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『The Last of Us Part II Remastered』レビュー。進化したグラフィックであの復讐劇をもう一度。新モードやギター演奏モードなどお楽しみも多数

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ソニー・インタラクティブエンタテインメント (以下、SIE) は1月19日、ゲーム・オブ・ザ・イヤーをはじめ多数のゲームアワードを受賞したアクションアドベンチャー『The Last of Us Part II』のリマスター作品『The Last of Us Part II Remastered』を発売した。

本作はPlayStation 5 (以下、PS5) でのプレイに最適化されており、エリーやアビーを通して紡がれる物語を、より美麗なグラフィックで、臨場感たっぷりにプレイできる。また、追加コンテンツも複数用意されており、お楽しみ要素も盛りだくさんだ。

今回、SIEから本作のゲームコードを提供いただき、実際に『The Last of Us Part II Remastered』をプレイしてみることができた。

すでに筆者はPlayStation 4 (以下、PS4) 版をプレイしていたのだが、PS5版のリリースを機に、もう一度はじめからプレイし直すことに。今回のプレイで得られた体験や新要素の魅力について本稿で詳しく紹介したい。

『The Last of Us Part II』とは?PS5版の特長は?

『The Last of Us Part II』は、2020年にPS4向けに発売した、ノーティードックのアクションアドベンチャーだ。

初代『The Last of Us』は、人間を凶暴化させる謎の寄生菌の感染爆発によって崩壊した人間社会で、感染者 (インフェクテッド) や他の生存者の脅威と戦いながら、ジョエルとエリーの2人がアメリカ大陸を横断するという長い旅路を描いたものだった。

そしてその続編にあたる『The Last of Us Part II』は、前作のエンディングから5年後の世界が舞台だ。

ワイオミング州ジャクソンにある生存者たちのコミュニティーで比較的平穏な日々を送っていた2人だったが、ある日その穏やかな日々を一転させる凄まじい事件が起こり、エリーは復讐のため、シアトルを目指すことになる。

『The Last of Us Part II Remastered』は、オリジナルのPS4版からグラフィックが向上し、解像度モードでの4Kビジュアルに対応したほか、ロード時間の短縮やDualSense ワイヤレスコントローラーへの完全対応など、PS5ならではの改良点が追加。

また、オリジナル版には実装されなかった未公開ステージの開発初期バージョンをプレイしたり、開発に関する裏話を楽しめるモードや、ローグライクサバイバルモード 「No Return」 、様々なキャラクターでギターを演奏できる 「ギター演奏モード」 といった新要素も追加されている。

PS5版 新要素まとめ

  • 新しい未公開ステージとその解説
    PS4版『The Last of Us Part II』には実装されなかった3つの未公開ステージ (シアトルの地下水路、ジャクソンのパーティー、イノシシ狩り) の開発初期バージョンをプレイできる。開発者コメンタリーでは、メインストーリーのカットシーンなど、『The Last of Us Part II』の開発に関する裏話をボリュームたっぷりに楽しめる。
  • NO RETURN (ローグライク サバイバル モード)
    『The Last of Us Part II』 の奥深い戦闘を存分に体験できる新モード。プレイヤーは毎回経路を選びながら様々な敵とランダムに遭遇し、できる限り長く生き残りながら、最後には緊張感あふれるボス戦に挑むことになる。ディーナ、ジェシー、レブ、トミーなどの新規プレイアブルキャラクターも登場し、それぞれがユニークな特性を持つため幅広いプレイスタイルで楽しむことができる。各キャラクター用の新たなスキンを解除することも可能。
  • 新しい遊び方 「ギター演奏モード」 「タイムアタックモード」
    ストーリー上の好きなところで、様々なキャラクターでギターを自由に弾くことができる 「ギター演奏モード」 が追加。新しい楽器やキャラクターをアンロックすることでより多彩な演奏を楽しめる。本編のクリア時間を計測して自分自身の限界に挑む 「タイムアタックモード」 も実装。
  • グラフィックの改善
    解像度モードでネイティブ4K画質をサポートするほか、フレームレートの向上、可変リフレッシュレートをサポート。 テクスチャ解像度の向上、オブジェクトの詳細度、太陽の影とテクスチャの解像度、アニメーションのサンプリングレートの向上などが含まれる。
  • DualSense ワイヤレスコントローラーの完全対応
    ハプティックフィードバックとアダプティブトリガーに対応し、あらゆる武器の手触りが鮮明に感じられ、プレイ時の没入感を高める。
  • PS4版セーブデータの移行に対応
    すでにPS4版をプレイしたことがある人は、USBドライブまたはクラウドストレージを介してセーブデータの引き継ぎが可能。セーブデータの引き継ぎ後、トロフィーも自動で獲得する。

PS5版をプレイしてみて感じたこと

早速PS5版でメインストーリーをプレイ。グラフィック設定に関しては、4Kでレンダリングする 「解像度モード」 と、1440pでレンダリングした後に、映像出力設定に応じてアップスケール4Kもしくは1440pで出力する 「パフォーマンスモード」 があり、フレームレートは 「解像度モード」 が30fps、「パフォーマンスモード」 が60fpsとなる。

今回筆者はグラフィックを重視して 「解像度モード」 を選択したが、60fpsでの滑らかな映像を楽しみたい場合は 「パフォーマンスモード」 でプレイするのもありだ。4Kで映像出力ができるモニターの有無など、自信のプレイ環境に合わせて好みのモードでプレイしていただければと思う。

メインストーリーを開始して、まずは世界の綺麗さに改めて驚いた。

前作『The Last of Us』のストーリーをジョエルの語りで振り返る最初のムービーが終わった後、プレイヤーは馬に乗るジョエルを操作して、拠点であるジャクソンに向かう。

この場面は、PS4版でも前作からのグラフィックの向上に驚いたものだったが、風になびく草木の表現や木々の間から差し込む光、遠くに見える山々は、PS5になってより表現がリアルになり、思わずため息が出てしまうほど美しい。

拠点にたどり着くと場面が夜に変わり、ジョエルはエリーの元を訪れる。エリーはジャクソンでうまくやっていけているようで、周囲の人たちからの印象も良いのだという。

相変わらずぎこちない会話をする2人だが、ようやく落ち着いた場所に居着くことができたからか、前作よりも柔らかな表情を浮かべているのが印象的だ。

このあと、エリーの前でギターの演奏を披露することになるジョエル。この部分はプレイアブルになっていて、Lスティックでコードを選択し、タッチパッドを左右にスワイプしてギターを弾くことができる。

この場面では決まったコードを弾くことしかできないが、本作で新たに追加された 「ギター演奏モード」 では、好きなキャラクターで、好きな楽器を使って自由に演奏ができるように。楽器の種類は徐々にアンロックされていくため、バンジョーなどのギターとは違う楽器を演奏することも可能だ。

実際に同モードで演奏した例として、ノーティードッグ公式が公開した映像を掲載しておきたい。ギターに詳しい人は一曲弾いてみてはどうだろうか。

そして月日は流れ、5年後。ここでエリーたちの穏やかな日々を一転させる凄まじい事件が発生してしまう。エリーはこの事件をきっかけに、元ファイアフライであり、現在は 「WLF」 という組織に属する 「アビー」 を含むメンバーたちへの復讐を誓い、彼らが拠点を置くシアトルを目指して旅に出る。

エリーの復讐の対象である 「アビー」 は、実は本作のもう1人の主人公だ。とある目的でジョエルを探していたのだが、偶然にも感染者たちの襲撃をきっかけにジョエルとの接触に成功し、長年の目的を達成する。しかし、その行動がエリーの復讐のきっかけとなってしまう。

『The Last of Us』シリーズは重厚なストーリーが注目ポイントのひとつということもあり、ストーリーへの言及はこれくらいで終わっておきたい。ただし、本作は復讐が復讐を呼ぶ、過酷なストーリーを描いたものであり、軽い気持ちでプレイできる内容ではないということだけはあらかじめお伝えしておく。

操作面においては、新たにDualSense ワイヤレスコントローラーのハプティックフィードバックとアダプティブトリガーに対応したことで、武器を扱うときの感覚がよりリアルに。

銃を使うときや、弓を引き絞るとき、近接武器で殴打するときでは、コントローラーの感覚が全く異なる。トリガーの重さ、武器の反動によるコントローラーの振動などによってキャラクターの動きとの一体感がより高まり、没入感が向上した。

たとえば大量の感染者たちが襲ってくる場面などでは、連射力のある銃をとにかく撃ちまくることも多く、撃ち終わった後にはコントローラーの振動で手がビリビリすることも。このリアルさを感じられるのはPS5版ならではの良さだと感じた。

本作では、感染者たちだけでなく、アビーたちが属する 「WLF」 や、WLFと対立する組織 「セラファイト」 の人間たちとも戦うことになる。対人戦の場合、基本的なアクションは感染者と戦うときと同じであるものの、見つかった際に感染者たちは連携もなくただダッシュでこちらに向かってくるだけだったのに対し、人間相手だと連携をとりながらこちらを追い詰めるように行動してくる。

人数では圧倒的にこちらが不利なため、基本的には見つからないように1人1人確実に仕留めていくのが理想だが、もし見つかってしまったなら、持っている武器やアイテムを最大限に使って切り抜けるようにしなければ勝利は難しいだろう。

ちなみに人間相手の戦いにおいては、それぞれのキャラクターにきちんと名前があり、誰かを殺害すると他のキャラクターが名前を叫ぶなど、「自分の行動が誰かの命を奪った」 ことを実感されられる。

誰かを殺すということは、誰かから恨まれるということ。復讐をテーマにした本作らしい仕様で、終始プレイヤーのメンタルをガリガリと削ってくる。ある意味本作をプレイする上で一番辛いところと言えるかもしれない。

新モード 「NO RETURN」 について

本作の戦闘パートだけを最大限に楽しみたいなら、新モード 「NO RETURN」 がオススメ。フィールドに落ちている資源でアイテム作成や武器強化をしながら、ランダムな条件のエンカウンター (ステージ) を進めていき、最後に強力なボスを討伐すればクリア、というモードだ。

プレイできるキャラクターは最初はエリーとアビーの2人のみだが、モードを進めていくことでディーナやジェシー、レブといったストーリーでお馴染みのキャラクターがアンロックされていく。

各キャラクターは独自の特性 (固有能力) を持っているほか、スキルツリーのスキル構成や初期段階でクラフトできるアイテムが異なることも。たとえばエリーは 「サプリメント獲得量50%アップ」 の特性持ちで、初期段階で火炎瓶を作ることができ、ディーナはスキルツリーの中に2倍の量の爆弾を作れるスキルがあり、初期段階で罠とスタン爆弾を作れる。

エンカウンターには、敵の大群を相手に戦う 「ASSAULT」 、次々現れる敵たちを倒し、タイムアップになるまで生き延びる 「HUNTED」 のように複数の種類があり、戦闘開始前にどのような条件なのかをプランニングボードで確認できる。戦う相手が感染者なのか、人間なのか、交戦状態でスタートするのか、などの条件も記載されているため、必ず確認してどういう状況で戦うことになるのかをチェックしておこう。

基本的なルールがわかったところで、いざ実戦へ。ストーリーモードで厳しい戦闘を経験してきていることもあり、ある程度まではいけるんじゃないかと思ったが、初めてのプレイ時にはあっさりとやられてしまった。

苦戦した理由は、とにかく準備が間に合わないこと。ストーリーモードでは近くにどんな敵が何体いるのかを把握して、必要なアイテムを作ったり、適切な武器を選択して、安全そうな場所に陣取って戦うことができるが、NO RETURNモードではどんな敵が何体出てくるのかはわかっても、適切な武器やアイテムがなかったり、安全な場所をすぐに見つけることができず、パニックに陥りがちだ。混戦になれば操作ミスなども多発し、必然的に弾やアイテムの消費が多くなり、徐々にジリ貧になっていく。

クリアするためには、どんな状況でもパニックにならないように自分を制することと、様々な状況に臨機応変に対処できるようになることが重要だと感じた。言葉にするのは簡単でも、プレイしてみると意外と上手くできないことも多いので、挫けず何度もプレイするのがクリアにつながっていくはずだ。

グラフィックの向上に大満足、「NO RETURN」 は難しいが遊びごたえあり

初めてオリジナルのPS4版『The Last of Us Part II』をプレイしたときには、その衝撃的なストーリーに何度も心が挫けそうになった筆者だったが、今回のPS5版は2回目ということもあり、もう少し余裕のある状態でストーリーをプレイできたように思う。

そうなってくると、特に周りの風景の美しさが目に飛び込んでくるようになる。PS4版でも映像は綺麗だなとは思っていたが、PS5版で 「解像度モード」 でプレイしたところ、4Kレンダリングによって細かい部分の解像度が明らかに向上しており、グラフィック面での満足度は高くなったと言えるだろう。

また、新モードの 「NO RETURN」 も奥深い。キャラクターごとに異なる特性やランダムに生成される条件により、常に異なる状況で戦うことになるため、無限に遊べるモードだと感じた。ただし難易度はそれなりに高く、クリアするには多少の運も絡んでくるため、何度も諦めないでチャレンジしよう。

本作は 「復讐」 をテーマにした作品ということもあり、エリーやアビーたちの心情を考えれば楽しい気持ちでプレイすることはできないのだが、それでも作品としての完成度は高く、終始色々なことを考えさせられる内容になっている。本作については様々な意見があがっているが、前作をプレイ済みならプレイする価値は大いにあると筆者は感じている。プレイするかどうかを迷っている人の参考になれば嬉しい限りだ。

『The Last of Us Part II Remastered』は、2024年1月19日に発売を迎えており、PS Storeでは5,480円(税込)で購入可能。すでにPS4版を持っている人は、1,190円(税込)でPS5版にアップグレード可能だ。セーブデータの移行にも対応するため、PS4版の進行度を引き継いですぐにプレイし始めることが可能だ。

©2024 Sony Interactive Entertainment LLC. Created and developed by Naughty Dog LLC. The Last of Us is a registered
trademark of Sony Interactive Entertainment LLC and related companies in the U.S. and other countries.
(画像提供:ソニー・インタラクティブエンタテインメント)

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AuthorNANA

東北出身の東京都在住(性別年齢は非公開)。趣味はガジェットいじり、旅行や料理、映画、ゲーム。イモリやサンショウウオが好きなので、家でよく愛でています。

同メディアで取り扱う情報は主にインターネットテクノロジー関連、AppleやGoogleなどの新製品やサービス。その他、今最も興味があるのは「VR/AR」「スマートスピーカー」。