Qualcomm、「Snapdragon Sound Elite Gen 2」発表。AIイヤホン向けに128 GOPSのAI処理とWi-Fi 6Eを統合

Qualcommは、AIを搭載したイヤホンやヘッドホンなどの次世代オーディオ機器向けに「Snapdragon Sound Elite Gen 2」を投入する。Snapdragon Soundの音響技術をベースに、オンデバイスAI、クラウド接続、センシング、通信機能を1つのプラットフォームに統合した製品だ。

従来のワイヤレスイヤホンは、スマートフォンなどから音楽を受信して再生する「オーディオアクセサリー」としての役割が中心だった。これに対してSnapdragon Sound Elite Gen 2は、AIアシスタント、翻訳、文字起こし、周囲の状況認識、通話、ウェルネス機能などをイヤホン側で扱うことを想定している。

AIイヤホンだけでなく、オーディオグラス、カメラ付きイヤホン、補聴デバイス、オープンイヤー型製品など、今後登場するPersonal AI向けウェアラブルもターゲットにする。

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AIを常時使えるイヤホンへ。音声処理とAI、通信を1つのプラットフォームに統合

「Snapdragon Sound Elite Gen 2」は、Personal AI向けに設計されたプレミアムオーディオプラットフォームとして位置付けられている。

背景にあるのは、イヤホンやヘッドホンを「音を聴くための機器」から、ユーザーの日常を支援するデバイスへ広げようとする流れだ。

たとえばAIアシスタントへの質問、リアルタイムの翻訳や文字起こし、周囲の状況に応じた音声処理、通話時の音声強調など、これまでスマートフォンやクラウド側で担ってきた処理を、装着したウェアラブル側でも扱えるようにする。

「Snapdragon Sound Elite Gen 2」では、最大128 GOPS(1秒あたり1280億回)のAI処理性能を持つAIアクセラレーションを搭載。前世代の設計と比べて、オンデバイスAIの処理能力が最大2倍に向上した。

AI処理だけでなく、CPU、DSP、通信、センサー、オーディオ処理を1つのプラットフォームにまとめた点も特徴だ。統合度を高めることで、システム全体の複雑さを抑えながら、機器内部の占有スペースを最大30%削減できるとしている。

消費電力も前世代の設計から最大40%低減。AIや音声処理を常時利用するウェアラブルでは、処理性能だけでなくバッテリー持続時間も重要になるため、低消費電力化と小型化を同時に進めている。

プラットフォームには「Qualcomm Kymera Multi-Core Audio Architecture」を採用。AI、オーディオ、低遅延処理をそれぞれ考慮した構成になっている。

CPUはARM M55を300MHzで動作させ、DSPには500MHzのメインDSPとしてARM M55を搭載。さらに500MHzのHi-Fi 5オフロードDSPを2基、250MHzのHi-Fi 3低遅延DSPを1基備える。NPUには「eNPU 6」を採用する。

通信機能では、Bluetoothに加えて低消費電力で動作するWi-Fi 6Eをプラットフォームに統合。2.4GHz、5GHz、6GHzの3帯域をサポートする。

Wi-Fi接続は、AIアシスタントや各種サービス、Snapdragon Sound向けアプリやエージェントをクラウドへ直接接続する用途にも使われる。Bluetoothだけでは難しかった通信距離や帯域幅の拡大を狙いながら、イヤホンやヘッドセットに求められる低消費電力も維持する設計だ。

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192kHzロスレスやAdaptive ANCにも対応。AIで音の聴こえ方も変える

音質については、Snapdragon Soundと「Qualcomm XPAN」を組み合わせ、低消費電力Wi-Fiを使った最大192kHzのロスレス音楽ストリーミングに対応する。

XPANはBluetoothだけに頼らずWi-Fiを利用することで、より広い帯域幅と通信範囲を確保する技術。「Snapdragon Sound Elite Gen 2」では、低遅延のWi-Fi通信とAIによるセンサー処理を組み合わせ、空間オーディオなどで重要になるヘッドトラッキングの遅延も抑えるとしている。

ロスレス再生では「Qualcomm aptX Lossless」にも対応。音楽データをビット単位で維持したストリーミングを実現する。

ノイズキャンセリングには「第5世代Qualcomm Adaptive ANC」を採用。実際の利用環境で、より安定したノイズキャンセリング性能を実現することを狙う。

AIは音声認識やアシスタントだけでなく、音そのものにも利用する。ユーザー、周囲の環境、活動内容に合わせて聴取体験を調整する「AI-driven audio curation」を搭載し、適応型ANC、状況に応じたリスニング、透過モード、周囲の環境認識などを組み合わせる。

マイク処理にはAIで強化した「Qualcomm cVc」音声技術を採用。通話や音声操作の際に、より明瞭な音声入力を実現する。

Qualcommは「Snapdragon Sound Elite Gen 2」を、AIイヤホンやオーディオグラス、カメラ付きイヤホン、補聴デバイス、オープンイヤー型製品、ウェルネス向けウェアラブル、将来のマルチモーダルなPersonal AIデバイスまで幅広く利用できるプラットフォームとしている。

音楽を再生するだけでなく、AIによる状況認識やクラウドサービスとの連携までイヤホン側に求められるようになれば、必要な処理能力や通信機能も大きく変わる。「Snapdragon Sound Elite Gen 2」は、そうした次世代のオーディオウェアラブルを想定して、AI、音声処理、通信、センシングをまとめて提供するプラットフォームだ。

情報ソース

(画像:Qualcomm)

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