
Appleは5月20日、2025年のApp Storeにおける不正対策の実績を発表した。2025年には、不正取引と判断された22億ドル超の取引を阻止したほか、問題のあるアプリ申請を200万件以上却下。不正なアカウント作成も11億件以上ブロックしたという。
同社は近年、AIを悪用した詐欺や偽レビュー、マルウェア配布などの手法が高度化していることを受け、人による審査と機械学習を組み合わせた多層的な防御体制を強化している。App Storeは現在、175のストアで毎週8億5,000万人以上が利用しており、ユーザー保護と健全な開発環境の維持が重要な課題になっている。
AI時代のApp Store審査体制を強化
2025年は、生成AIを活用したアプリ開発ツールの普及によって、App Storeへの申請数が大幅に増加した年でもあった。AppleのApp Reviewチームは、年間910万件以上のアプリ申請を審査。このうち200万件以上をガイドライン違反として却下している。内訳は、新規アプリが120万件超、アップデートが約80万件だった。
Appleは従来から人の目によるレビューと機械学習を組み合わせてきたが、現在はAIを使ってアプリ同士の類似性や、不審なアップデート内容、悪意ある挙動のパターンなどを分析している。審査担当者は、そうしたシステムによる検知結果をもとに重点的な確認を行う形だ。
2025年には、審査後に機能を書き換えて金融詐欺へ誘導する「おとり商法」型アプリ約5万9,000本を削除した。また、隠し機能や未申告機能を含むアプリ2万2,000件超、コピーアプリやスパム、誤認を招くアプリ37万1,000件超、プライバシー侵害を理由とするアプリ44万3,000件超を却下している。
TestFlightについても、不正行為やセキュリティ上の懸念があるとして、250万件以上の配布申請をブロックした。
アカウント関連の対策も進められている。Appleは2025年、不正ユーザーアカウント作成を11億件以上ブロックしたほか、4,040万件のユーザーアカウントを停止。不正の疑いがあるとして19万3,000件のデベロッパアカウントを停止し、13万8,000件超の登録申請を却下した。
さらに、海賊版アプリストア上で配布されていた違法アプリ2万8,000本を検出・遮断。マルウェア、賭博アプリ、ポルノアプリ、正規アプリの改変版などが含まれていたという。Appleは先月だけでも、App Store外から違法配布されたアプリのインストールや起動を290万件阻止したとしている。
偽レビューや不正決済への対策も継続

App Storeでは、評価やレビューを悪用したランキング操作も大きな問題になっている。Appleによると、2025年には13億件以上のレビューと評価を処理し、そのうち約1億9,500万件を不正レビューとしてブロックした。
また、検索結果への表示を狙った詐欺的アプリ約7,800本を排除したほか、ランキング掲載を狙った不正アプリ約1万1,500本も表示対象から除外している。
決済関連では、Apple PayやStoreKitを利用する68万本以上のアプリで暗号化技術を用いた保護を提供している。2025年には、540万枚以上の盗難クレジットカードが不正利用されるのを防止し、約200万件のユーザーアカウントを永久的に取引停止処分にした。
子ども向けカテゴリーの審査も継続しており、2025年には5,000本以上のアプリをKidsカテゴリへの掲載対象外とした。Appleはあわせて、年齢に応じた機能制御を実装できる「Declared Age Range API」や「PermissionKit」、保護者向け機能「スクリーンタイム」「承認と購入のリクエスト」なども提供している。
Appleは今後も、App Storeの安全性と品質維持に向けた投資を継続するとしている。
情報ソース




