「Galaxy Z Flip8」レビュー。持ち歩きやすさを磨いたFlip8、カバー画面の進化で「閉じたまま使う」がもっと快適に

サムスン電子の縦折りタイプの折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip」シリーズに、最新モデル「Galaxy Z Flip8」が登場した。

「Flip8」は見た目は大きく変わっていないが、Flipシリーズ最薄・最軽量を実現したことでより持ち運びやすくなり、さらにカバー画面が使いやすく進化している。

筆者は昨年発売された「Galaxy Z Flip7」を普段から使っている、いわゆるFlipシリーズ愛好家の一人だ。毎日持ち歩いて使っているからこそ、今回の「Flip8」がどう変わったのかはとても気になっていた。

今回、「Galaxy Z Flip8」の実機を1週間ほど使ってみることができたので、本稿では日々の使い勝手がどれほど向上したのか、「Flip7」ユーザーの筆者の視点から紹介する。以前のFlipシリーズからの買い替えを検討している人にもぜひ見ていただきたい。

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先代の「Flip7」から何が変わった?本体はさらに薄く軽く

「Galaxy Z Flip8」は、縦折りスマートフォン「Galaxy Z Flip」シリーズの最新モデル。本体を開くと一般的なバータイプのスマートフォンと同じような感覚で使える一方、中央から折りたたむことで約半分のサイズになり、コンパクトに持ち歩けるのが特徴だ。

本体サイズは、開いた状態が高さ166.9 × 幅75.4 × 厚さ6.1mm、閉じた状態が高さ85.7 × 幅75.4 × 厚さ13.1mm。重量は180g。Flip7と比べてわずかに薄く、軽くなっており、サムスン電子もFlipシリーズ史上最薄・最軽量と紹介している。

筆者としては「Flip7」も携帯性の良さには満足していたが、薄くなればなるほどポケットやバッグに入れたときの収まりがよくなる。スペック上はほんのわずかな差ではあるのだが、より軽快に持ち運べるようになったのは嬉しい部分だ。また、本当に僅かにだが先代モデルに比べてエッジ部分が丸みを帯びたことで持ちやすさもアップしていることも見逃せない改良ポイントだ。

本体外側には閉じた状態でも操作できるカバー画面が搭載されており、通知を確認したり、対応アプリを操作できる。本体デザインそのものに関しては「Flip7」から大きくは変わっておらず、従来のFlipシリーズとほぼ同じ感覚で使うことが可能だ。

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通知確認からアプリ操作まで。カバー画面でできることが増えた

ディスプレイは、内側のメインディスプレイが6.9インチのDynamic AMOLED 2X、外側のカバーディスプレイが4.1インチのSuper AMOLED。どちらも120Hzのリフレッシュレートに対応する。

メインディスプレイは、画面やリフレッシュレートなどの仕様はほぼ変わっていないが、中央の折り目がより目立たなくなった印象だ。「Flip7」でもほとんど気にならずに使えているが、「Flip8」でさらに折り目が目立たなくなったことで、コンテンツへの没入感がより高くなるはず。

「Flip7」→「Flip8」で大きく進化したのが、カバー画面の使い勝手だ。なかでも分かりやすいのが、カバー画面に「アプリドック」が追加されたこと。「Flip7」にはなかった機能で、カバー画面から直接アプリを選んで起動できるようになった。

これまでカバー画面で別のアプリを使いたい場合には、いったんロック画面やアプリウィジェットに戻る必要があった。「Flip8」ならアプリドックを開いて目的のアプリを選ぶだけなので、アプリを切り替える操作がかなりスムーズになっている。複数のアプリをカバー画面だけで使いたいときには特に便利で、「ちょっと別のアプリを開きたい」という場面でも本体を開かずに済む。

カレンダーアプリをカバー画面で開いた様子(左:Flip8/右:Flip7)
画像アプリをカバー画面で開いた様子。こちらはあまり変化なし(左:Flip8/右:Flip7)

標準アプリの表示も改善されている。たとえばカレンダーは、「Flip7」ではカバー画面用の簡易的な表示だったのに対し、「Flip8」ではメイン画面で表示したときに近いUIで確認できるようになった。できることが増えただけでなく、実際にアプリを開いたときの操作感もメイン画面に近づいており、予定を追加する操作もよりスムーズにこなせるようになった。

さらに、これまでGalaxy専用のカスタマイズアプリ「Good Lock」を使わなければカバー画面に追加できなかったアプリの一部が、「Flip8」では標準のアプリウィジェットから利用できるように。ただし、XやInstagramなどのサードパーティアプリは依然として「Good Lock」を使わないと追加できないため、従来から「Good Lock」を使ってカバー画面で様々なアプリを起動してきたユーザーからすれば、この点は微々たる変化と言えるかもしれない。

それでも、「Good Lock」不要でカバー画面で操作できるアプリが増えたことは素直に喜ばしいことだ。Flipユーザーとして、今後のアップデートでより多くのアプリが対応するのを密かに願っておきたい。

カメラの性能は大きく変わらないが、Flipならではの自撮りは健在

カメラは、背面に5,000万画素の広角カメラと1,200万画素の超広角カメラのデュアルカメラを搭載。また、メインディスプレイ側にも約1,000万画素のインカメラが搭載されている。カメラの基本的な構成は「Flip7」から大きく変わらなかった。

「Flip8」でどのような写真が撮れるのか、筆者の撮影した写真をいくつか紹介する。望遠カメラがないことから、遠くから被写体を撮影するのは苦手ではあるのだが、スナップ写真など日常的な写真を撮影する分には広角+超広角カメラで十分。超広角カメラは画素数の関係で広角カメラよりも解像感が下がってしまうので、細部まで綺麗に撮影したいときはできるだけ広角カメラを多用するようにしよう。

Flipシリーズのカメラの優れているところは、本体を折りたたむことで高性能な背面カメラで自撮りができることだ。90度に折り曲げてベンチなどに本体を固定し、手をかざすジェスチャでシャッターを切れば、集合写真なども取りやすい。筆者もヨーロッパ旅行の際には、大聖堂をバックに自撮りをするなどの用途でとてもお世話になった。

動画撮影では、「Galaxy S26」シリーズで追加された映像の水平を保つ「水平ロック」機能に加えて、アウトカメラとインカメラで被写体と撮影者を同時に動画を撮影する「デュアル録画」機能が新たに搭載。より多彩な動画を撮影できるようになった。

SoC性能は順当にアップ。バッテリーは1日使えるが余裕はそれほどない

「Flip8」は最新世代のSoC「Snapdragon 8 Elite Gen 5 for Galaxy」を搭載する。メモリは12GBで、ストレージは256GBと512GBを用意する。

「Flip7」では、同時に発売された「Galaxy Z Fold7」よりも性能を抑えたSoCが採用されていた。そのため、「Foldシリーズにはハイエンド向けのSoCを搭載し、Flipシリーズは少し性能を落とす」という方針になったのではないか、とユーザーの間でも話題になっていた。

ところが「Flip8」では、「Galaxy Z Fold8」や「Galaxy Z Fold8 Ultra」と同じSoCを搭載したことで、2026年のGalaxy折りたたみスマートフォンは、SoCの性能が横並びに。AnTuTu Benchmarkでは約264万点という結果になった。もちろん、重いゲームを長時間プレイするような場面では、本体サイズや冷却性能の違いによってパフォーマンスに差が出る可能性はある。

ただ、SNSやメール、Webブラウジングといった普段使いであれば、基本的な動作に大きな違いはなく、アプリの起動や画面の切り替えもスムーズで、困ることはまずない。Galaxy AIなどのAI機能を使う場合にも、最新SoCの性能を活かせるだろう。これから数年使うことを考えたときにも、最新世代のSoCを搭載していることが安心材料になるはずだ。

もうひとつ気になるのがバッテリーだ。容量は4,300mAhで、朝8時頃に家を出て、先ほどあげたようなSNSアプリなどを使って夜9時頃に家に戻ると、バッテリー残量は20%程度になっていた。一般的な使い方では1日は持つが、もしゲームや写真撮影をすると考えると、もう少し余裕が欲しいと感じることもある。

充電速度も最大25W(有線で25W、ワイヤレスで15W)なので、最近のAndroidスマートフォンと比べると速いとは言いにくい。あくまでコンパクトを押し出したモデルということもあり、バッテリー容量や充電周りの性能は控えめだと思っていただきたい。もし不安ならモバイルバッテリーなどのアクセサリーを併用することをオススメする。

カバー画面の進化で「開かない」使い方がさらに快適になった「Galaxy Z Flip8」

「Galaxy Z Flip8」は、デザインや基本的な使い方こそ「Galaxy Z Flip7」から大きく変わっていないものの、1週間ほど使ってみると、日常的な使い勝手が着実に向上していた。

特に嬉しかったのが、カバー画面の進化だ。アプリドックの追加や標準アプリの対応拡大によって、本体を開かずにできることが増えている。Flipシリーズは「必要なときだけ開いて使える」ことが魅力のひとつだが、「Flip8」ではそのメリットをより強く実感できるようになった。

では、以前のFlipシリーズを持っている人が買い替える価値はあるのか。筆者としては、カバー画面でさまざまな操作を完結したい人や、少しでも軽く薄いFlipを持ち歩きたい人なら、買い替えを検討する価値は十分にあると感じた。一方、筆者のように「Flip7」を使っている人は、Good Lockを使えばカバー画面で近い操作ができるため、無理に買い替える必要はないように感じる。

「Flip8」は、従来モデルから使い方を大きく変えるスマートフォンではない。しかし、毎日使うからこそ気になる部分を少しずつ磨き上げたことで、Flipシリーズの使い勝手を着実に高めたモデルに仕上がっている。

そして、Flipシリーズを毎日使っている筆者が改めて感じるのは、スマートフォンのすべての操作に大画面が必要なわけではないということだ。

たとえば、「今帰る」といった短文メッセージを送ったり、スマホ決済をしたり、通知を確認したりするだけなら、6~7インチの大画面をわざわざ開く必要はない。むしろ、満員電車のようにスマートフォンを自由に持つことが難しい場面では、カバー画面だけで必要な操作を済ませられるFlipのほうが扱いやすいと感じる。

持ち運ぶときにも、このコンパクトさは大きなメリットだ。iPhoneのようなバータイプのスマートフォンはそのままの長さがあるため、ポケットや小さなバッグに入れると存在感がある。一方、「Flip8」なら折りたたむことで手のひらに収まるサイズになる。

もちろん、写真を見たり、Webサイトを読んだり、動画を楽しんだりするときには、本体を開けば6.9インチの大画面を使える。必要なときは大画面、ちょっとした操作なら小さな画面。この使い分けこそが、Flipシリーズならではの魅力だ。

このスタイルに慣れてしまうと、普段のちょっとした操作のために大きなスマートフォンを開くことが、かえって面倒に感じることもある。「Galaxy Z Flip8」は、そんなFlipシリーズならではの使い勝手をさらに磨き上げた1台だ。大画面スマートフォンとしてしっかり使える一方で、持ち歩くときはコンパクトに、ちょっとした操作なら閉じたまま済ませられる。

「大画面は必要なときだけ使いたい」「スマートフォンはできるだけコンパクトに持ち歩きたい」――そんな人には、Flipシリーズ愛好家の筆者として、ぜひ「Galaxy Z Flip8」をオススメしたい。

Galaxy Zシリーズレビュー
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