WayveとUber、英国初の自動運転配車サービスをロンドンで開始。年内には東京にも展開へ

英Wayveと米Uberは9月3日、ロンドンで自動運転による配車サービスの提供を開始した。英国で自動運転車による配車サービスが提供されるのは今回が初めて。サービス開始時点ではセーフティドライバーが車内に同乗し、走行を監視する。

ロンドン市内でUberアプリから「UberX」「Uber Electric」「Uber Comfort」のいずれかを利用すると、追加料金なしでWayveの自動運転車とマッチングされる場合がある。料金は通常のUberと同様、配車時にアプリ上で事前に表示される。

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ロンドンの複雑な道路環境で鍛えた自動運転AI

今回のサービスを支えるWayveは、2017年に設立された英国・ロンドン発の自動運転技術企業だ。2018年からロンドン特有の複雑な道路環境に対応する自動運転技術の開発と学習を進めてきた。

Wayveが掲げるのは「AV 2.0」と呼ぶアプローチだ。AI Driverが人間のドライバーと同じように走行経験から学習する仕組みで、従来の自動運転システムで使われるHDマップや、道路ごとに細かく設定したルールに頼らず、さまざまな道路や交通状況に対応できるとしている。

Wayveは、車両の種類や搭載するセンサー構成を問わず利用できる自動運転技術を開発しており、自動車メーカーやフリート事業者が運転支援から自動運転へ移行しやすい仕組みを目指している。

今回のロンドンでのサービス開始は、UberとWayveが進めるパートナーシップの一環だ。両社はロンドンを皮切りに、世界12市場のUberネットワークへWayveの自動運転車を展開するための投資を進めている。

実際のサービスでは、Wayve AI Driverと周囲を検知するセンサーを搭載した電気自動車「フォード マスタング マッハE」を使用する。

Wayveの車両とマッチングされた場合、利用者は車両が到着する前に、そのまま自動運転車に乗るか、通常の車両へ変更するかを選択できる。Wayve車両が到着した後は、Uberアプリからドアを解錠して乗車を開始する。

車内にはUberが設計したインタラクティブ画面を搭載する。画面は64言語に対応し、乗車の開始操作のほか、車両が走行する予定のルートも確認できる。

サービスの対象エリアは、空港を除くロンドン市内全域。開始時点では少数の車両による運行となり、利用需要や運行体制、規制の動向を見ながら段階的に車両数を増やす。

Uberのネットワークで運行する自動運転車には、同社の安全基準「Safety Guidelines」を満たすことが求められている。今回のサービスでは、ロンドン交通局(TfL)から個人ハイヤー(Private Hire Vehicle)の免許を取得した訓練済みのセーフティドライバーが車内に同乗し、走行を見守る。

また、Uberアプリの「設定」内にある「乗車に関する要望(Trip Preferences)」から自動運転車の設定をオンにすると、Wayve車両とのマッチング確率を高められる。すでに14万人を超えるロンドンの利用者がこの設定をオンにしているという。

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東京では日産リーフによる自動運転配車を予定

WayveとUberは、ロンドン以外の市場への展開も進めている。両社は今年後半の東京を皮切りに、NVIDIA DRIVE Hyperionを搭載したWayve AI Driverで走行する日産リーフによる乗車体験を導入する計画だ。

Wayveの自動運転技術は、特定の車両プラットフォームやセンサー構成に限定されない設計となっているため、さまざまな車両への展開が可能だとしている。ロンドンでフォード マスタング マッハEを使い、日本では日産リーフを使う計画からも、こうした設計思想がうかがえる。

今回のロンドンでのサービス開始は、TfLがWayveの自動運転車両に個人ハイヤー(Private Hire Vehicle)免許を交付したことを受けたものだ。

Wayve共同創業者兼CEOのアレックス・ケンダル氏は、同社の拠点であり、世界でも特に複雑な運転環境の一つであるロンドンで、Wayve AI Driverを一般利用者に提供できることを歓迎。自動運転技術によってロンドンの交通ネットワークを補完し、Uberとのグローバル展開を進めていく考えを示した。

Uber自律型モビリティ・デリバリー部門グローバル責任者のサーフラズ・マレディア氏も、英国生まれのWayveの技術をロンドンのUber利用者に提供できることを評価。複雑な道路網を持つロンドンで、安全で利用しやすい自動運転技術を広げていくうえで重要な節目になるとした。

英国のハイディ・アレクサンダー運輸大臣は、英国発の技術を公道で実用化し、新たな移動手段を提供する取り組みだと評価している。自動運転分野を支える既存の人材が引き続き重要な役割を担うことにも触れながら、新たな投資や人材育成の機会を後押ししていく考えを示した。

Uberによると、同社は2010年のサービス開始以来、790億回を超える移動を支えてきた。Wayveは2017年の設立以来、エンボディドAI(embodied intelligence)分野で技術開発を進めており、HDマップを必要とせず、ハードウェアを問わず利用できるAI Driverを通じて、自動車メーカーやフリート事業者の自動運転への移行を支援している。

(画像提供:Wayve)

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