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日本HP、1kg未満のAI PCや最大192GBメモリのワークステーションを発表。ローカルAI活用を推進

日本HPは10月7日、年次イベント「HP Future of Work AI Conference 2026」を都内で開催し、企業のAI活用を支援するデバイスやソリューションを発表した。

イベントでは「成果に結びつけるAIの社会実装~ローカルAIとハイブリッドAIの最前線」をテーマに、日本市場向けに開発した1kg未満の14インチ型AI PC「HP EliteBook 8 G2iW 14」や、最大192GBのメモリを搭載できるモバイルワークステーション「HP ZBook Ultra G3a 16」などを紹介。端末内でのAI処理とクラウドを使った処理を使い分けるソフトウェア「HPIQ」についても説明した。

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AIの業務活用を進めるハイブリッドAI戦略

基調講演に登壇した日本HP 代表取締役 社長執行役員 岡戸伸樹氏

生成AIの導入が進む一方、多くの企業が直面しているのが、試験導入やPoC(概念実証)から実際の業務成果につなげるまでの難しさだ。クラウド型AIの利用拡大に伴う通信コストやトークン消費量の増加、機密情報の漏洩リスクに加え、多数のデバイスやAIエージェントを管理する負担も課題となっている。

特に、自律的に動作するAIエージェントは、同じタスクを人が直接処理する場合や、単発の指示でAIを利用する場合と比べて、20~50倍のトークンを消費するという。AIエージェントの利用が広がれば、クラウドでの処理にかかる費用が膨らむ可能性がある。

日本HPは、2030年までにAIの推論処理の約半数がデバイス側で実行されると予測。こうした見通しを踏まえ、クラウドと端末内の処理を組み合わせる「ハイブリッドAI」の重要性を訴えた。

同社は「信頼できるAIエッジの構築」「常に寄り添うパーソナルAIの実現」「AIによる現場変革の加速」の3つを柱に、AI戦略を展開している。

2026年5月には「HP ハイブリッドAI推進コミッティ」を立ち上げ、現在は18社が参加する。アプライアンス製品の提供や製造現場での実証実験、業務支援アプリの無償提供などを通じて、企業のAI活用を後押ししている。

日本HPは、自社を「AIの総合プロデュースカンパニー」と位置づける。PCなどのハードウェアだけでなく、ソフトウェアやセキュリティも含めて提供し、企業がAIを業務に取り入れるための環境づくりを支援する方針だ。

具体的な取り組みのひとつが、端末上で動作するAIソフトウェア「HPIQ」。20B(200億)パラメータ規模のローカルAIモデルをあらかじめ搭載し、入力された指示に応じて端末内で処理するか、クラウドに処理を任せるかを自動で判断する。

この仕組みによって、端末内で処理できるタスクはローカルAIに任せ、より高度な処理が必要な場合はクラウドを利用するといった使い分けが可能になる。通信負荷やコストを抑えながら、情報の取り扱いにも配慮したAI環境を目指す。

また、デバイスの稼働状況やAIエージェントの動作を一元管理するプラットフォーム「HP Workforce Experience Platform(WXP)」も提供する。AIの導入から日々の運用管理まで、企業を幅広く支援する考えだ。

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日本向けの超軽量AI PCから高性能ワークステーションまで

HP Inc. シニアバイスプレジデント兼コマーシャルシステムズ、セキュリティ&ディスプレイソリューションズ事業部長のギャガン・シン氏が新製品について説明

今回のイベントでは、国内のビジネス環境に合わせたモバイルPCから、AI開発に適した高性能ワークステーション、遠隔地の相手と立体映像で対話できるコミュニケーションシステムまで、幅広い製品やソリューションが紹介された。

14インチ・1kg未満のAI PC「HP EliteBook 8 G2iW 14」

「HP EliteBook 8 G2iW 14」は、日本のビジネスパーソンの働き方を踏まえて開発したモバイルノートPC。満員電車での通勤や外出先でのWeb会議、移動中のバッテリー管理など、国内のビジネスシーンで想定される使い方を考慮して設計した。

画面には、13インチより広い作業領域を確保できる14インチディスプレイを採用。それでいて、本体重量は1kg未満に抑えている。プロセッサーには17 TOPSのNPUを搭載したインテル Core シリーズ 3 プロセッサーを採用し、米軍調達基準のMIL-STDに準拠した堅牢性も備える。

インターフェースも充実しており、有線LANポート(RJ-45)やHDMI端子を本体に搭載する。変換アダプターを持ち歩かなくても、ネットワークや外部ディスプレイに接続しやすい。無線通信はWi-Fi 7に対応し、オプションで5Gや4Gのモバイル通信も利用できる。

付属のACアダプターには、電力変換効率に優れた窒化ガリウム(GaN)を採用。持ち運びやすい小型サイズに仕上げた。キーボードはキーにくぼみを設けた新設計で、長時間のタイピングでも指になじみやすいよう工夫している。大型のトラックパッドも備える。

保守作業のしやすさにも配慮した。キーボードやバッテリーは、サービス拠点に本体を送らなくても、ユーザーやIT管理者が現場で交換できる構造を採用する。交換にかかる時間は約10分を想定しており、内部部品には識別しやすい色を付け、作業の負担を軽減している。

販売は2026年10月から順次開始する。個人向けの関連モデル「HP OmniBook X 14」などは、同年11月上旬の発売を予定している。

最大192GBのメモリに対応する「HP ZBook Ultra G3a 16」

(画像提供:日本HP)

AI開発や高度なエンジニアリング作業に向けては、16インチのモバイルワークステーション「HP ZBook Ultra G3a 16」を発表した。

プロセッサーには「AMD Ryzen AI Max PRO 400」シリーズを採用し、最大192GBのユニファイドメモリを搭載できる。大規模言語モデル(LLM)や複雑なAIモデルを端末内で動かし、クラウドにデータを送信せずに開発や検証を進められる環境を提供する。

機密情報を扱う研究開発や、社外にデータを持ち出しにくい業務での活用を想定している。出荷は2026年10月から順次開始する予定だ。

立体映像で対面に近い会話を実現する「HP Dimension with Google Beam」

イベントでは、AIと3D映像技術を組み合わせたコミュニケーションシステム「HP Dimension with Google Beam」も紹介された。

遠隔地にいる相手の姿や表情、仕草を100%等身大の3D映像で65インチのディスプレイに立体的に再現し、空間オーディオによって同じ空間で向かい合っているかのような感覚で会話できる。1対1のミーティングや、細かな意思疎通が求められる商談などでの利用を想定している。

実際に体験してみると、映像を見ているにもかかわらず、相手と目を合わせた状態で自然に会話できる。複数のカメラで撮影した映像をAIで立体的に再構成し、専用ディスプレイに表示する仕組みで、相手の表情や身振りも奥行きのある映像として伝わってくる。

背景の壁も実物ではなくデジタルで生成されたものだが、人物の背後には自然な影が生まれ、空間全体のリアリティを高めている。サンプル品などを手に取って相手に見せる場面でも、手元の物体が立体的に再現され、形状や奥行きを確認できた。

画面越しでは伝わりにくかった視線の動きや手元の細かな様子まで自然に伝わることから、遠隔地にいる相手とのコミュニケーションを、これまでのビデオ会議とは違ったものにしてくれそうだ。

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