2月16日、楽天モバイルは事業戦略説明会を開催。米AST SpaceMobileと共同で、衛星と携帯電話の直接通信によるモバイル・ブロードバンド通信サービスの国内提供を目指すと発表した。
本サービスは、低軌道衛星を活用した通信サービス。楽天モバイルの回線が届かないエリアあるいは災害等で電波が届かなくなった際に、衛星からの通信をキャッチすることでスマートフォンの通信機能を利用できるようにするというものだ。
楽天モバイルの電波が届く場合は楽天の回線を使用し、一方で楽天モバイルの電波が届かない場合はSpaceMobileの電波を利用することで、どこでも、どんな状況でもインターネットへの接続を確立することができる。
サービスの開始時期や提供範囲については (両社の関与しない事由を含む要因等により) 変更される可能性があるというが、2026年内に提供を計画しているという。また、利用できるサービスはテキストメッセージだけでなく、音声通話やビデオ通話等を利用可能にする計画とのことだ。
｢スペースモバイル｣ 概要
楽天モバイルとASTは、2020年3月に締結した戦略的パートナーシップのもと、ASTの低軌道衛星と市販されているスマートフォンとの直接通信を目指すプロジェクトを推進しており、2022年9月にはASTによる低軌道試験衛星 ｢BlueWalker 3｣ 打ち上げに成功。2023年4月には、英Vodafone、米AT&Tを含めた4社協力のもとで低軌道衛星によるモバイル・ブロードバンド通信を使用した、市販スマートフォン同士のエンドツーエンドでの音声通話試験をテキサス州で行っている。
そして、ASTによる試験では、市販スマートフォンと衛星間での音声およびデータの5G接続に成功しており、14Mbpsのダウンロード速度、4Gビデオ通話および5Gセルラーブロードバンド接続に成功している。
楽天の代表取締役会長兼社長である三木谷 浩史氏は、上記発表に合わせて ｢日本で楽天モバイルは、エリアカバーの拡大のために様々な施策を講じています。しかしながら、一部の山岳地帯や離島などは基地局建設の難しさからモバイル通信の恩恵が行き届かないこともあります。また、災害大国である日本では、気候変動の影響により、日常生活や災害時においてのモバイル接続に対する国民の意識は年々高まっています。当社はAST SpaceMobileと提携して、衛星と携帯の直接通信によるサービスを実現する最先端のソリューションにより、日本全域へのモバイル通信の提供を目指すこの取り組みを誇りに思います。｣ とコメントしている。
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(画像：楽天モバイル)
