
マウスコンピューターは、ビジネスパートナー向けカンファレンス「Mouse Communication Partner Conference」を都内で開催し、2026年に投入する新製品ラインアップを発表した。
AI活用の拡大による高性能PC需要の増加に加え、部材価格の上昇やWindows 10サポート終了に伴う買い替え需要など、市場環境が大きく変化するなかで、同社は製品戦略を再構築する。デスクトップではミニPCを重点カテゴリーとして強化し、ノートPCではローカルでのAI処理に特化したAI PCを幅広い価格帯で展開する方針を示した。
ミニPC強化とAI PC拡大で市場変化に対応

デスクトップPCにおいては、省スペース性や消費電力の低さに加え、価格上昇が続く市場環境でも導入しやすい製品としてミニPCを重視する。
クリエイター向けブランド「DAIV」では、同ブランド初となるミニPC「DAIV CX」を2026年8月に発売する。Copilot+ PCに準拠したAIワークステーションとして位置付けられ、CPUにはAMD Ryzen AI MAX+ 395、GPUにはAMD Radeon 8060Sを搭載する。
メモリーはLPDDR5X-6400を128GB搭載し、そのうち最大96GBをGPUメモリーとして割り当て可能。ローカル環境での大規模言語モデル(LLM)の運用を想定しており、100億パラメータ級モデルの動作にも対応するという。
ストレージはPCIe Gen4 x4接続の2TB SSDを搭載し、内部には2基のM.2スロットを備える。本体容量は約2.7Lで、サイズは約200×197×70mm、重量は1.5kg以下に抑えた。Copilot+ PCや指紋認証にも対応し、通信機能はWi-Fi 6Eと2.5GbE LANを備える。小型筐体ながら、AI開発やコンテンツ制作向けの性能を追求したモデルとなる。

個人向けブランド「mouse」からは、新デザインを採用したミニPC「mouse CA」を2026年8月に発売する。大手ECサイトなどで販売される低価格ミニPCが増えるなか、デザイン性やサポート体制、国内ブランドとしての信頼性を訴求するモデルとして展開する。
本体はホワイトカラーのNUCスタイル筐体を採用し、リビングやホームオフィスにも馴染みやすいデザインに仕上げた。ラインアップは3モデル構成で、エントリーモデルはRyzen 5 3501U、8GBメモリー、256GBストレージを搭載。スタンダードモデルはRyzen 5 6600H、16GBメモリー、500GBストレージ、上位モデルはRyzen 7 H255、16GBメモリー、500GBストレージを備える。

同社によると、ミニPC市場では省スペース性に加え、インテリアとの調和を重視する需要が高まっているという。また、購入後のサポートや保証、日本語による問い合わせ対応を重視するユーザーも少なくない。mouse CAはこうしたニーズに応える製品として位置付けられ、24時間365日のサポート体制や国内ブランドならではの安心感も差別化要素として打ち出す。
個人利用ではサブPCやリビングPC、ホームオフィス用途を想定するほか、法人向けには会議室や受付端末など、省スペース環境での利用も見込む。

法人向けブランド「MousePro」では、ミニPC「MousePro CR」シリーズを拡充する。従来のIntelプロセッサー搭載モデルに加え、AMD Ryzen搭載モデルを追加し、計4モデル体制へと強化する。
同シリーズは、省スペース性と堅牢性を重視する法人向けミニPCとして展開している製品。サイネージやPOSレジ、シンクライアント端末などの用途を想定するほか、Windows 11 IoT搭載モデルも用意し、組み込み機器や専用端末向けのニーズにも対応する。Windows 10サポート終了に伴うリプレース需要も見据え、既存法人顧客への提案を強化していく考えだ。
また同社は、2026年10月に新たな法人向けミニPCを投入する計画も明らかにした。詳細は近日公開予定で、既存のCRシリーズとは異なるコンセプトで開発を進めているという。CRシリーズは継続販売しながら、新モデルを加えることで法人向けミニPCのラインアップ拡充を図る。

ノートPCでは、12.2型液晶を搭載した新型ウルトラモバイルPC「Mouse X2」と「MousePro G2」を注力製品として投入する。Windows 10サポート終了に伴う買い替え需要に加え、外出先でもAI機能を活用したいユーザーを見据えたモデルで、個人向けのMouse X2と法人向けのMousePro G2を展開する。
両モデルともCopilot+ PCの要件を満たし、プロセッサーにはAMD Ryzen AI 7 350を採用。1920×1200ドット表示対応&180度に開く12.2型ディスプレイを搭載し、Wi-Fi 7とLTE通信にも対応する。重量は約1kgに抑えながら、100kg加圧試験やMIL-STD 810H準拠の堅牢性を備え、動画再生時15時間、アイドル時30時間の長時間駆動を開発目標として掲げる。
個人向けのMouse X2は、ホワイト、ブルー、ゴールドの3色を用意し、モバイル性とデザイン性を重視するユーザーをターゲットとする。一方のMousePro G2は、ブラックとシルバーを展開し、より高い剛性を備えた設計を採用。現場利用や業務用途など、法人市場のニーズに応えるモデルとして投入する。

クリエイター向けブランド「DAIV」では、AI活用とモバイル性を両立した新型ノートPC「DAIV Z5」と「DAIV Z6」を投入する。
DAIV Z5は、Copilot+ PCの要件を満たすクリエイター向けモデルだ。最薄部15.9mm、約1.54kgの薄型軽量筐体を採用しながら、50TOPSのNPUとNVIDIA GeForce RTX 5060 Laptop GPUまたはRTX 5070 Laptop GPUを搭載する。
CPUにはIntel Core Ultra 7 356Hを採用し、15.3型(2560×1600ドット)の有機ELディスプレイを搭載。DCI-P3カバー率100%の広色域表示にも対応する。メモリーはDDR5-5600を最大64GBまで搭載可能で、冷却機構には大型のベイパーチャンバーを採用し、高負荷時の安定動作を支える。
一方のDAIV Z6は、持ち運び可能な制作環境を目指した16型モデルだ。最薄部17.9mm、約1.75kgの筐体に、Intel Core Ultra 9 285HとGeForce RTX 5050 Laptop GPU、RTX 5060 Laptop GPU、RTX 5070 Laptop GPUを搭載する。
16型(2560×1600ドット)のディスプレイは最大240Hzの高リフレッシュレート表示に対応し、DCI-P3カバー率100%を実現する。メモリーはDDR5-6400を最大64GBまで搭載可能だ。
両モデルとも、生成AIの活用や動画編集、3DCG制作など、高い処理性能を求めるクリエイターをターゲットとして展開する。

個人向けノートPCでは、「mouse A4」と「mouse A5」を展開する。AI PCやハイエンドモデルが拡大するなか、実用性とコストパフォーマンスを重視したスタンダードモデルとして位置付けられている。
両モデルは約20mm以下の薄型筐体を採用し、AMD Ryzen 5 7535HSを搭載。冷却機構には39dB以下で動作する静音デュアルファンを採用し、在宅勤務や学習用途など、静かな環境でも利用しやすい設計とした。また、MIL-STD 810H準拠の堅牢性も備える。
14型モデルのmouse A4は、1920×1200ドット表示対応ディスプレイを搭載し、Wi-Fi 6Eに対応。40Whバッテリーを内蔵し、アイドル時約11時間、動画再生時約5時間の駆動時間を実現する。価格は16万9800円(税込)。
15.6型モデルのmouse A5は、1920×1080ドット表示対応ディスプレイを搭載。Wi-Fi 6Eに加えてLTE通信にも対応する。40Whバッテリーを搭載し、アイドル時約9.5時間、動画再生時約4.5時間の駆動が可能。価格は17万2800円(税込)だ。

法人向けノートPCでは、「MousePro C4」と「MousePro C5」を投入する。個人向けのmouse Aシリーズと同様に約20mm以下の薄型筐体を採用しながら、セキュリティ機能や管理性を強化した法人向けモデルとして展開する。
両モデルともAMD Ryzen 5 7535HSを搭載し、Wi-Fi 6Eに対応。顔認証によるパスワードレス認証やSecured-core PCへの対応など、企業利用を想定したセキュリティ機能を備える。また、MIL-STD 810H準拠の堅牢性も確保している。
14型モデルのMousePro C4は、1920×1200ドット表示対応ディスプレイと60Whバッテリーを搭載。アイドル時約17.5時間、動画再生時約8時間の駆動時間を実現する。価格は16万8190円(税込)。
15.6型モデルのMousePro C5は、1920×1080ドット表示対応ディスプレイを採用し、Wi-Fi 6Eに加えてLTE通信にも対応する。60Whバッテリーを搭載し、アイドル時約14.5時間、動画再生時約7時間の駆動が可能。価格は17万280円(税込)となる。
Windows 10サポート終了に伴う法人PCの更新需要を見据え、モバイルワークとセキュリティを両立したモデルとして提案していく考えだ。
iiyamaは用途特化型モデルを拡充、秋にはゲーミング新製品も

液晶ディスプレイブランド「iiyama」では、用途ごとのニーズに応じた高付加価値モデルを拡充する。仕事とゲームを両立したいユーザー向けのデュアルモードモデルや、有機ELパネル採用モデル、クリエイター向け高色域モデルなどを2026年10月ごろから順次投入する予定だ。
ゲーミングブランド「G-MASTER」では、作業用途とゲーム用途を1台で使い分けられるデュアルモード対応モデルを投入する。27型IPSパネルを採用した「GB2771UHSU-B1」は、4K(3840×2160ドット)/144Hz表示と、Full HD(1920×1080ドット)/288Hz表示を切り替えられる仕様で、DisplayHDR 400やNVIDIA G-SYNC Compatibleにも対応する。
また、34型ウルトラワイドモデル「GCB3484WQSU-B2」も用意する。1500RカーブのVAパネルを採用し、UWQHD(3440×1440ドット)では最大200Hz、WHD(1728×720ドット)では最大400Hz表示に対応。ゲームプレイに加え、複数ウィンドウを並べて作業する用途も想定する。
有機ELモデルとしては、「GOB2701QSC-B1」を投入する。第4世代META 3 OLEDパネルを採用し、27型QHD(2560×1440ドット)解像度で最大280Hz表示に対応。応答速度は0.03ms(GtoG)、コントラスト比は150万対1で、DisplayHDR True Black 400にも対応する。高色域表示や高速応答性能を求めるハイエンドゲーマーをターゲットとする。
このほか、27型の湾曲ゲーミングモニター「GCB2784HSU-B1」も投入する。1500RカーブのVAパネルを採用し、フルHD解像度と0.7ms(MPRT)の応答速度を実現。AMD FreeSyncにも対応し、FPSやレースゲームなどで高い没入感を訴求する。

クリエイター向けの「ProLite」シリーズでは、「HB2701UHSNP-B1」を投入する。27型IPS Blackパネルを採用し、4K(3840×2160ドット)表示に対応。コントラスト比3000対1、DCI-P3カバー率99%を実現するほか、Pantone認証も取得しており、写真編集や映像制作など色再現性が求められる用途を想定する。


また、マウスコンピューターのG TUNEシリーズからは、「G TUNE FG-A7G80」も登場する。OSにWindows 11 Pro 64ビット、CPUにAMD Ryzen 7 9800X3Dプロセッサ、グラフィックスにNVIDIA GeForce RTX 5080を搭載。メモリは32GB、ストレージには2TBのKIOXIA EXCERIA PRO G2を採用している。
このほか同社は、9月にゲーミングセグメントにおいても複数の新製品発表を予定していることも明らかにした。詳細は現時点で公開されていないが、秋商戦に向けて製品展開をさらに加速させる方針だ。

