
Microsoftは9月17日、「東京ゲームショウ2026(TGS2026)」に合わせて、日本では初となる「XBOX FanFest Tokyo」を開催した。
同イベントは、XBOXの25周年を記念して、日本のファンやコミュニティとともにブランドの歩みを振り返るファンイベント。会場では、Xboxの歴史を振り返るトークセッションや最新ゲームの試遊、ファン参加型企画などが行われた。
18時から始まったオープニングステージには、長年のXBOXファンであり、公式配信・イベントの常連ゲーミングMCを務める荒木美鈴さん、元Microsoft社員で「メジャー・ネルソン」の愛称でXBOXファンに親しまれたラリー・ハーブ氏、通訳を務めたIGN JAPANのクラベ・エスラ氏、XBOX次世代担当バイスプレジデントのジェイソン・ロナルド氏らが登壇した。
ロナルド氏は、XBOXにとって重要なのは「プレイヤー」「コミュニティ」「ゲーム」の3つだと説明。25年の歴史を振り返りながら、日本のクリエイターやゲーム会社が生み出してきた数々の作品がXboxにとって大きな存在だったことにも触れ、日本のゲーム業界やファンへの感謝を伝えた。
初代XboxからSeries X|Sまで。25年の歴史を振り返る
続いて行われたトークセッションでは、XBOXの歴史を象徴する言葉として「革新的」「未来」が挙げられ、初代「Xbox」から現在までの変化を振り返った。
2000年代前半の初代「Xbox」については、当時は現在よりも小さなチームでありながら、大きな目標を掲げてハードウェアを開発していたことが紹介された。
なかでも大きな転換点として語られたのが「Xbox Live」だ。家庭用ゲーム機をインターネットにつなぎ、離れた場所にいるプレイヤー同士がリビングから一緒に遊べる環境を作ったことは、当時として大きな挑戦だったという。
ラリー氏が当時の実物「Xbox Liveスターターキット」をステージで取り出すと、会場のファンからは歓声が上がっていた。
日本市場への取り組みも振り返られ、『ブルードラゴン』をはじめとするJRPGに力を入れたことや、巨大で特徴的な黒い本体デザインについても話題になった。
「Xbox 360」の時代になると、『Halo』や『Gears of War』などを通じて、フレンドとボイスチャットをしながら協力・対戦するスタイルが広がった。登壇者からは、ラジオ番組の企画でシューティングゲームのオンラインランキングを競った思い出も披露された。
また、「Xbox 360」で導入された「実績(Achievements)」も大きな話題となった。ゲームをプレイする目的そのものに影響を与えるシステムとして紹介され、登壇者からは『アサシン クリード II』で実績をほぼコンプリートしたものの、990/1000で止まってしまったという悔しいエピソードも飛び出した。
「Xbox Live Arcade」についても触れられ、『Braid』『Splosion Man』『Hell Yeah!』『Snoopy Flying Ace』など、デジタル配信を通じて個性的なインディーゲームに出会える環境が広がったことが振り返られた。
ユーザーから寄せられた意見やフィードバックを、プラットフォームの機能に反映していく文化が根付いたのもこの時代だという。
「Xbox One」の時代には、体感型センサー「Kinect」が登場。手振りや身振りを使って操作するゲームが生まれ、『D4: Dark Dreams Don’t Die』など、Kinectを生かした独創的なゲーム体験も紹介された。
「Xbox Game Studios」の拡大や後方互換機能の強化も進み、過去のXboxタイトルを新しいハードウェアで遊べる環境が整っていった。
そして現行の「XBOX Series X|S」では、ハイエンドモデルの「XBOX Series X」とコンパクトな「XBOX Series S」を用意し、予算や生活スタイルに合わせてハードウェアを選べるようになった。
XBOX Game Passやクラウドゲーミングの進化によって、「ROG XBOX Ally」などのポータブルデバイスからゲームをプレイしたり、外出先や旅行先のホテルから自分のXBOX環境にアクセスしたりすることも可能になっている。
こうした変化のなかでも、XBOXが一貫して大切にしてきた考え方として「常にプレイヤーを中心に置く」という姿勢が語られた。開発やサービスについて判断に迷ったときには、プレイヤーを見ることを基本にしているという。
XBOXを通じた人とのつながりについてもエピソードが紹介され、荒木さんはXBOXコミュニティでの出会いをきっかけに結婚したというエピソードを披露。25年の歴史は、ゲームそのものだけでなく、プレイヤー同士の交流も生み出してきたようだ。
「TGS2026」のXBOX配信をファンと視聴。小島秀夫監督もサプライズ登場
19時からは「XBOX 東京ゲームショウ 2026 ブロードキャスト」のウォッチパーティーがスタート。会場の大型スクリーンを使い、来場者全員で最新情報やトレーラーを視聴した。
会場が特に盛り上がったのが、コジマプロダクション関連の発表だ。「TGS2026」の開催直前には、同社が開発するアクション・エスピオナージ・ゲーム『PHYSINT(フィジント)』について、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)との協業で進めていたプロジェクトが、6月中旬にSIEからキャンセルの通達を受けたことが明らかになっていた。
その後、約3カ月にわたって新たなパートナーを探し、XBOXとタッグを組むことが発表されていたこともあり、今回の発表には会場から大きな期待が寄せられていた。
配信では、『OD – KNOCK』の開発が順調に進んでいることが報告されたほか、『PHYSINT』では主演キャストとしてビル・スカルスガルド氏を起用することが発表された。新たなビジュアルも公開されている。
さらに配信終了直後には、ゲームクリエイターの小島秀夫監督がサプライズで会場に登場した。
小島監督は、「XBOX FanFest Tokyo」の会場となった品川・天王洲アイルの寺田倉庫の近くにコジマプロダクションのスタジオがあることから、「よく散歩している」といったエピソードを披露。会場のファンに向けて「『OD – KNOCK』と『PHYSINT』は制作が進んでいますのでご期待ください!」と呼びかけた。
『マインクラフト ダンジョンズ2』開発陣が登壇。戦闘を軸にしたアクションRPGへ
続いて、『マインクラフト ダンジョンズ2』のゲームディレクターを務めるモンス・オルソン(Måns Olson)氏と、プロダクションディレクターのネイサン・ローズ(Nathan Rose)氏によるトークセッションが行われた。
今回の開発では、『マインクラフト』が持つ「バトル」「クラフト」「探索」という要素のうち、特にバトルに焦点を当て、アクションRPGとして掘り下げることに挑戦したという。
前作から物語上のつながりはあるものの、過去作をプレイしていないユーザーでも、今作から遊び始めて楽しめるように設計されている。
開発ではプレイヤーから寄せられたフィードバックも活用され、ゲームの基本的なメカニクスからUIまで細かな調整が行われた。
新要素として紹介されたのが、Aボタンによるジャンプだ。パルクールや2段ジャンプのようなアクションも取り入れられ、移動や戦闘のテンポを高めている。
世界が広がったことに合わせて、新しい乗り物となるマウントも用意された。ローカルマルチプレイにも対応し、広大な世界を複数人で楽しめるようになっている。
一方で、開発陣が特に重視しているのが「マインクラフトらしさ」だという。世界中で知られるIPだからこそ、「マインクラフトとは何なのか」という核となる魅力を保ちながら、新しいモブやダンジョン、メインゲームに還元されるビーコンシステムなどを追加することには難しさがあったと説明された。
ストーリーにも力を入れており、1人でじっくり遊ぶソロプレイの体験も重視しているという。
セッションの終盤には、来場者から開発陣へのQ&Aも実施。ダンジョン探索やソロプレイについて質問が寄せられ、開発陣が直接回答した。
最新ゲームの試遊からファン参加型企画まで。会場はXBOX一色に
会場の1階と2階には最新タイトルを遊べる試遊エリアが設けられ、『マインクラフト ダンジョンズ2』や『Forza Horizon 6』などをXBOXコントローラーで体験することができた。
ゲームを遊ぶだけでなく、会場を歩きながら楽しめる企画も用意。『Fable』からは的に開いた穴を狙ってボールなどを入れるチャレンジを展開し、成功するとオリジナルステッカーをプレゼント。XBOXの25年間を写真やエピソードとともに振り返るフォトギャラリーも設置され、初代Xboxから現在までの歴史を振り返ることができた。
会場内を探し回る「宝探しチャレンジ」も実施された。隠された6枚のカードのうち1枚でも見つければ、電池を入れると音が出るコントローラー型カップラーメンホルダーがもらえるという企画だ。ゲーム以外のところでも、来場者が会場を楽しめる仕掛けが用意されていた。
なかでもXBOXファンらしさが出ていたのが、30タイトルから「一番好きなXBOXタイトル」を選ぶ投票企画だ。会場のQRコードから投票でき、その結果はイベント内で発表された。
結果は、1位が『Halo』シリーズ、2位が『Forza Horizon』シリーズ、3位が『Gears of War』シリーズ、4位が『Fallout』シリーズ、5位が『Minecraft』。25年の歴史を持つXBOXだけに、長く親しまれてきたシリーズが上位に並んだ。
イベントの締めくくりには、登壇者と来場者全員で記念撮影が実施。会場は大きな拍手と歓声に包まれた。
会場ではXBOXのロゴなどをデザインした特製フードやデザートが提供。試遊やステージだけでなく、こうした細かな部分まで25周年を意識した内容になっていた。
また、日本マイクロソフトのゲーミング部門でXBOX Asiaのマネージングディレクターを務める加藤芽奈氏も会場を訪れており、少しだけ話を聞くことができた。
今回の「XBOX FanFest Tokyo」について、加藤氏は日本では初めての試みだとしたうえで、「より多くのユーザーにXBOXのブランドを楽しんでほしい」とコメント。さらに、XBOXだけでなくゲーム業界全体を盛り上げるため、ゲームデベロッパーを支援する環境を今後も大切にしていきたいとの考えを示した。
今回のFanFestは、XBOXの25年を振り返りながら歴代タイトルの思い出を共有し、最新ゲームを実際に遊び、これから登場する作品についても知るなど、それぞれの楽しみ方でXBOXに触れられるようになっていた。
初代XboxからXbox 360、Xbox One、そしてXBOX Series X|Sへ。ハードウェアやゲームの遊び方、オンラインサービス、クラウドなど、XBOXを取り巻く環境は25年間で大きく変わった。
一方で、プレイヤーやコミュニティを中心に置くという考え方は、今回のイベントでも繰り返し語られていた。25周年という節目に、日本のファンとこれまでの歩みを振り返りながら、次の25年へ向けたXBOXの姿勢を直接伝える場になっていた。
