
パナソニックコネクトは4月14日、堅牢ノートPC「TOUGHBOOK」シリーズの新モデルとして、14型の「FZ-56」と「FZ-40」を発表した。FZ-40は2026年4月から順次、FZ-56は同年6月に発売する。
30年目を迎えるタフブック。現場用途の広がりに応じた2モデル「FZ-40」「FZ-56」順次展開
タフブックは1996年の登場から30年を迎えた。堅牢ノートPC市場で24年連続のグローバルシェア1位を維持してきた一方、日本では過酷な環境でも一般的なビジネスPCが使われる場面が残り、故障による作業中断が課題となっている。
粉塵や水濡れ、衝撃、温度変化といった条件下でのトラブルは、現場の停滞に直結する。今回の新モデルは、そうした課題に対し異なるアプローチで応える2機種構成だ。
まず「FZ-56」は、モバイルノートと堅牢PCの中間に位置するモデルで、従来の「FZ-55」の後継にあたる。車両整備や食品製造、物流など、現場とオフィスを行き来する業務を想定し、可搬性と堅牢性の両立を図る。5G通信の本体内蔵に対応した点も新しい。
一方の「FZ-40」はシリーズ最上位に位置付けられ、警察や消防、災害復旧など、停止が許されない現場での使用を前提とする。耐落下性能や防塵・防水性能をさらに高め、極限環境での運用を想定した設計となる。
ディスプレイはどちらも14型で、解像度はFZ-56が1,920×1,200ドット、FZ-40が1,920×1,080ドット。輝度は約1~1,000cd/m²(FZ-40は最大1,200cd/m²モデルあり)で、低反射フィルムを組み合わせる。最低輝度は1cd/m²まで下げられ、夜間の暗所作業にも配慮した。
CPUは、両機種ともインテルのCore Ultra 5プロセッサー(シリーズ2)を採用。FZ-56はCore Ultra 5 235 vPro、FZ-40はCore Ultra 5 235H vProを搭載し、現場でのデータ処理やAI活用にも対応する。メモリ16GB、ストレージ512GB、OSはWindows 11 Pro構成を用意する。
タッチ操作では、指、手袋、ペン、水滴を自動で判別する「オートモード」を搭載。現場の状況に応じて入力方式を切り替える仕組み。水滴への対応はFZ-40のみとなる。
モジュラー構造と耐環境設計で長時間運用に対応
今回の新モデルでは、外装の強度だけでなく内部構造にも工夫が施されている。落下時の衝撃が直接マザーボードに伝わらないよう、基板と筐体の接続部に衝撃を吸収する「フローティング構造」を採用し、さらにフレキシブルプリント基板の抜けを防ぐ「バックフリップコネクター」を組み合わせることで、接触不良のリスクを抑えている。
筐体にはマグネシウム合金を用い、天板はX型の立体フォルムと補強リブで剛性を高めた。こうした設計が、FZ-56の90cm、FZ-40の180cmという耐落下性能を支えている。防塵・防滴性能はそれぞれIP53とIP66に準拠し、動作温度は-10℃から50℃まで対応。SSD周辺にはヒーターを備え、低温環境でのデータ保護も考慮した。
拡張性も引き続き重視されており、FZ-56は3カ所、FZ-40は4カ所の拡張エリアを備え、DVDドライブやシリアルポート、増設SSD、各種ネットワーク機能などを後付けできる。FZ-56ではミニD-Sub15ピンや2.5GbEなど、FZ-40ではスマートカードリーダーや非接触ICカードリーダー、追加バッテリーなども選択可能だ。
バッテリーは着脱式で2基搭載に対応し、ホットスワップが可能。駆動時間は単体で約13~13.5時間、2基使用時は最大約26~27時間に達する。充電上限を自動制御する機能も備え、長期運用時の劣化を抑える。
通信面ではThunderbolt 4やUSB、HDMI、Gigabit Ethernet、LTEや5G(Nano SIM+eSIM)に対応。オンライン会議の需要の高まりに応えるため、約500万画素IR対応Webカメラとノイズキャンセリング機能搭載マイクも搭載する。
FZ-56は約2.27kgからと可搬性を確保しつつ、ディスクリートGPU(Radeon PRO W7500M)搭載モデルも用意する予定で、3D CADやBIMデータの扱いも視野に入れる。FZ-40は約3.4kg台で、より高い堅牢性を優先した設計だ。
近年は製薬工場や食品工場といった屋内に近い製造現場でも堅牢ノートPCの需要が拡大している。粉塵の侵入による故障で作業が止まる課題に対し、堅牢ノートPCへの置き換えでトラブルが減ったという声も出ているという。モジュラー構造による段階的な機能追加は、長期的な運用コストの抑制にもつながるはずだ。
FZ-56は個人事業主でもオンライン経由で購入できるようになり、従来は一部の業種に限られていた堅牢PCの導入範囲も広がりつつある。現場のデジタル化が進む中で、安定して動き続ける端末の重要性は一段と増している。
