
ノートPCの性能向上によって外出先で仕事をする機会は増えたが、マウスを持ち歩く人は意外と少ない。
ロジクールの調査によると、マウスを所有している人は72%いる一方で、公共の場所で実際に使用している人は26%にとどまるという。理由として挙げられているのが、持ち運び時のかさばりや重さだ。
そうした課題に向けて登場したのが、ロジクール初の折りたたみ式マウス「Mobi Fold(MF900)」だ。折りたたむことでポケットにも収まるサイズになりながら、一般的なマウスに近い操作性を目指した。7月2日に発売予定で、価格は1万4850円(税込)。
今回は実機を試用する機会を得たので、その使い勝手をレポートする。
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持ち運びに特化したロジクール初の折りたたみモバイルマウス

Mobi Foldは、折りたたみ機構を備えたBluetooth対応のワイヤレスマウスだ。使用時には本体を開き、持ち運ぶ際には折りたたむというシンプルな仕組みを採用している。
本体サイズは展開時が約122×57×33mm、折りたたみ時は約66×57×21mm。重量は79g。一般的なモバイルマウスと比べてもかなりコンパクトで、バッグの小さなポケットやガジェットポーチはもちろん、シャツやズボンのポケットに入れて持ち運ぶこともできる。

折りたたみと連動して電源のオン・オフが切り替わるため、持ち運び時にわざわざ電源を気にしなくて良いのも使いやすい。ヒンジ部分にはシリコン素材が採用されており、ホコリなどが付着しにくいのも細かいながらグッドポイント。
耐久性についても力が入れられており、90cmからの落下試験をクリア。ヒンジは5万回以上の折りたたみテストを実施しているほか、グローバル発表では15年間の使用を想定した耐久試験を行ったとしている。また、マウス展開時に本体を逆側に折り曲げようとしたときには、4kgの負荷まで耐えられるように設計されているとのこと。

接続はBluetoothに対応し、最大3台のデバイスを登録可能。底面のボタンを使って接続先を切り替えられる。Windows、macOS、Linux、ChromeOS、iPadOS、Androidなど幅広いOSで利用できるほか、Logi Bolt接続にも対応。ただしレシーバーは別売となる。

本体上部には左右クリックボタンに加えて、中央にタッチパネルを搭載。一般的なマウスにある物理スクロールホイールはなく、指でなぞることでスクロールを行う方式だ。高速スクロールと1行単位の細かなスクロールを状況に応じて切り替える「アダプティブタッチスクロール」を備えている。

さらにタッチパネルの上下にはカスタマイズ可能なボタンを搭載。初期設定ではブラウザの「進む」「戻る」が割り当てられているが、Logi Options+からアプリ切り替えやスクリーンショットなど好みの機能を設定できる。
特に面白いのが、ジェスチャー操作を割り当てられることだ。ボタンをクリックした状態で上下左右にマウスを動かす操作を認識でき、「進む」「戻る」ボタンのそれぞれに最大5つの役割を割り当てて使うことができる。よく使う機能を割り当てておけば、スプレッドシートの編集などで恩恵がありそうだ。
クリック音は非常に静かで、カフェやコワーキングスペースなど周囲に人がいる環境でも使いやすい。
高い携帯性で自然と荷物に組み込める、ただし使い心地は好みが分かれそう

数週間ほど試用してまず感じたのは、携帯性に対する割り切りの徹底ぶりだ。
ロジクールにはモバイル向けマウスとして「MX Anywhere 3S」などの製品があるが、Mobi Foldはその延長線上にある製品というより、「とにかく持ち歩くこと」を優先して設計された別カテゴリーのマウスという印象を受けた。


MX Anywhere 3Sも十分コンパクトだが、バッグへ入れる際には「マウスを持っていく」という意識が少なからず生まれる。一方のMobi Foldは折りたたむとワイヤレスイヤホンのケースほどのサイズになり、ポーチやバッグの隙間に自然と収まる。実際に持ち歩いていると、マウスを持っていくかどうか悩む場面そのものが減る感覚があった。
外出先で作業する機会が多い人ほど、この違いは大きい。ノートPCと一緒に常時携帯することを前提に考えた場合、Mobi Foldの存在感は驚くほど小さい。
接続もスムーズで、ノートPCやタブレットとのBluetooth接続に手間取ることはなかった。3台まで登録できるため、仕事用PCと私物PC、タブレットを併用するような環境でも便利に使える。

一方で、使い心地については好みが分かれそうだ。Mobi Foldは折りたたみ構造の都合上、本体上面が平坦で、左右のグリップ部分もほとんどない。一般的なマウスのように手のひら全体を自然に預ける感覚とは異なり、折り曲げた板を握っているような独特の感触がある。
短時間の作業や移動中の利用では気にならないものの、長時間の作業ではMX Anywhereシリーズのような一般的なモバイルマウスの方が快適に感じる人も多いだろう。
スクロールについても同様だ。タッチパネルによる操作は十分実用的だが、物理ホイール特有の確実な操作感には及ばない。長いWebページや資料を閲覧する際は快適だが、細かなスクロールを頻繁に行う用途では慣れが必要だった。

ただし、ノートPCのタッチパッドと比較すると操作効率は明らかに高い。出先でもマウスを使いたいが荷物は増やしたくないというユーザーにとっては十分魅力的な選択肢になってくれそうだ。
バッテリーはUSB Type-Cによる充電式で、満充電時の駆動時間は最大30日間としている。
特に便利なのが急速充電機能だ。わずか1分の充電で最大22時間利用できるため、出発前に充電を忘れていても短時間で使えるレベルまで回復できる。実際の試用期間中もバッテリー残量の減りは緩やかで、頻繁な充電が必要になることはなかった。
なお、充電ケーブルは付属しないため、スマートフォンやタブレット、ノートPC用として使っているUSB Type-Cケーブルを使い回していただきたい。
「マウスを持っていくか悩む」が減る一台、出先でのノートPC作業のお供にオススメ

Mobi Foldは、折りたたみ機構によって優れた携帯性を実現したユニークなモバイルマウスだ。
使い心地だけを基準に選ぶのであれば、他にも選択肢はある。しかし、Mobi Foldが目指しているのはそこではない。
この製品の価値は、マウスを持ち歩く負担を限界まで小さくしたことにある。実際に使ってみると、「持ち運べるマウス」ではなく「常に持ち歩けるマウス」を目指して設計されたことがよく分かる。
操作感には多少の慣れが必要だが、ノートPCのタッチパッドより快適に作業したい場面は少なくない。出張や移動が多いビジネスユーザーはもちろん、最近強化が進むiPadのマルチタスク環境と組み合わせても活躍してくれそうな一台だ。

