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iPhone 15 Pro レビュー|遂に実現したUSB-C化、これだけで使い方が一変。新iPhoneの実力に迫る

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2023年9月、Appleは新型iPhoneの 「iPhone 15」 シリーズを発売した。

今年の新型iPhoneは、「iPhone 15/15 Plus」 と、「iPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro Max」 の4モデル構成。前者が通常モデル、後者がプロモデルとしてラインナップされている。

そのうち 「iPhone 15 Pro」 は、「iPhone 14 Pro」 をベースに改良を加えたモデル。大きな特徴は、これまで搭載してきたLightningコネクタがUSB-Cコネクタになったこと。また、プロモデルには筐体にチタニウム素材が採用され、プロモデルとしては史上もっとも軽くなったほか、カメラ性能も向上している。

▼ iPhone 14 Pro → iPhone 15 Proで進化したポイント

  • フレームがステンレススチールからチタニウム
  • 本体重量が206gから187gに
  • SoCが3nmプロセスのA17 Proに
  • 充電コネクタがLightningからUSB-Cに
  • 転送速度がUSB 2.0からUSB 3.2 Gen 2相当に
  • ミュートスイッチがアクションボタンに変化
  • Wi-Fi 6Eをサポート
  • カメラは48MP撮影に加えて24MP撮影も可能に
  • ProResコーデックで4K@60fps撮影が可能に

今回、筆者はプロモデルの 「iPhone 15 Pro」 を購入。発売日から数日にわたってじっくり使い込むなかで感じた 「iPhone 15 Pro」 の良いところ、イマイチなところなど詳しくお伝えしたい。

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「iPhone 15 Pro」 のデザインをじっくりチェック

「iPhone 15 Pro」 は、先代モデルである 「iPhone 14 Pro」 のデザインを踏襲しながらも、フレームの素材をステンレススチールからチタニウムに変更。さらにエッジが丸みを帯びるなどの変化もあった。

最大の注目ポイントのひとつであるチタニウムへの素材変更は、リッチな見た目はもちろん、丈夫で軽いチタニウムの特性のおかげで本体強度を保ちながら、Pro史上もっとも軽い重量を実現した。

左からiPhone 14 Pro、iPhone 15 Pro

本体サイズは、高さ146.6×幅70.6×厚さ8.25mm、重量は187g。先代モデルより厚みは若干増しているものの、代わりに幅/高さがわずかに小さくなった。また、重量も206g → 187gと約20gも軽くなっている。

サイズ・重量比較
  iPhone 12 Pro iPhone 13 Pro iPhone 14 Pro iPhone 15 Pro
高さ 146.7mm 146.7mm 147.5mm 146.6mm
71.5mm 71.5mm 71.5mm 70.6mm
厚さ 7.4mm 7.65mm 7.85mm 8.25mm
重量 187g 203g 206g 187g

これまでは片手で持つと徐々に疲れを感じてきて別の手に持ち替える、ということもあったが、約20g軽くなった 「iPhone 15 Pro」 なら片手で持ったまま使い続けることができそうだ。

フラットな見た目は先代モデルから変わらない。ただし、わずかにエッジがラウンドした (丸みを帯びた) ことで握りやすさがアップしている。

一方でデメリットも感じられた。エッジ部分が若干ラウンドした関係で、ガラスフィルムが端まで貼れなくなっている。ガラスフィルムを貼る前提ならこのラウンド形状は若干のマイナス要素と捉える人もいるかもしれない。

デザイン①:前面

「iPhone 15 Pro」 には、6.1インチの有機ELディスプレイ 「Super Retina XDRディスプレイ」 が搭載されている。画面の大きさや解像度は先代から変わらなかったものの、画面周囲のベゼルがわずかに狭くなったことで、本体のサイズダウンに繋がった。

サイズ・重量比較
  iPhone 14 Pro iPhone 15 Pro
画面サイズ 6.1インチ 6.1インチ
高さ 147.5mm 146.6mm
71.5mm 70.6mm
厚さ 7.85mm 8.25mm
重量 206g 187g

端末上部には、先代の 「iPhone 14 Pro」 で導入されたピルケース型パンチホールが設けられている。ここはインカメラやセンサーを内蔵する部分になる。

画面上部に浮島のように常駐するため最初は邪魔に感じるかもしれないが、黒の表現に長けた有機ELの特徴を活かし、通知などUIの一部に溶け込ませるなどの工夫によって案外気にならない。

Appleはパンチホールとこの独特なUIを組み合わせて 「Dynamic Island」 と呼んでいる。インタラクティブに動く浮島は、まさにダイナミックアイランド。Appleらしい工夫とネーミングセンスだ。

ディスプレイをカバーする前面ガラスには、引き続きコーニング社の 「Ceramic Shield (セラミックシールド)」 を採用し、強度を高めているようだ。ただし、どれほど強化されていると言っても落とし方によっては画面が割れてしまったり、耐指紋性撥油コーティングが剥がれる可能性はあるため、やはり保護フィルムの使用がオススメだ。

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デザイン②:背面

背面には、超広角/広角/望遠のトリプルレンズカメラが搭載。見た目には大きな変化はなく、相変わらずの存在感を放つ。なお、カメラの傍にはLiDARスキャナとLEDフラッシュが搭載されている。

背面のガラスパネルは、先代モデルから引きつづき指紋などがつきにくいテクスチャードマットガラス (すりガラス) が採用。サラサラとした手触りで高級感がある。個人的にはこの手触りが気に入っている。

デザイン③:側面

本体の厚さはかなり薄い

iPhone 15 Proの筐体側面は従来のステンレススチールから、鈍い光沢を放つチタニウムに変わり、先代モデルからさらにカッコよく仕上がっている。同じく光沢感の少ない、背面のテクスチャードマットガラスと組み合わせたことで、側面〜背面にかけてのデザインの統一感も増した。

手触りもペタペタという金属感が感じられたのに対して、今回はスルスルとした手触りに。手の脂がつきにくくなり筆者としてはかなり気に入っている。

また、手の脂がつきにくくなりお手入れのしやすさもアップ。筆者は保護ケースをつけるのであまり気にならないところだが、ケースをつけない派の人々にとっては嬉しいポイントなのではないだろうか。

チタニウムの鈍い光沢感が渋さを演出

音量ボタンとサイドボタンは位置を含めて変更はなかったが、サイレントスイッチ (ミュートスイッチ) が新たに 「アクションボタン」 に変化し、カメラやボイスレコーダーの起動など、よく使う機能をショートカットとして登録しておけるようになった。

普段からiPhoneを使っていて、本体のミュートのオン/オフを切り替える機会はあまりないことから、自由に設定できるアクションボタンになったことで利便性が向上した。

アクションボタンの割り当てはユーザー側で自由に変更可能。ちなみに従来のミュートのオン/オフもあてがうことができるので、これまでの使い方を変えたくない人も安心だ。

SIMカードスロットは、日本モデルは引きつづき搭載。物理SIMと内蔵されたeSIMによるデュアルSIMに対応する。ちなみに、米国モデルなどでは昨年からSIMカードスロットが廃止されて完全eSIM化していることから、いずれは日本でも完全eSIM化が実施され、よりシンプルな見た目になる可能性がありそうだ。

デザイン④:底面

iPhone 15シリーズの大きな変化として、これまで底面に搭載されてきたLightningコネクタが遂にUSB-C (=USB Type-C) になったことが挙げられる。

iPhoneのUSB-C化によって、各デバイスの充電ケーブルをUSB-Cケーブルに一本化することが可能に。実際には、AirPodsやMagic Mouseなどを充電するためLightningケーブルが必要な場面は残るものの、iPadやMac用の充電ケーブルをiPhoneにも使いまわせるようになるだけでも利便性は向上したと言えるだろう。

また、Macからデータを転送する際にもUSB-Cケーブルで繋げるのでとても便利。特に、デスクトップ型Macを使用している人はUSB-CケーブルのほかにもLightningケーブルを挿しっぱなしという人もいるかと思うが、今後はUSB-CケーブルだけでOK。デスクトップ周りをだいぶシンプルにできるのではないだろうか。

さらに上位モデルである 「iPhone 15 Pro」 シリーズは、USB規格が従来のUSB 2からUSB 3に引き上げられた。これによりデータ転送速度が最大10GB/sになっており、(理論的には) 最大20倍高速にデータを転送できるようになっている。

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デザイン⑤:本体カラー

「iPhone 15 Pro」 のカラーラインナップは、ブラックチタニウム/ホワイトチタニウム/ブルーチタニウム/ナチュラルチタニウムの4色。

このうち、筆者が購入したのはブルーチタニウムだ。青色のiPhoneといえば 「iPhone 12 Pro」 「iPhone 13 Pro」 が思い出されるが、「iPhone 15 Pro」 のブルーチタニウムは 「iPhone 12 Pro」 のパシフィックブルーにやや似た深い青色、渋みすら感じられるカラーだ。

日本のApple Storeのスタッフに尋ねたところ、今年のiPhone 15 Proはナチュラルチタニウムとブルーチタニウムが人気であるとのこと。実は、筆者もその2色で悩んでいたことからその人気っぷりには納得だ。

ちなみに、Appleは今回のiPhone 15シリーズの登場とともに、炭素排出の削減のためにレザー素材を使ったアクセサリを廃止。その代替として、新たに 「ファインウーブンケース」 が登場している。普段はシリコーンケースを購入している筆者だが、今回試しにこちらを購入してみた。

「ファインウーブンケース」 は耐久性に優れたマクロツイルでできたファブリック生地を採用したケース。実際に触ってみると布のような触感で指先が気持ち良い。

すでにApple Storeなどでは実物を触ることができるため気になる人は実際に触ってみていただきたいのだが、従来のレザーとは大きく異なる質感のため、代替品というよりは完全に別物と捉えた方が良いかもしれない。

「ファインウーブンケース」 はファブリック生地で作られていることもあり、吸水性はバツグン。水に濡れると乾くまですこし時間がかかるため、海やプールなどにiPhoneを持っていくときにはできればケースを外した状態で持っていきたいところ。以下の動画が参考になると思うので確認していただきたい。

この動画を投稿してからユーザーから賛否の意見をいただいた。なかには、汚れたり傷がつくのが怖いという声もあったが、一方でレザーケースよりもファブリックの触り心地のほうが好きなので 「ファインウーブンケース」 を買いたいという声もあった。ユーザーごとに好き嫌いが分かれるケースとも言えるのかもしれない。

デザイン⑥:同梱物

同梱物は、マニュアルとSIMピン、Appleのロゴシール、そしてUSB-C充電ケーブル (1m) 。電源アダプタは同梱されてこないため、USB-C対応の充電器を持っていない人は別途購入するか、もしくはMacやiPadなどを持っているなら、そのデバイスに付属してくる電源アダプタを流用しよう。

有線イヤホンも同梱されない。ちなみに、かつて同梱されていた 「EarPods with Lightning Connector」 は、コネクタがUSB-Cになったことで使えなくなっているため、必要な人は別途 「EarPods (USB-C) 」 を購入していただきたい。価格は2,780円(税込)だ。

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画面性能

「iPhone 15 Pro」 には、先代モデルから引き続き 「Super Retina XDRディスプレイ」 という有機ELディスプレイが搭載されている。

同ディスプレイは、もともとはMac Pro向けに開発された 「Pro Display XDR」 の技術を応用したもので、HDR規格にも対応しているため、明るい部分と暗い部分どちらの階調も犠牲にすることなく表示できる。

他のスマートフォンと比較しても、iPhoneの画面は業界最高レベルにキレイ。撮影した写真や動画を編集するにはもちろん、映画やドラマなどのコンテンツもキレイに表示してくれる。

画面輝度は最大1,000ニトで、ピーク輝度は1,600ニト、屋外でのピーク輝度は2,000ニト。従来まで画面輝度は通常モデルとプロモデルで違いが設けられていた点だったが、今回のiPhone 15シリーズでは全モデルで共通化した。

左からiPhone 14 Pro、iPhone 15 Pro

プロモデルが通常モデルより優れている点は、最大120Hzのアダプティブリフレッシュレートを持つ 「ProMotionテクノロジー」 が搭載されていること。

リフレッシュレートとは、1秒間に何回画面の書き換えが行われるかを示す数値のことで、120Hzというと1秒間に120回画面が書き換えされていることを示す。iPhone 15/15 Plusは60Hzであることから、iPhone 15 Proなら画面を2倍滑らかに表示できるということになる。

画面が滑らかに動くことで、目への負担が少なくなるという恩恵があるため、スマホを触っていて目が疲れやすいという人は、プロモデルを選ぶのがオススメだ。

また、iPhone 15 ProのProMotionテクノロジーは、画面を動かさないときのリフレッシュレートの最低値を1Hzまで下げることでバッテリー消費を最小限に抑えられる工夫が施されており、このおかげで画面の常時点灯が利用可能だ。

画面の常時点灯機能をオンにすると、iPhone 15 Proをスリープ状態にしても画面がうっすらと点灯し、時刻や通知などを表示してくれる。

なお、常時点灯をオンにしてもバッテリー持ちが劇的に悪くなるということはないが、それでもバッテリー持ちは若干悪くなる。バッテリー消費を抑える工夫として、以下のシチュエーションでは常時点灯が自動でオフになる機能が搭載されている。

  • 画面を伏せて置いたとき
  • ポケットやカバンの中に入っているとき
  • 「睡眠」 の集中モードがオンのとき
  • 低電力モードが有効なとき
  • CarPlay に接続されているとき
  • 連係カメラ使用時
  • iPhoneをしばらく使っていないとき
  • ペアリングしたApple Watchをユーザーが着用し、iPhoneから離れたことが検知されたとき

ちなみに、iOS 17からは、画面の常時点灯を利用した 「スタンバイ」 機能が登場している。同機能はiPhoneを充電しながら横向きにしたときに起動し、画面いっぱいに時刻やウィジェット、写真などを表示する。寝室で据え置き時計がわりに使うことも可能だ。

もちろん、同機能は画面の常時点灯に対応している機種のみでしか利用できないため、常時点灯に非対応のiPhone 15/15 Plusでは利用することができない。この点も通常モデルとプロモデルの違いだ。

Face ID

「iPhone 15 Pro」 で利用できる生体認証は、顔認証 「Face ID」 のみ。パンチホール型の切り欠きに内蔵されたTrue Depthカメラに顔をスキャンさせ、ロックを解除する。先代モデルに引き続き、指紋認証は非搭載だ。

新型コロナウイルスの感染拡大時期には、Touch ID (指紋認証) の必要性が訴えられてきたが、昨今はマスクを着用する人も少なくなったことから、Touch IDを要望する声は少なくなりつつある。

筆者は指先が乾燥しやすいからか、指紋認証がうまくできないことが多いため、日々顔認証の便利さに助けられている。

Face IDの認証精度や認証速度に関しては、先代モデルから大きくは変わっていないが、昨年の 「iOS 16」 から画面を横向きにした状態でも認証ができるようになり、ゲームプレイ中や動画視聴中に一度画面をスリープにしたとしても、横向きの状態で画面ロックを解除することができるように。

iPhoneを横向きにした状態での顔認証は、マスク着用した状態では認証がうまくできないことも多いが、これは新モデルでも変わりなし。ただ、最近はマスクを着用する機会が減っていることから、その点はあまり考慮しなくても良いのかもしれない。

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内蔵SoC:3nmプロセス採用の 「A17 Pro」 で性能が向上

(画像:Apple)

「iPhone 15 Pro」 には、業界で初めて3nmプロセスで製造したSoC 「A17 Pro」 が搭載されている。2基の高性能コアと4基の高効率コアの全6コアで構成されたCPU、そして6コアGPUと16コアNeural Engineを搭載したハイエンドプロセッサだ。

同SoCは特にGPU性能が大きく向上しており、『バイオハザード ヴィレッジ』や『DEATH STRANDING ディレクターズカット』『アサシン クリード ミラージュ』などのAAAタイトルをプレイできる。また、ハードウェアレベルのレイトレーシングにも利用可能になるなど、ゲーミング性能も強化されているのもポイントだ。

CPU性能:A16 Bionicから最大10%向上

A17 Proは、CPUのコア数・構成は先代モデルの 「A16 Bionic」 と変わらないものの、性能が10%向上しているという。

実際にどれほどの違いがあるのか、Geekbench 6とAnTuTuベンチマークを使ってベンチマークスコアを計測してみた。

左からiPhone 13 Pro、iPhone 14 Pro、iPhone 15 Pro

  シングルコアスコア マルチコアスコア
iPhone 15 Pro 2940 7322
iPhone 14 Pro 2629 6600
iPhone 13 Pro 2402 5742

上記はGeekbench 6での計測結果。シングルコアスコアが2,940、マルチコアスコアが7,322で、先代の 「iPhone 14 Pro (A16 Bionic搭載)」 と比べるとシングルコアスコアが約19%、マルチコアスコアが約11%向上していることがわかった。

左からiPhone 14 Pro、iPhone 15 Pro

  総合スコア CPUスコア
iPhone 15 Pro 1498647 375938
iPhone 14 Pro 1349041 366830

次はAnTuTuベンチマークのスコアを計測してみたところ、総合スコアが1498647、CPUスコアが375938という結果に。Androidスマートフォンとはシステムが異なるため純粋な比較はできないものの、ハイエンドスマートフォンの中でもかなり高いスコアになっていることが分かる。

両ベンチマークアプリの計測結果から、A17 Proの性能は現行のスマートフォンに搭載されているチップの中ではかなり高いCPU性能を持っているようだ。

GPU性能:A16 Bionicから最大20%向上

A17 Proの最大の特徴でもあるGPU性能の向上について。日本時間9月13日に開催されたAppleの新製品発表イベント 「Wonderlust.」 では、主にコンソールやPC向けに販売されているAAAタイトルのiPhone対応が発表。ゲーマーからは期待の声が上がっている。

実際にはどれほどの性能向上があったのか、Geekbench 6とAnTuTuベンチマークを使ってベンチマークスコアを計測してみた。

左からiPhone 13 Pro、iPhone 14 Pro、iPhone 15 Pro

  Metalスコア
iPhone 15 Pro 27217
iPhone 14 Pro 22905
iPhone 13 Pro 20661

上記がGeekbench 6の計測結果で、先代の 「iPhone 14 Pro (A16 Bionic搭載)」 と比べると約19%の性能向上が確認できた。

左からiPhone 14 Pro、iPhone 15 Pro

  総合スコア GPUスコア
iPhone 15 Pro 1498647 514358
iPhone 14 Pro 1349041 460797

AnTuTuベンチマーク (v10.0.2) のスコアも計測してみた。GPUスコアは514358。先代モデルと比べて約17%の性能向上が確認できた。

現時点では、まだ新製品発表会で発表されていた『バイオハザード ヴィレッジ』などのAAAタイトルのiPhone版がリリースされていないことから、真の実力を知ることはできなかったのだが、試しに筆者がプレイしているゲームタイトルをいくつか遊んでみた。

まず『Sky 星を紡ぐ子どもたち』や『ポケモンユナイト』に関しては、そこまで高いGPU性能を必要としないゲームであることから、先代モデルから引き続き快適にプレイすることができた。

現在筆者がプレイしているゲームの中でもっともGPU性能を必要とするのが『原神』。最新チップを搭載したAndroidスマートフォンなどでプレイしても、グラフィック品質を 「最高」 にまで上げるとフレームレートが低下するなどの処理落ちを起こしてしまうことがあるのだが、「iPhone 15 Pro」 では画質を 「最高」 にしてプレイしていても、比較的快適に動作していた。

40.2℃を観測/iPhone 14 Proでも同様の温度になった

ただし、プレイし続けていると徐々に本体が熱くなってきてしまうため、余裕を持ってプレイしたいなら、ひとつ下げて画質 「高」 でプレイするのがベストかもしれない。

『レスレリアーナのアトリエ』をプレイ

リリースされたばかりの『レスレリアーナのアトリエ 〜忘れられた錬金術と極夜の解放者〜』もプレイしてみた。美麗グラフィックにこだわったという本作だが、iPhone 15 ProのGPU性能をもってしても、最高画質でのプレイ時には若干のカクつきが見られた。

こちらも『原神』と同様、グラフィックのクオリティをひとつ下げてプレイすると、グラフィックの綺麗さと安定感の両方を実現することができたので、本作のプレイを検討している人は参考にしていただきたい。

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メモリ容量:6GBから8GBへ

CPU・GPU性能のチェックの際にGeekbench 6でベンチマークスコアを計測したところ、A17 Proのメモリ容量は8GBであることが判明した。先代モデルからは2GB増えたことになる。

  メモリ容量
iPhone 15 Pro 8GB
iPhone 14 Pro 6GB
iPhone 13 Pro 6GB

昨今のAndroidフラグシップスマホに比べるとやや容量が少ないと感じるかもしれないが、iPhoneのメモリはOSによって適切に管理されているため、たくさんのアプリを開いていても快適に動作する。

実際にアプリをたくさん開いてスイッチングしてみたが、動作に支障が出ることはなかった。使い終わったアプリをキルする必要もないため、アプリを使い終わったら画面下から上スワイプでホーム画面に戻り、また他の使いたいアプリを選択するというシンプルな使い方でOK。メモリ容量について気にする必要はほぼないと言えるだろう。

カメラ機能を徹底検証

「iPhone 15 Pro」 の背面には、広角+超広角+望遠のトリプルカメラが搭載されている。

各カメラの画素数は48MP/12MP/12MPで、メインの広角カメラがクアッドピクセルセンサーを採用しているなど、基本的な性能は先代モデルから変わっていない。

また、今回は最上位機種である 「iPhone 15 Pro Max」 には新たに光学5倍ズーム機能が搭載されたのだが、「iPhone 15 Pro」 は引きつづき最大3倍の光学ズームにしか対応しない。

では、カメラ性能は先代モデルから何も変わっていないのか。その答えはNOだ。

まずは写真の解像度について。従来までは48MPの超高画質で撮影するか、隣接する4つのピクセルを1つにまとめるピクセルビニング処理を利用して12MPで撮影するかの2択しか選ぶことができなかったが、iPhone 15 Proでは 「Photonic Engine」 が進化し、24MPという新たな選択肢が選べるようになった。

48MPだとファイルサイズが大きくなりすぎてしまって多用しづらいものの、一方で12MPよりもっと綺麗な写真が撮影したいと思う。そこで24MPの出番だ。ファイルサイズも大きくなりすぎず、カメラのデフォルト設定にしやすい。

実際に解像度を24MPに設定して撮影した写真が以下。

先代モデルの 「iPhone 14 Pro」 でも明るく綺麗な写真が撮影できるようになったと驚いたものだったが、「iPhone 15 Pro」 で24MPに設定して撮影した写真は、さらに綺麗さが一段増している。一眼レフカメラの域を超すことはできていないものの、それでも一眼レフに迫る写真を撮影することが可能だ。

また、今年9月にリリースされた 「iOS 17」 では、48MPの写真がHEIFで保存できるようになったほか、従来まで48MPでしか保存できなかったProRAWでの撮影が12MPにも対応し、写真の保存フォーマットが柔軟に選択できるようになった。

48MPの広角カメラが初めて搭載された先代モデルでは、確かに48MPで撮影するととても綺麗な写真を撮影できたのだが、ProRAWでしか保存ができず、ファイルサイズが大きすぎてあまり多用できなかった。これからは48MPのHEIFや12MPのProRAWという選択肢も増えたことで、高解像度な写真の撮影も実用的な範囲になりそうだ。

ファイルサイズの例↓

  • HEIF 48MP:5MB
  • ProRAW 12MP:25MB
  • ProRAW 48MP:75MB

ちなみに、この変更はiOS 17で提供されたアップデートということで、「iPhone 15 Pro」 だけでなく 「iPhone 14 Pro」 でも有効だ。

「iPhone 15 Pro」 の広角カメラはもうひとつ便利なアップデートがある。焦点距離を3段階で調節できるようになったことだ。24mm・28mm・35mmの3種類から選択可能で、カメラアプリの 「1x」 の部分をタップすることで簡単に切り替えることができる。

カメラ起動時のデフォルトの焦点距離も、上記の3種類のいずれかに変更可能。ただし、あくまでも起動時のデフォルトの焦点距離を設定するだけで、「1x」 の部分をタップすると焦点距離の変更ができてしまうため、固定 (他のオプションを無効にするという意味) することはできない。

一応、例外としてデフォルトの24mmだけで固定することは可能。やり方は、設定アプリのカメラの項目内に表示されている 「28mm」 と 「35mm」 のトグルをオフにするだけ。こうすることで、「1x」 の部分をタップしても焦点距離が変わらず、24mmで撮影できる。残念ながら 「28mm」 もしくは 「35mm」 で固定することはできないので、この点は諦めるしかない。

左:iPhone 14 Pro/右:iPhone 15 Pro

iPhoneのカメラはゴーストやレンズフレアが発生しやすいといつも話題になるが、今回の 「iPhone 15 Pro」 の広角カメラにはレンズフレアを抑える新しいナノスケールコーティングが施されている。

実際に撮影してみると、確かにレンズフレアは発生しづらくなった印象を受けた。上記の写真を見てほしいのだが、「iPhone 14 Pro」 で撮影した写真は全体的にぼんやりとしてしまっているのに対し、「iPhone 15 Pro」 で撮影した写真はレンズフレアが抑えられ、木の枝の先などをハッキリと捉えることができている。

ただし、レンズフレアに関しては意図的に出して撮影したい人もいることからおそらく十分な域に来てると言えるのではないだろうか。

むしろ重要なのは、レンズフレアよりも望ましくない現象であるゴーストがどれほど発生するのか。上記は先ほどの写真だが、ガソリンスタンドの屋根の上あたりにゴーストが発生してしまっている。色々と試行錯誤してみた結果、従来よりも発生しづらくはなったように感じるが、それでも依然として発生しているのが現状だ。

ゴーストの発生は、撮影シーンによってはユーザー側で防ぐこともできるが、撮影場所が限られているなどユーザー側ではどうしようもない場合もあるため、今後さらなる改良に期待だ。

超広角カメラ (マクロ撮影含む) や望遠カメラでの撮影体験は、iPhone 14 Proから大きくは変わっていない印象だが、一応撮影した写真を以下に掲載しておく。

マクロ撮影 (超広角)

マクロ撮影 (超広角)

77mm/f/2.8/12MP

77mm/f/2.8/12MP

0.5x

1.0x

2.0x

3.0x

今回 「iPhone 15 Pro」 で写真撮影をしていて、いちばん驚いたのがポートレートモードの進化。被写体と背景との境界がかなりくっきりし、かなりクオリティの高いポートレート写真が撮影できるようになった。

ポートレート写真に関しては、撮影後に通常の写真に戻したり、複数の被写体が写っている場合にフォーカスする被写体を変更することもできる。あとで写真を見返したときに 「ここはポートレートじゃない方が良かったかも」 とか、逆に 「ここポートレートモードで撮ればなあ」と思うこともあるため、この仕様は大歓迎だ。

また、今回の写真撮影中に良い動画が撮れたので例として掲載しておく。花のミツを吸いに来た蝶々 「ヤマトシジミ」 をマクロモードで撮影したものだが、2センチにも満たない蝶々にも関わらず羽や花びらの質感がしっかりと表現できている (虫の映像なので苦手な人は注意) 。

インカメラでの撮影については、先代モデルに引き続き、オートフォーカスによる複数人でのセルフィーに対応。暗い場所でもきちんと顔を認識してオートフォーカスしてくれていた。

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LiDARスキャナ:性能は先代モデルから変わらずか

iPhone 15シリーズのうち、プロモデルの 「iPhone 15 Pro」 「iPhone 15 Pro Max」 には、物体や空間を3Dスキャンできる 「LiDARスキャナ」 機能が搭載されている。

このLiDARスキャナは、センサーから発された光が物体に反射して返ってくるまでの時間を計測することで、iPhoneとの距離を正確に測定できるというもの。これを利用することで街中にある銅像や、部屋の構造などあらゆるオブジェクトを3Dデータとして保存しておくことが可能だ。

実際に、LiDARスキャナで3Dスキャンをしてみた。計測には 「3dScanner App」 を使用した。

今回のスキャン対象は、千葉県成田市の観光キャラクター 「うなりくん」 。昨年のiPhone 14 Proのレビューでもお世話になったうなりくんだが、今年のスキャン精度はどれほどの仕上がりになったのか。5分ほどかけて、うなりくんの周りをぐるぐる周りながらiPhoneで撮影してみた。

結果はほぼ昨年と変わらず。うなりくんの顔の部分が綺麗にスキャンできなかったのが悔やまれるところだが、スキャン精度は大きくは変わっていないことが分かる。

また、光がなくとも距離を計測できるLiDARの特徴を生かした機能として、夜間でもポートレート撮影ができる 「ナイトポートレートモード」 が利用できることもあげられる。同機能はLiDARスキャナが搭載されていない 「iPhone 15/15 Plus」 では利用できないため、プロモデルを購入した人はぜひ活用して素敵なポートレートを撮影していただきたい。

搭載インターフェース:LightningからUSB-Cに

iPhone 15シリーズにおいて最も大きな変化となったのが、コネクタのUSB-C化。iPhone 5以来長らく搭載されてきたLightningが、遂にUSB-C (USB Type-C) に変更されている。

iPhoneのUSB-C化によって、USB-Cケーブル一本で各デバイスを充電することが可能に。既存のAirPods製品を持っている方はまだLightningケーブルを持ち歩く必要があるかもしれないが、ユーザーによっては本当にUSB-Cケーブルだけで事足りるという人も出てくるのではないだろうか。

さらにプロモデルの 「iPhone 15 Pro」 「iPhone 15 Pro Max」 はUSB 3に対応しており、データの高速転送もできるようになっている。

この 「iPhone 15 Pro」 に新たに搭載されたUSB-Cコネクタに関して、今回様々な検証をしてみたので、その結果をお伝えしていきたい。

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USB-C化の恩恵①:入力は最大27Wだが、基本的は20W

USB-Cになったことですべてのユーザーに恩恵があるのが充電まわりの話。コネクタがUSB-Cになったことで、従来のLightningケーブルではなくUSB-Cケーブルで充電することになる。

ただし、コネクタの形状が変わったからといって、iPhoneの入力数に変更はないようだ。iPhoneへの給電は最大27Wで、先代モデルから変更なし。

ワットチェッカーを使ってさまざまな電源アダプタに接続し給電状況をチェックしてみたところ、負荷の高いアプリを起動するときなどは瞬間的に20Wを超えて充電することもあったが、その瞬間以外は20Wほどの入力にとどまっていた。このことから、先代の 「iPhone 14 Pro」 と同じく基本20W程度での充電になるものと思われる。

実際に 「iPhone 15 Pro」 を充電してみたところ、充電開始から約30分で60%まで充電することができた。その後、60%を超えてからは入力が10W以下にガクッと落ちたことから、バッテリーに負荷をかけないようにiPhone側で調整しているものと思われる。

上記検証結果から、「iPhone 15 Pro」 の充電には20W出力の電源アダプタで十分。それ以上の出力のものを購入してもあまり意味はないだろう。

ちなみに、iPhone 15シリーズでは、バッテリーの充電を75〜80%に制限し、バッテリー寿命を伸ばす仕組みが用意されている。バッテリーへの負荷を最小限にしてiPhoneを長く使いたい人はぜひ設定しておこう。

USB-C化の恩恵②:iPhoneから他デバイスを充電可能に

iPhoneのUSB-C化によって、iPhoneの内蔵バッテリーを利用して他デバイスを充電できるようになったことも地味に嬉しいポイント。うっかりAirPodsなどのイヤホンの充電を忘れても、iPhoneからバッテリーを分け与えることができる。

これまでのLightningコネクタでも電力供給自体はできたものの、出力はかなり少なかったため現実的ではなかったのだ。

iPhone側からの出力は最大4.5W。急速充電できるほどではないが、イヤホンをしばらく繋いでおけばそれなりにバッテリーは回復できるはず。

もちろん、Apple Watchの充電にも利用できる。実際のところApple WatchはiPhoneありきのデバイスであるため、iPhoneのバッテリーを減らしてまでApple Watchを充電したい人はどれほどいるのかは疑問だが、要はiPhoneのバッテリーを使ってさまざまなデバイスを充電できるようになったということ。使い方の幅が広がったことは評価しておきたい。

USB-C化の恩恵③:最大10Gb/sの高速データ通信が可能

LightningからUSB-Cになったことによる恩恵ポイント③。USB-CケーブルでiPhoneにSSDなどの外部ストレージを直繋ぎし、データ転送ができるようになったという点。

特に、プロモデルの 「iPhone 15 Pro」 「iPhone 15 Pro Max」 のUSB-Cコネクタは、最大10Gb/sのデータ転送に対応するUSB 3.2 Gen 2仕様ということで高速にデータ転送ができるはずだ。

実際にはどれほどの速度でデータ転送ができるのか、現在筆者が使っている 「Lexar SL660 BLAZE Gaming Portable SSD」 でチェックしてみた。

上記SSDはUSB 3.2 Gen 2×2に対応しており、最大読み出し速度2,000MB/s、最大書き込み速度1,900MB/sを実現しているため、「iPhone 15 Pro」 のUSB-Cポートの性能を検証するには十分な性能を持っている。

「iPhone 15 Pro」 に接続し、試しに2,000枚(合計5.54GB)の写真を転送してみた。すると3分23秒程度ですべての写真を転送し終えることができた。つまり、計算すると約27MB/sでテータを転送できたことになる。

3分くらい待てば5GB以上のストレージ容量を空けることができるわけだから悪い話ではないものの、同SSDをMacにThunderbolt 4経由で繋いだ際の転送速度は865MB/sだったため決して速いわけとは言えない結果に。

なお、その後の検証では949.3MBの写真データ (138枚) を12秒で転送することができた。計算すると転送速度は約79MB/s程度。これは0.6329 Gbpsに相当する。

また、FinderでMacからiPhoneにデータを同期してみたところ、62GBのデータの転送には30分程度かかった。つまり、1分で2GB、1秒で30MB程度のデータ転送ができた計算になる。

ちなみに、「iPhone 15 Pro」 を外付けSSDと繋げることで、ProResコーデックで4K@60fpsでの動画撮影ができるようになる。もちろん、撮影した動画はSSD側に保存されるため、iPhoneのストレージを圧迫することなく、長時間の撮影が可能だ。

なお、「iPhone 15 Pro」 に同梱されてくるUSB-Cケーブルは充電用のもので、USB 3.2 Gen 2のスペックを最大限に活かすことはできない。データ転送用のケーブルを別途購入する場合は、USB 3.2 Gen 2以降に対応したケーブルを購入していただきたい。

USB-C化の恩恵④:外部ディスプレイへの映像出力が可能に

「iPhone 15 Pro」 のUSB-CコネクタはDisplayPort規格をサポートしており、外部ディスプレイへの映像出力ができるようになった。

USB-C接続に対応する外部ディスプレイにはUSB-Cケーブル経由で映像が出力できるほか、HDMIへの変換アダプタを介することでHDMIケーブルで映像を出力することも可能だ。実際にStudio DisplayにUSB-C – USB-Cケーブルを使って 「iPhone 15 Pro」 から映像を出力してみた。

この機能さえあれば、iPhoneに保存してある写真や動画をリビングの大画面にワイヤードで映し出したり、映画やドラマをホテルのテレビで視聴するなんてこともできる。また、ゲームパッドをiPhoneに接続すればスマホゲームを大画面でプレイすることもできるだろう。

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USB-Cの注意点:Thunderboltアクセサリは接続不可

Thunderboltコントローラーを搭載していないため当然だが、「iPhone 15 Pro」 のUSB-CコネクタはあくまでUSB 3 (USB 3.2 Gen 2) にしか対応しておらず、Thunderbolt規格には対応していない。

筆者が使っている 「OWC Thunderbolt 3 mini Dock」 や 「OWC Thunderbolt 3 Dual Display Adapter」 を試しに接続してみたところ、「Thunderboltアクセサリを使用できません」 というポップアップが表示されて利用することができなかった。

つまり、MacですでにThunderboltアクセサリを利用している人は、それらを 「iPhone 15 Pro」 で利用することはできないということになる。iPhone 15シリーズがUSB-Cコネクタになったことを機に、新たにUSB-C関連のアクセサリを購入しようとしている人は要注意。なお、Thunderboltケーブルは利用できるので安心して欲しい。

MagSafe:最大15Wのワイヤレス充電が利用可能

「iPhone 15 Pro」 は、MagSafeに対応する。背面部分に円形のマグネットが搭載されていて、磁力によってワイヤレス充電器との位置ズレを防ぎ、最大効率でのワイヤレス充電が利用可能だ。

MagSafeによるワイヤレス充電は最大15Wに対応する。一般的なQi規格のワイヤレス充電器にも対応する (Qi2も今後サポート予定) が、その場合は最大7.5Wまでしか対応しないため、高速ワイヤレス充電を利用したいならやはりMagSafeに対応したワイヤレス充電器を使うのがオススメだ。

有線充電が20〜27Wであるのに対して、MagSafeは15Wであるため充電スピードは劣るのだが、それでもただiPhoneを充電器にくっつけるだけで手軽に充電できる便利さを考えると有線充電よりも便利だ。

筆者の場合だと、急いでバッテリーを回復させたいときは有線充電、就寝時など長く充電する場合にはMagSafe充電を使うなど、充電シーンに合わせて充電方法を切り替えて使っている。

MagSafeでのワイヤレス充電が利用できる充電器やモバイルバッテリーの例としては、Apple純正アクセサリではMagSafe充電器やMagSafeデュアル充電パッド、MagSafeバッテリーパックなどが挙げられる (MagSafeデュアル充電パッドとMagSafeバッテリーパックは販売終了済み) 。

サードパーティ製品では、Belkinの3-in-1ワイヤレスチャージャーなどが対応する。本製品はiPhoneだけでなくApple WatchやAirPodsなどのデバイスも一緒に充電できるので、Apple製品を多用している人にはオススメの製品だ。

MagSafeによるワイヤレス充電は、対応ケースを装着した状態だとケースを取り外すことなく利用できる。対応ケースには、純正ケースもサードパーティケースも 「MagSafe対応」 と必ず書かれているため、購入時には参考にしていただきたい。

バッテリー:連続駆動時間はほぼ先代モデルと違いはなし

「iPhone 15 Pro」 は、高性能なA17 Proを搭載したことでバッテリー持ちの悪化を懸念している人もいるかもしれない。

しかし、A17 Proチップは高性能なだけでなく、高い省電力性も兼ね備えている。また、バッテリー容量も若干増えているとのことだが、Apple公式サイトの仕様表を確認すると、「iPhone 15 Pro」 のバッテリー持ちは先代モデルから変わっていないという。

実際のバッテリー持ちはどれくらいなのか。筆者の手元にある 「iPhone 15 Pro」 で実験してみた。

検証方法は、YouTube動画を画面輝度50%の状態でずっと視聴し続けるというシンプルなもの。結果は以下のとおり。

バッテリー残量
  iPhone 14 Pro
(参考)
iPhone 15 Pro
0時間 100% 100%
1時間後 98% 98%
2時間後 91% 91%
3時間後 85% 85%
4時間後 77% 78%
5時間後 68% 69%
6時間後 58% 60%
7時間後 51% 53%
8時間後 44% 46%
9時間後 35% 37%
10時間後 27% 30%
11時間後 21% 23%
12時間後 12% 15%
13時間後 6% 8%
14時間後 0% 0%

上記が検証結果。Appleの公称値である20時間までは届かなかったが、両デバイスともやや同等の連続駆動時間になっていた。これだけ持つのであれば、ギリギリ朝から晩まで1日は駆動できるのではないだろうか。

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スピーカー性能はどれほどか

「iPhone 15 Pro」 の内蔵スピーカーは、先代モデルと同様ステレオ出力に対応している。

スピーカーの配置場所は、ひとつはiPhone上部のレシーバーの位置、もうひとつは本体底面に搭載されている。レシーバー部のスピーカーはスマートフォンのフロント側へ、底面のスピーカーは外側に向けて音を出すため、Dolby Atmosや空間オーディオに対応したコンテンツを再生した際に広がりのある音を楽しむことが可能だ。

音の性質は、iPhoneらしくニュートラルな印象。クリアながら暖かみもあり、低音は豊かでパワフル。高い没入感を得るならやはり外部スピーカーが欲しいところだが、ライトに映画やドラマを視聴するならiPhoneの内蔵スピーカーでも十分だろう。

通信:Wi-Fi 6Eに対応

「iPhone 15 Pro」 は、引き続き5G (Sub-6のみ) 通信に対応しており、Bluetoothはバージョン5.3をサポートする。

実際に5G通信を使ってどれほどのスピードで通信できるのか、東京都心部や成田空港で計測してみた。検証にはNTTドコモの回線を利用した。

現在、ドコモ回線は都心部などで回線品質が悪くなる問題が発生しており、その影響かあまり良い結果は出なかったが、それでも一部エリアでは4Gよりも高速に通信できているようだった。

通信まわりで注目していただきたいのが、新たにWi-Fi 6Eをサポートするようになったこと。これで2.4GHzと5GHzに加えて、6GHz帯の帯域を使えるようになる。日本でWi-Fi 6Eが認可されてから約1年が経ち、Wi-Fi 6Eに対応するルーターの普及も進んできている。自宅のWi-FiルーターがWi-Fi 6Eに対応している人は、混雑が少なく安定した高速通信が利用できるはずだ。

総評:「iPhone 15 Pro」 は仕事もプライベートもこなせる万能プロモデル

今回の 「iPhone 15 Pro」 はデザインが大きく変わらなかったためマイナーアップデートとの風潮が強い気がしているが、筆者にはメジャーアップデートに近い変更だったと感じている。

SNSで筆者の個人アカウントをフォローしている人ならご存知だと思うのだが、筆者は毎日のように取材に出かけており、写真を撮ってはSNS/サイトにアップロードしている。取材先は東京都内はもちろん、場合によっては大阪や北海道など、日本全国どこにでも行く機会がある上に、年に数回は海外取材も行っている。

そんな日々のなか、相棒となるスマートフォンが本体が大きくて重く、さらに処理が遅くて、カメラも満足に撮れないようであれば旅のお供には不向きと言わざるを得ない。

では、「iPhone 15 Pro」 はそんな筆者の旅のお供に最適なスマートフォンなのか。発売日から数日使ってみて、その答えは 「YES」 だと確信している。

今回の 「iPhone 15 Pro」 は、コネクタがUSB-Cに変わり充電やデータ転送がしやすくなったことや、チタニウムフレームになったことで本体が軽くなったこと、そして先代モデルよりも綺麗な写真が撮れるようになったことで、使いやすさが向上している。

筆者が一番嬉しかったのはやはりコネクタがUSB-Cになったこと。MacやiPadを使って作業をする際、充電・通信ケーブルをMacやiPadと共有して荷物を減らせることはとても大きな変化だった。

カメラ性能が向上したのも嬉しい点だ。筆者は取材のときに一眼レフカメラを持ち歩いているのだが、発表会の内容をすぐに共有したい場合にはiPhoneで写真を撮影することも多く、その際に24MPで写真を撮影できたり、広角カメラで3段階の焦点距離から好みの設定をデフォルトに適用できれば、従来よりもクオリティの高い写真をより便利に撮影して、素早くアップロードできる。

連日忙しくて撮影した写真データを自宅のMac Studioに退避している時間がなくても、日頃からポータブルSSDを持ち歩いていれば、電車での移動中などのちょっとした時間に 「iPhone 15 Pro」 とSSDとを直接繋いで写真データを待避させることもできる。

コンパクトな筐体に便利な機能をギュッと詰め込んだ 「iPhone 15 Pro」 は、まさに筆者が求めているスマートフォンだった。

筆者の場合あまりにも色々なところに行きすぎているため、「さすがにそこまでは求めていないかも……」 と思う人がいても不思議ではないのだが、それでも先ほど挙げたメリットは色々な人の生活にどこかしらフィットする部分があるはず。それくらいの万能さを持ち合わせたのが、今回の 「iPhone 15 Pro」 ではなかろうか。

iPhone 15シリーズは、「iPhone 15 Pro」 のほかにも2倍のクロップズームが利用できるようになってカメラの使い勝手が大きく向上した 「iPhone 15」 、それよりもちょっぴり画面が大きくてコンテンツを見るのに適した 「iPhone 15 Plus」 、そして光学5倍ズームが利用できるようになったことでより遠くを撮影できるようになった 「iPhone 15 Pro Max」 もあるが、筆者のように仕事でもプライベートでもiPhoneを使うという人には、「iPhone 15 Pro」 のバランスの良さがピッタリそうだ。

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AuthorNANA

東北出身の東京都在住(性別年齢は非公開)。趣味はガジェットいじり、旅行や料理、映画、ゲーム。イモリやサンショウウオが好きなので、家でよく愛でています。

同メディアで取り扱う情報は主にインターネットテクノロジー関連、AppleやGoogleなどの新製品やサービス。その他、今最も興味があるのは「VR/AR」「スマートスピーカー」。