を購入。早速開封し、丸一日使ってみた。

当記事では、「Google Home」の開封レビューや実際に使用してみた感想を紹介しようと思うのだが、加えて、世界的に注目が集まっているスマートスピーカーが、どれほどの潜在能力を持っているのか、今後どれほど進化する余地があるのか、という点についても簡単に考えてみたい。

本体デザインはシンプルで、どんな部屋にも合う

「Google Home」のパッケージはこちら。製品本体と同じく白を基調としたデザインになっている。

中を開けると、「Google Home」が鎮座。買う前に店頭で実機を見ていたので、特段驚きはなかったが、税込で15,000円以上もするスピーカーには見えないほど簡素なデザインだ。

このシンプルさは、ホーム家電として売り出すことを意識し、ガジェットであることを意識させないようにしたものだろう。ただし、性能はそれに見合うものであることは、事前にお伝えしておきたい。

「Google Home」の本体デザインは、どんぐりのようなずんぐりむっくりな形状で可愛らしい。大きさは、大きめなりんご2個分くらい。重量もさほど重くなく、片手でヒョイっと軽く持ち上げることができる。

「Google Home」の上部はタッチ操作が可能で、中央部分をポンとタッチすると音楽やアラームを停止することができる。「Google Home」が応答している途中でタッチすると、応答を途中で停止することもできる。

ぐるりと円を描くように時計回りにスワイプすると音量アップ、反時計回りにスワイプすると音量ダウン。また、中央部分を長押しすることで「OK, Google」と同じようにGoogle アシスタントを呼び出すことが可能だ。

操作はかなり簡単なので、操作方法に戸惑うことはほとんどないはずだ。

背面には、「Google Home」のマイクを一時的に無効化する「ミュートボタン」が配置されており、このボタンを押すことで、Google Homeの”聞き間違え”を防ぐことができる。一度ミュートボタンを押すと、音声で「マイクがミュートされています」とアナウンスされ、さらにもう一度押すと「マイクはオンです」とミュートが解除されたことを伝えてくれる。

本体下部には、「ベース」と呼ばれるカバーがつけられている。このカバーは取り外しが可能で、別売りのベースと着せ替えが可能。

購入したばかりの「Google Home」にはシルバーのファブリックベースが取り付けられているが、Google Storeで金属製や別カラーのファブリックカバーを購入することが可能だ。

ちなみに、ベースを外してみると、「Google Home」の中身を確認することができる。Googleによると、「Google Home」には2インチのドライバーと2インチのデュアルパッシブラジエーターを搭載したハイエクスカーションスピーカーが配置されている。音質についてはあとで触れるつもりだが、このスピーカーの性能は意外とパワフルだ。

電源供給は、付属の電源アダプタをスピーカーの底面に接続することで行う。常時電源に接続する必要があるため、Bluetoothスピーカーのように気軽に持ち運んだりはできない。ちなみに、電源ケーブルの長さは1m以上あるため、近くに電源さえあれば困ることはおそらくないだろう。

実際の使用感

電源に接続して、実際に使ってみた。「Google Home」はスマホやタブレットなどで専用アプリ(iOS版Android版)をダウンロードする必要があり、アプリを介して初回セットアップを行う仕組みになっている。

初回セットアップ時には、ユーザーの声の登録が求められる。「OK Google」や「ねぇGoogle」と数回話しかけることで声の登録は完了。さらに、セットアップ時にはWi-Fiへの接続が求められるため、Wi-Fiのパスワードを事前に用意しておくとスムーズだ。

これ以外にもいくつか設定項目はあるが、初回セットアップ自体はとても簡単で、問題なければわずか数分で完了する。

「Google Home」アプリには、個人情報を入力する欄があり、自分の家や職場の住所を登録したり、利用している音楽配信サービスの初期セットアップ、スマート家電の登録が可能だ。これらの登録を行っておくことで、「Google Home」はできることが増えていく。

例えば、「OK Google。自宅から職場までの交通情報を教えて」と聞けば、Googleマップの交通情報にアクセスし、渋滞しているかどうかを調べ、到着までの所要時間を伝えてくれる。渋滞している場合は、それも伝えてくれるため、あらかじめ早めに家を出る計画を立てることもできるだろう。

また、筆者はSpotifyの有料会員なのだが、「Coldplayの最新アルバムをかけて」と言うと、Spotifyの中から最新アルバム「A Head Full of Dreams」をかけてくれた。

無料会員の場合はここまで便利ではないものの、「日本の音楽をかけて」「ジャズをかけて」と言えば、Spotifyから最適なステーション、プレイリストを再生してもらうことが可能だ。

このように、「Google Home」はユーザーの個人情報や使えるコンテンツを使って、様々なアシストをすることが可能。今まで手入力でスマホを操作していたアクションを、わずか一言で片付けることができる。

スマホを使うのもさほど苦ではないものの、「Google Home」の場合は気になった時に声をかけるだけなので、気楽と言えばかなり気楽になったと言える。

「Google Home」の最も重要な機能、それはスマート家電のコントロールが声だけでできるという点。筆者は遠隔で操作できるスマートLEDランプを複数個持っているのだが、「Google Home」自体が昨年から海外で販売されていたこともあり、すべてのスマート家電を利用することができた。

「Google Home」に電気を消すようにお願いすると、家中のスマートLEDランプを消してくれる。スマート家電によっては特定の部屋のランプだけを操作することができるため、声だけで家中の照明をコントロールできる。

日本では、まだまだ浸透できていないスマート家電だが、今後はスマートスピーカー市場の成長とともに数も増えてくるだろう。

また、「Google Home」アプリには、「ショートカット」を作成する機能が備わっているため、頻繁に使う操作を素早く実行する”魔法の呪文”を作ることができる。

例えば、Google Homeに「いってきます」と言えば、家中の電気を消してくれる。もしくは、「ドラマを見たい」と言えば、Netflixでプリズンブレイクを再生してくれる(要Google Chromecast)など。

この”魔法の言葉”は、使い方によっては自身の生活を格段に便利にすることができるだろう。また、自分だけが知る特別な呪文を作ることで、魔法使い気分になれるかもしれない。ただし、人に聞かれて恥ずかしい言葉を登録すると、家に人を呼んだ時に気まずい気分になるため、言葉選びは慎重に。

そのほか、「Google Home」ができることがかなり多い。今後の天気予報を聞いたり、ニュースを聞いたり、メールの読み上げや作成したり。他にも、近くの店を検索させたり、知らない言葉を調べさせたり、特定の言語に翻訳させる、なんてことも。

今後も対応サービスは拡大予定で、現在発表されているところではルンバの操作が可能になるなど、多くの製品が「Google Home」と密接につながるようになる。

ちなみに、「Google Home」はBluetoothスピーカーとしても使用することができる。接続するには、「Google Home」に「Bluetoothの接続がしたい」と一言伝えれば、自動的にペアリング状態になるので、いつもの手順でデバイスとペアリングを完了するだけだ。

「Google Home」のスピーカーはそこそこ音質も良く、ワイヤレススピーカーとして使ってもとても優秀。今後は「Google Home」に対応する音楽サービスがどんどん増えていくものと思われるが、自分の利用しているサービスが使えない、もしくは音楽サービスを利用していない場合は、Bluetooth接続を利用して音楽を楽しんでみてはいかがだろうか。

音声アシスタントのヒアリング能力はいかほどか。気になるスピーカーの音質は?

「Google Home」に搭載されている人工音声アシスタントはGoogleが開発した「Googleアシスタント」。

先日、ようやく日本語に対応したことで話題になったが、同アシスタントの聞き取り能力はそこそこ。聞き間違えることはほぼなく、ほとんどの質問や要望に応えることができた。

ただ、「Google Home」が本来できる作業であるにも関わらず、聴き方によってはうまく理解できないこともある。そういう局面に遭遇したとき、もしかしたらユーザーはイラっとするかもしれないが、「Google Home」も申し訳ないと思っているのか、咄嗟に「すみませんもっと勉強して改善します」と答えてくるため、あまり怒らずに優しく聞き直してあげてほしい。

ただし、「Google Home」の聞き取りに関してすごいと思うこともある。それは、音楽を再生中にユーザーの声をしっかりと聞き取ることができるということ。大音量で音楽を流していたとしても、ユーザーはいつもの感じで「OK Google」と言えば、「Google Home」は音楽の音量を下げて聞こうとしてくる。

これは、「Google Home」のマイクの集音性能が高いためで、iOS端末の「Hey Siri」のように反応してくれないなんてことは起きない。

また、「Google Home」は聞き取り能力だけでなく、アウトプットするためのスピーカーの音質もそれなりに優秀。

先述した通り、「Google Home」には2インチドライバーと2インチのデュアルパッシブラジエーターを搭載したハイエクスカーションスピーカーが搭載されている。音質は15,000円のスピーカーとしては納得できるレベル、音は低音も高音もバランスよく出ていて、クセもなくかなり自然な音だ。

しかも、360度の全方向に音が出る仕組みであるため、部屋のどこにいても「Google Home」の音をクリアに聞くことが可能。

同じリビングで生活していても、家族が複数人いれば、ご飯支度をする人やテレビを見ている人、宿題をする子どもなど、意外といる位置はバラバラ。しかし、部屋の真ん中に置いておけば誰でも均等に音を聞くことができる。リビングなど家族共用スペースに置くのにぴったりなスピーカーと言えるだろう。

改善が必要な箇所もいくつか存在

ここまでは「Google Home」の特徴についてお伝えしてきた。

「Google Home」に対する筆者個人の感想としては、スマートスピーカーは使っていてとても面白く、使い方によっては生活を便利にできるポテンシャルがあると感じている。実際に使ってみて初めて、世界中の大企業がこぞってスマートスピーカーを作る理由も理解できる。さらには、将来的にはスマートスピーカーはさらに便利になるだろうと確信できた。

しかし、そんなスマートスピーカーにも、改善しなくてはいけない点もチラホラあるのが現状だ。

例えば、「Google Home」への質問や命令に関しては、まだユーザーは決まりきった言葉を使う必要があり、ウィットに富んだ言葉を理解するには至っていない、ということ。もし、少しでも理解できない言葉が入れば、その時点でユーザーの発言は無意味なものになってしまい、ストレスが溜まるユーザーもいるかもしれない。

これを解決するには、人工音声アシスタントの進化が必須。性能は年々向上しているが、スマートスピーカーに対してユーザーが全幅の信頼を寄せるようになるまでは、まだまだ先の話になりそうだ。

また、スマホ側の問題なのか、「Google Home」側の問題なのかは分からないのだが、Bluetooth経由で音楽をかけているときに自動的に両デバイスのペアリングが切れてしまうことがある。頻度としてはかなり少ないものの、他のBluetoothデバイスと接続しているときには遭遇したことがほぼないため、これも気になるところ。

この問題についてはすでに他ユーザーも指摘しているため、今後のアップデートなどで修正される可能性もあり。同問題が起きることは少ないため、そこまで心配することではないと思うが、念のため。

あと最後になるのだが、現状の「Google Home」に関して最大の問題点がある。それはマルチユーザーでの利用に対応していないということ。

このマルチユーザー機能に対応しないことに何の問題があるのか。簡単に説明すると、複数のユーザーを認識することができないために、個人個人のスケジュールを確認することができないということ。

例えばAさんが「Google Home」をメインに使っている場合、「Google Home」にはAさんのスケジュールのみを参照する。そのため、Bさんがスケジュールを確認したくても、話し手がBさんだと認識できないためAさんのスケジュールを読み上げることになる。

スケジュール以外にも困ることがいくつかある。「Google Home」は家族で共同で使うことが前提でもあるわけだが、この仕様だと他の家族が不便する局面があるだろう。

音声の特徴から誰が話しているのかを区別する必要があるため、簡単な技術ではないのは確かだが、これは改善の必要がありそうだ。

ただ、Googleは現在、マルチユーザー機能の対応に向けて動いているようなので、こちらも今後のアップデートで利用できるようになるかもしれない。

(追記:2017/10/10)マルチユーザーに対応したようです。一部の機能はまだ完全に使うことはできないようですが、ほぼ全ての機能を複数人で利用することが可能になっているので、家族で共有して使うこともオススメできる。

まとめ:「Google Home」は買うべき?

当記事では、「Google Home」の開封から、実際の使用感について紹介してきた。まだまだ改善の余地があるようにも感じたが、「Google Home」は、Googleの最初のスマートスピーカーとしてはかなり完成された製品であるように感じた

ある程度、ユーザー側にも慣れが必要で、生活に浸透させるには時間が必要だと思うが、うまく使いこなせれば生活の質はほぼ確実に向上できると思われる。スマホに入っていただけの音声アシスタントが、日常的に使うようになる日もおそらく近いだろう。

これらを踏まえて、「Google Home」は個人的に買うべきだと思える端末だと思うし、約15,000円の金額を出すに値する存在だと感じる

ただ、この価格が高いと感じるか安いと感じるかは、ユーザーによって左右されると思う。デジタル製品に囲まれる未来志向の方にはピッタリかもしれないが、もっとアナログでシンプルに生きたい方にとっては必須と言えるアイテムではないだろう。今は焦らず、必要性を感じてから導入するのもありかもしれない。

ちなみに、初めてスマートスピーカーを使って感じたことがもう一つだけある。それは、スマート家電の重要性の高さ

今の段階では、家中の家電をスマートスピーカーだけで操作できるようになるわけではないが、スマートスピーカー市場が徐々に拡大していることを考えると、今後の家電選びは「Google Home」などのスマートスピーカーと連携できるかどうかもポイントになってくるだろう。もし、将来的にスマートスピーカーを買うつもりがある方は、この点を意識して製品選びをすることも重要だと感じている。

もし同レビュー記事を見て、スマートスピーカーに興味が出たなら、「Google Home」の導入を検討してみてはどうだろうか。将来に投資するという意味では、15,000円は個人的にそこまで高くないだろう。

もし、この額を高いと感じるなら、今月23日に発売する小型モデル「Google Home Mini」も視野に入れてみてもいいかもしれない

「Google Home」と「Google Home Mini」には音質や性能に差があるものの、どちらも同じ機能を利用することが可能なので、安価にスマートスピーカーを使ってみたい方は6,480円(税込)の「Google Home Mini」を。より性能が高く、音質の良いモデルが欲しいなら、15,120円(税込)の「Google Home」を選んでいただきたい。

「Google Home」の購入は以下からどうぞ。

「Google Home Mini」の購入は以下からどうぞ。

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