
GoogleとPASMO協議会は6月30日、Wear OS by Google搭載のFeliCa対応スマートウォッチで「PASMO」が利用可能になったと発表した。
対象は、Pixel WatchシリーズとGalaxy Watchシリーズ。従来のSuicaに続き、ようやくPASMOにも対応。通勤・通学ユーザーにとって待望のアップデートとなる。
定期券対応が最大のインパクト、メトロ&私鉄ユーザーに朗報
今回の対応で最も大きいのは、PASMO定期券がスマートウォッチで使えるようになった点だ。
これまでWear OS搭載スマートウォッチではSuicaのみが利用可能だったが、Suica定期券には「JR東日本区間が含まれていないと発行できない」という制限があった。そのため、東京メトロや私鉄のみで通勤・通学するユーザーは、スマートウォッチで定期券を使えない状況が続いていた。
PASMOの対応により、こうした制約が解消される。すでにPASMO定期券を使っているユーザーは、スマートフォンで利用していたモバイルPASMOのデータを、スマートウォッチにそのまま移行できる。定期券の更新手続きもスマートウォッチ上のGoogleウォレットアプリから可能だ。わざわざ駅窓口や券売機に並ぶ必要はない。
新規発行についてはやや注意が必要で、スマートウォッチ上での定期券の新規購入には非対応。まずはAndroidスマートフォン上で「モバイルPASMO for Android」アプリを使って定期券を発行し、その後スマートウォッチに移す必要がある。
利用手順と対応機種、注意すべき条件も

PASMOの追加は、スマートウォッチ上でGoogleウォレットアプリを起動し、[+]ボタンをタップするところから始まる。ペアリングしているAndroidスマートフォンに表示される指示に従って進めれば、数分で設定は完了する。チャージもGoogleアカウントに紐付けたクレジットカードやデビットカードから簡単に行える。対応店舗での現金チャージも可能だ。
対応端末は以下の通り。日本国内で販売されたFeliCa対応モデルが対象となる。
▼ Google Pixel Watchシリーズ
- Pixel Watch
- Pixel Watch 2
- Pixel Watch 3
▼ Samsung Galaxy Watchシリーズ
- Galaxy Watch6
- Galaxy Watch6 Classic
- Galaxy Watch7
- Galaxy Watch Ultra
重要なのは「日本販売モデルであること」。並行輸入品やグローバル版は対象外となる。また、利用にはFeliCa対応のAndroidスマートフォンが必要。おサイフケータイに対応していないスマートフォンでも、Pixel Watch側でPASMOを利用できるケースもあるが、初期設定や移行作業にはスマホが必要になる。
さらに、アプリが最新でない場合は、Google Playストアからの手動アップデートが必要。特に、Googleウォレットアプリが自動更新オフの設定になっている場合は注意したい。
Androidウェアラブルに広がる「交通ICの選択肢」
スマートウォッチにおける交通系ICの対応は、Apple WatchではすでにSuicaとPASMOの両対応が実現しているところ、Wear OSスマートウォッチではこれまで事実上Suica一択だった。
今回のPASMO対応で、ユーザーの選択肢が一気に広がった形だ。特に、都内や首都圏で私鉄やメトロを使っている通勤・通学層には、まさに「待ってた」アップデートといえる。日々の改札通過や買い物の支払いが、さらにスマートになるだろう。また、今後ほかの交通系ICの対応拡大にも期待したい。
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(画像:PASMO/Google)