本日、Appleは新型Apple TVの「Apple TV 4K」を発売する。同端末は4K/HDRの再生ができることが最大のアピールポイントになっているわけだが、残念ながら発売当初はYouTubeの4K動画を再生することはできないようだ。
The Vergeの「Apple TV 4K」先行レビュー記事によると、「Apple TV 4K」はVP9コーデックに対応していないために、YouTubeアプリで4K動画を再生することができず、最も高い画質でも1080p(1,920×1,080)での再生になってしまうとのこと。
「Apple TV 4K」は4KのYouTube動画を再生できず
これは、iOS/Mac端末のブラウザ「Safari」で4KのYouTube動画を再生することができないのと同じ現象。Googleとしては、YouTubeにおいてVP9コーデックを推奨することを2015年4月に発表しており、ほぼ全ての主要ブラウザが同コーデックに対応している。
しかし、Appleの「Safari」だけは、頑なにVP9コーデックをサポートしていない。オープンソースで、ロイヤリティフリーであるにも関わらずだ。
The Vergeによると、Apple TVも同コーデックに対応していないため、YouTubeの4K動画を再生することができないのだという。Appleが推奨するビデオフォーマットは、H.264/HEVC。このフォーマットは全てのApple製デバイスで利用可能だ。
ちなみに、なぜAppleがVP9の導入を行わないのか。理由は諸説あるが、そのひとつに、かの偉大な元CEOスティーブ・ジョブズ氏の存在があるとされる。
ジョブズ氏は、GoogleがVP8を発表した際に、同コーデックに対して「H.264よりも劣っているVP8をなぜ使う理由があるのか」と否定的な意見を持っていたとのこと。結果、AppleはVP8の導入を見送っており、その後もVP9の導入はせず今に至るというもの。
今後もVP9のコーデックを導入しない限り、Appleは「Apple TV 4K」や「Safari」で4K動画を再生することができないだろう。ただ、新型Apple TVの名前は「Apple TV 4K」、4Kと名がついているにも関わらず、最大手動画サイトの動画が4K再生できないというものは考えもの。
「Apple TV 4K」の他にも4K動画の再生ができる端末が増えてきている中、Appleは今後どのような対応をとるのか、注目だ。