Galaxy Z Flip4を実際に使って感じたこと。折りたたみならではの面白さ&便利さが光るスマホ、ただし慣れも必要

昨年9月、サムスン電子ジャパンは折りたたみスマートフォンの最新モデル 「Galaxy Z Flip4」 を国内発売した。

Galaxy Z Flip4は、国内キャリアでは、従来まで取り扱いがあったNTTドコモとauに加えて、楽天モバイルでも取り扱われており、より多くのユーザーが手に取りやすくなった。

今回、サムスン電子ジャパンからGalaxy Z Flip4の実機をお借りし、様々な場面で使ってみることができたので、実際に使ってみて感じたことや実用性などについてご紹介したいと思う。

すでに購入したユーザーも多いとは思うが、まだ購入を迷っている、ちょうど買い替えを検討中という人はぜひ参考にしていただきたい。

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Galaxy Z Flip4とは?

(画像:Samsung)

まずはGalaxy Z Flip4についてまだ詳しく知らないという人のために、大まかなスペックを紹介しておこう。

Galaxy Z Flip4は、Samsungが販売するスマートフォンのうち、縦に折り曲げることができる、いわゆる 「縦パカ」 タイプの折りたたみスマートフォンだ。

折りたたむとコンパクトミラーほどの大きさになるコンパクトさが特徴で、デザインやファッション性に優れるケースなどのアクセサリが豊富なことから、10〜20代の若い世代や女性からの人気が高いモデルとなっている。

カラーはピンクゴールド/ボラパープル/グラファイトの3色が用意。楽天モバイルではピンクゴールドの取り扱いがないため、ピンクゴールドが欲しい場合はドコモもしくはauで購入する必要がある。

画面サイズは6.7インチで、画面のリフレッシュレートは1〜120Hz。リフレッシュレートとは1秒間に何回画面の書き換えが行われるかを示す数字で、この数字が大きくなればなるほど画面描写が滑らかになり、対応コンテンツを滑らかな動きで楽しむことができる。逆に画面を動かしていないときはリフレッシュレートが自動で低くなり、バッテリー消費を抑えることができる。

本体の外側にはカバーディスプレイと呼ばれるメインの画面とは別の1.9インチの画面が搭載されており、画面を開かずとも通知や天気を確認したり、Wi-FiやBluetoothなどを設定できる。

背面カメラは1200万画素の広角+超広角のデュアル仕様で、昼夜問わず明るく鮮明な写真が撮影できるのが特徴。全面カメラは1000万画素のシングル仕様だ。

搭載SoCは、4nmプロセステクノロジーを採用するQualcommのオクタコアチップセット 「Snapdragon 8+ Gen 1」 。スマートフォンのSoCとしてはかなり高性能で、3Dゲームアプリなどの重めのアプリもサクサク動作する。国内販売モデルのRAM容量は8GB、ストレージ容量が128GBだ。

ネットワークは最新の5G通信をサポートしており、サブ6GHz帯とミリ波帯の両方に対応する。SIMは、eSIMとNano SIMカードスロットのそれぞれ1基ずつで構成されたデュアルSIMに対応する。

また、国内でスマートフォンを使う上では欠かせない 「おサイフケータイ」 にも対応しており、タッチ決済などが利用可能だ。そのほか、折りたたみスマートフォンながらIPX8程度の防水性能も備えている。

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実際に使ってみて感じたこと

ここからは筆者が実際にGalaxy Z Flip4を使ってみて感じたことについて紹介していきたい。

まずGalaxy Z Flip4を語る上で外せないのが、デザインの話だ。

一般的なスマートフォンは縦長デザインのものが多いが、Galaxy Z Flip4は折りたたむことで正方形に近い形になり、コンパクトに持ち歩くことができる。

折りたたんでいることから厚みはそれなりにあるものの、大きさはコンパクトミラーほどになっていて、首から下げるストラップなどで持ち歩いても邪魔になりにくい。

また、最新モデルでありながら、パカっと画面を開く感触はガラケーのような懐かしさが感じられる。若い世代だけでなく、以前にガラケーを触っていた世代のユーザーも親しみを持って使うことができるはずだ。

ただし、筆者はガラケーのように片手だけで開くのはちょっと難しく、それこそコンパクトミラーのように片方の手で本体を支えてもう片方の手で画面を開いて使っていた。完全にガラケーのような感覚で使えるわけではなかったので、その点は注意していただきたい。

画面を開くと本体が縦長になり、一般的なスマートフォンのような形状に。画面の中央部分には折り目があり、折り目に沿ってなぞるように触るとわずかにボコっとした感触はあるものの、スワイプなどの普段の操作をする上では筆者はほとんど気にならなかった。

YouTubeなどで映像を見ていても、折り目が強調されて見づらくなってしまうことはほとんどなかったので、折り目の違和感については心配しなくても大丈夫だ。

画面の折り目部分

折りたたみスマートフォンというと、開閉を繰り返すことで故障しやすそうだと感じる人が多いかもしれないが、Galaxy Z Flip4は丈夫な素材により耐久性が向上しているほか、画面のパネルや保護フィルムも従来から強化されている。20万回もの開閉テストもクリアしているとのことだ。

Galaxyの折りたたみスマートフォンの不満点として 「画面の保護フィルムがすぐに剥がれてしまう」 という声をよく聞くが、今回のGalaxy Z Flip4は購入から1年間は保護フィルムを無償で取り換えてくれる。保護フィルムについて心配していた人も安心して購入できるはずだ。

折りたたみスマートフォンは持ち運びは楽だけど、通知を確認するためにいちいち本体を開けるのがめんどくさい……。そんな人のために、Galaxy Z Flip4にはカバーディスプレイという便利な画面が背面カメラ横に搭載されている。

カバーディスプレイは、画面を閉じた状態だとおもて面に来るようになっていて、日付や時刻、バッテリー残量が確認できる。背景の画像はあらかじめ用意されているものが使えるほか、自分で撮影した動画を設定するなど自由にカスタマイズができる。

カバーディスプレイはタップやスワイプなどの操作も可能で、左にスワイプすると登録してあるウィジェットを表示。右にスワイプすると、通知や着信を確認できる。下にスワイプするとクイック設定ボタンが表示されて、Bluetoothや機内モードなどの設定が利用可能だ。

筆者が個人的に便利だなと思ったのがカレンダーが表示できること。筆者は日本時間と海外時間の仕事が混在していると、今日が何日で何曜日なのかがたまにわからなくなってしまうことがあるが、Galaxy Z Flip4なら画面を開かずともすぐに日付を確認できて便利だった。

(画像:サムスン電子ジャパン/楽天ペイメント)

また、昨年12月にはカバーディスプレイでの楽天ペイのQRコード・バーコード決済が利用可能に。使い方は簡単で、QRコードやバーコードをカバーディスプレイに表示させ、あとはお店で店員さんにコードを読み取ってもらうだけで支払いが完了する。楽天ペイを多用している人はぜひ設定を。

自撮りをすることが多い人は、画面を閉じた状態で背面カメラでの自撮りも可能。カバーディスプレイにプレビューが表示されるので、写りを確認しながら撮影できる。筆者はあまり自撮りをしないので活用する機会は少なかったが、高画質な背面カメラで自撮りしたい人には嬉しい機能と言えるだろう。

背面カメラの性能は、Galaxy S22シリーズとほぼ同等ということもあり、綺麗な写真が撮影できる。Galaxy Z Flip4は特段カメラ性能に優れたモデルというわけではないが、旅行先での写真の撮影なども十分にこなせる性能ではあるため、スマートフォンのカメラだけですべての写真撮影を完結したい人にもオススメだ。

上記は、筆者がGalaxy Z Flip4の背面カメラで撮影した写真。作例として参考にしていただきたい。

Galaxy Z Flip4は、画面を完全に開いた状態と閉じた状態で使えるだけでなく、本体を机やテーブルなどに置いて画面を半分だけ折りたたむ 「フレックスモード」 でも使うことができる。

フレックスモードに対応したアプリでは、画面の上半分と下半分で表示が自動で分かれて便利に使うことができる。カレンダーやカメラ、電卓、YouTubeなどのアプリが対応している。

下画面をトラックパッドのように使って上画面に表示されるポインターを操作する 「フレックスモードパネル」 機能も搭載。以前までのモデルでは、画面を直接触って操作すると本体がグラグラと揺れてしまって操作しづらいという問題があったため、最新モデルで改良が加えられた形だ。

同機能を使えば、本体を机に置いて片手で画面を操作できる。筆者はメイン作業の片手間でスマートフォンを操作することが多いため、とても便利に使うことができた。

Galaxy Z Flip4の搭載SoCは、4nmプロセステクノロジーを採用するQualcommのオクタコアチップセット 「Snapdragon 8+ Gen 1」 。AnTuTu Benchmarkの結果は上記のとおりで、現行スマートフォンの中ではかなり上位のスコアに入っている。

Geekbench 5でもスコアを計測。こちらもスコアはかなり高く出ており、重めのアプリなども安心して使える性能ということに。実際にアプリなどを使っていても、処理が重かったりと動作のもたつきを感じることはほとんどなかったことから、性能面はほぼ完璧と言えるだろう。

カラーに関しては、ビジネス利用などに向いたシックなグラファイトに加えて、高級感があるピンクゴールド、そしてついに国内でも取り扱い開始となった待望のボラパープルの3色が用意されている。

筆者の個人的な推し色はボラパープル。一見すると女性向けカラーのように感じられるかもしれないが、ただ可愛いだけでなく上品さもあることから、男性が使っていても違和感はほとんどない。もしカラーで迷ったなら、ボラパープルを選んでみてはどうだろうか。

まとめ

一般的に折りたたみスマートフォンというと、壊れやすそう、使いづらそうといったイメージが先行しがちかもしれないが、Galaxy Z Flip4は丈夫な素材の採用やユーザーの使い勝手を重視した設計により、安心かつ便利に使うことができる。

加えて、折りたたんでコンパクトに持ち運べるなど折りたたみスマートフォンならではの個性的な特徴もあり、昨今の没個性的なスマートフォンよりも面白さや楽しさが感じられるスマートフォンだと感じた。

しかしその一方で、一般的なスマートフォンとは使い方が異なることから、ある程度は 「自分をGalaxy Z Flip4に慣らす」 作業が必要になるのも事実。ちょっとだけ触って 「いつもと違って使いづらい」 と手放すのは簡単だが、各機能を研究して 「こうすると便利そうだな」 と自分なりに工夫して使っていくのが、ある意味Galaxy Z Flip4を最大限に楽しむためのコツと言えるかもしれない。

あとは最後のハードルとなるのが本体価格だろうか。各国内キャリアでの通常販売価格はいずれのストアでも約14〜15万円とスマートフォンとしてはかなり高価な部類になっているため、費用を少しでも抑えたい人は、各ストアのセールや割引施策をうまく活用して購入していただきたい。

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