当メディアはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

JetBrains、AIコーディングエージェント「Junie Local」発表。27BモデルをMac上で完全ローカル実行

JetBrainsが、AIコーディングエージェント「Junie」をMac上で完全にローカル動作させる「Junie Local」を発表した。クラウド上のAIモデルを利用せず、Mac内でコード生成などを処理できるため、利用時にトークン料金は発生しない。

一方、動作にはApple Silicon搭載Macと64GB以上のメモリが必要だ。Appleが8月に発表した新型Mac miniでは、M5 Pro搭載・64GBメモリ構成で2699ドル(約40万円)となる。無料で使えるAIコーディングエージェントだが、動かすためのハードルはかなり高い。

スポンサーリンク

27BモデルをMac上で動作、トークン料金は不要

JunieはJetBrainsが開発するAIコーディングエージェントで、これまではユーザーが選択したAIモデルを呼び出してコード生成などを行っていた。利用するモデルによっては外部サービスへデータを送信する必要があり、モデル側のトークン料金も発生する。

今回の「Junie Local」は、こうした処理をMac上だけで完結させる仕組みだ。

JetBrainsによると、インストールは1つのコマンドで実行でき、約20GBのストレージを使用する。Junieの画面で「/local」と入力すればローカルモデルを導入でき、クラウドモデルへ戻す場合は「/model」と入力する。

利用するモデルは、Alibabaが開発した「Qwen3.6-27B」を4bit量子化したもの。約270億パラメータのモデルをMac上で動作させる。Junie Local自体は無料でインストールでき、クラウドAIのように利用量に応じたトークン料金を支払う必要もない。

すべての処理をローカルで行うため、コードなどのデータを外部のAIサービスへ送信する必要がない点もポイントだ。

JetBrainsは、このモデルを選んだ理由についても説明している。Qwenには新しい「Qwen3.8」も存在するが、こちらは推論処理を必要とするため、Junie Localではより高速に動作するQwen3.6-27Bを採用したという。

また、M5チップを最低動作環境に指定したのは、Neural Acceleratorが8bit演算命令に対応しているためだ。JetBrainsのテストでは、この対応によってプリフィル処理のスループットが約40%向上したとしている。

性能については、JetBrainsのテストで、10,000トークンの推論上限を設定した場合、Junie Localの27Bモデルが「Claude Sonnet 4.5」と同程度だったという。OpenAIの「GPT-5」はmedium設定で、Junie Localをわずかに上回ったとしている。

スポンサーリンク

最低64GBのメモリが必要、Mac miniなら47万9800円が最低ライン

Junie Localの利用には、少なくともM5チップを搭載し、64GBのメモリを備えたMacが必要になる。

この条件を満たすMacとして、JetBrainsは新型Mac miniを挙げている。Appleが発表したM5 Pro搭載Mac miniで64GBメモリを選択すると、価格は2699ドル。Junie Localそのものは無料でも、十分な性能で27Bモデルをローカル実行するには、高価なMacが必要になる。

JetBrains自身も64GBという条件について「大きな要求」であることを認めており、現時点では多くのユーザーにとってJunie Localが手の届きにくい存在になることを認識しているという。

同社は、27Bモデルを快適に動かすためには現状この程度のメモリが必要だと説明しつつ、今後は必要なメモリ容量を引き下げ、対応ハードウェアを増やし、ソフトウェアスタック全体を最適化していく方針を示している。

Mac以外への対応も進めている。JetBrainsはすでにNVIDIAの「DGX Spark」や「GeForce RTX 5090」向けの対応に取り組んでおり、24GBのGPUを搭載した環境についても検討しているという。

現時点では、Junie Localは「無料で使えるローカルAIコーディングエージェント」という魅力がある一方、27Bクラスのモデルを実用的な速度で動かすためのハードウェア要件が大きな壁になっている。JetBrainsは今後、より幅広いMacやGPUで利用できる環境を整え、そのハードルを下げることを目指している。

情報ソース

(画像:JetBrains)