
LINEヤフーは8月10日、SNSを悪用した「SNS型投資詐欺」や「ニセ警察詐欺」に関する意識調査の結果を公表した。
調査で目を引くのが、詐欺につながる不審なメールや電話、ビデオ通話などを経験した人が約半数にのぼった一方で、「自分が詐欺に騙される可能性がある」と考えている人は3割未満だったことだ。怪しい連絡を受けること自体は、決して珍しいことではなくなっている。それでも、多くの人は「自分は大丈夫」と考えているようだ。
近年は、SNSやオンラインサービスをきっかけに投資を持ちかける「SNS型投資詐欺」や、警察官などを名乗って現金や個人情報をだまし取る「ニセ警察詐欺」が増えている。
警察庁によると、2025年に認知されたSNS型投資詐欺は9538件で、前年から48.7%増加した。被害額は1274億7000万円に達し、前年比46.3%増となった。また、2025年から統計が始まったニセ警察詐欺も、認知件数が1万936件、被害額が985億4000万円にのぼっている。
今回の調査では、こうした詐欺をどの程度知っているのか、実際に怪しい連絡を受けた経験があるのか、さらに、その後どのような対応をしたのかを聞いた。調査は2026年7月21日から22日にかけて、LINEを利用する18~69歳の男女を対象にLINEリサーチ上で実施。有効回答数は1056人だった。
「自分は騙されない」が7割超、年齢が上がるほど割合も高く


SNS型投資詐欺の認知度は約4割、ニセ警察詐欺は約7割だった。ニセ警察詐欺のほうが広く知られている一方、SNS型投資詐欺については半数以上が十分に認知していない。
ところが、実際に詐欺の入り口となるアプローチを受けた人は約半数にのぼった。「心当たりのない人や金融機関からの投資に関するメール等」や、「警察等を名乗る電話やビデオ通話」などが、その具体例だ。



詐欺につながる連絡は身近なところまで来ている。それでも、「自分が騙される可能性があると思うか」と尋ねると、7割以上が「そう思わない」または「どちらかといえばそう思わない」と答えており、「自分は騙されない」と考えている人が多いことがわかる。さらに年代別に見ると、年齢が上がるほど「自分は騙されない」と考える人の割合が高くなる傾向も見られた。
ここで思い出したいのが、警察庁が2018年に実施した「オレオレ詐欺被害者等調査」だ。この調査では、実際に詐欺被害に遭った人の78%が「自分は被害に遭わないと思っていた」と回答している。一方、詐欺に騙されなかった人では57%だった。
もちろん、この数字だけで「自分は騙されない」と考えることが被害の原因になるとまでは言えない。ただ、「自分には起こらない」と思い込んでいると、怪しい連絡が来たときの警戒が遅れる可能性はある。詐欺の手口が巧妙になっている今だからこそ、「自分も騙されるかもしれない」と考えておくことが大切なのかもしれない。
怪しい連絡を受けても6割超が「通報・相談せず」


もう1つ気になるのが、怪しい連絡を受けた後の行動。詐欺の入り口となる怪しいアプローチを経験した人に、その後の対応を聞いたところ、6割以上が「通報や相談はしなかった」と答えたという。理由としては、「面倒」「意味がない」といった回答のほか、「機能がどこにあるかわからない」「機能を知らなかった」といった声もあった。
怪しい連絡が来ても、「無視すればいい」と考えて、そのまま終わらせる人は少なくないだろう。サービスを提供する側からすると、ここにも対策の余地がある。
LINEヤフーは、ユーザーが詐欺被害に遭うのを防ぐため、技術的な対策だけでなく、注意喚起や啓発にも取り組んでいる。LINEアプリでは、1:1トーク、グループトーク、オープンチャットに通報機能を用意している。不審なメッセージが届いた場合は、そのメッセージを長押しし、情報の送信に同意すると通報できる。
1:1トークやグループトークの内容は「通信の秘密」に該当する。そのため、LINEヤフーが内容を確認できるのは、ユーザーが通報して情報の送信に同意した場合だ。確認の結果、不適切な行為があれば、アカウントの利用停止などの対応を行う。

また、友だち以外のユーザーからグループトークに追加されたときや、1:1トークの開始時、アカウントの友だち追加時、オープンチャットへの参加時などには、「LINEを悪用した詐欺にご注意ください」という注意喚起を表示している。
知らない人からのメッセージを受け取りたくない場合は、受信自体を制限することもできる。[ホーム]>[設定]>[プライバシー管理]から「メッセージ受信拒否」をオンにすると、知らない人からのトークやグループ招待が届かないように設定できる。
LINEヤフー広告でも、詐欺対策を強化している。特に注意が必要な領域では、広告掲載前の審査と掲載開始後のモニタリングを強化。必要に応じて、広告掲載前・掲載後を問わず広告主の本人確認も行っている。
さらに、行政や関連団体から情報を集め、過去のトラブル事例をもとに詐欺広告の特徴や傾向を分析。広告掲載基準の見直しも進めている。
今回の調査で見えてくるのは、「詐欺の入り口」が身近になっていることと、「自分は大丈夫」と考える人の多さとのギャップ。不審なメールや電話が届くこと自体は、珍しい出来事ではなくなった。だからこそ、怪しい連絡が来たときに「自分には関係ない」と流してしまうのではなく、一度立ち止まって確認することが大切になる。
もし心当たりのない連絡が届いたら、相手の指示に従ったり、記載されたリンクを開いたりせず、必要に応じてサービス側の通報機能や相談窓口を利用したい。
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(画像提供:LINEヤフー)



