
アドビは9月8日、クラウド型の映像協働プラットフォーム「Frame.io」の機能拡張を発表した。これまで一部の契約者に限って提供していた接続用ツール「Frame.io Drive」をすべてのアカウントで利用できるようにするほか、ユーザーインターフェース(UI)の日本語表示にも正式対応する。
映像制作のファイル共有を支える「Frame.io」大容量データの扱いを改善
「Frame.io」は、映像制作に関わるスタッフやクライアントが、オンライン上で動画などの素材を共有し、レビューやコメント、承認までを進められる協働プラットフォーム。制作会社のスタッフだけでなく、遠隔地にいるディレクターやクライアントなど、社外の関係者を含めて同じ素材を扱える点が特徴となっている。
映像制作では、4Kや8Kといった高解像度化が進んだことで、扱うファイルの容量も大きくなっている。クラウド上にアップロードされた素材を編集する場合、これまでは必要なファイルをあらかじめパソコンへダウンロードしてから作業を始めるケースが多く、ファイル容量が大きいほど作業開始までの待ち時間が長くなる。また、複数の素材を各自のパソコンに保存していくと、ローカルストレージの容量を圧迫するという問題もある。
こうした作業上の負担を減らすために用意されているのが「Frame.io Drive」だ。今回のアップデートで、これまで一部の契約者に提供されていた同機能が、すべてのプランで利用できるようになる。
「Frame.io Drive」を使うと、「Frame.io」のクラウド上に保存したフォルダを、パソコンから外付けハードディスクのように扱える。クラウド上のファイルを事前にパソコンへダウンロードしたり、ローカルへ同期したりする必要はない。
たとえばAdobe Premiere Proで映像を編集する場合、Frame.io Driveにマウントされた素材を、クラウドからタイムラインへ直接呼び出せる。フル解像度のメディアをストリーミングしながら編集できるため、大容量の映像素材をローカルストレージに保存せずに作業を進められる。
クラウド上のデータを扱いながら、ローカルに保存されたファイルを開く場合と変わらない操作感を目指した仕組みとなっており、素材のダウンロードを待つ時間を減らしながら、高品質な映像をそのまま編集できる。ローカルストレージの空き容量を気にせず、大容量の素材を扱えることも利点となる。
Frame.ioの画面全体を日本語化、クライアントとのレビューもスムーズに
今回のアップデートでは、「Frame.io」のUIも日本語に対応する。これまで操作メニューやボタンなどが英語で表示されていたが、画面全体を日本語で利用できるようになる。
「Frame.io」は映像制作の専門スタッフだけが使うサービスではなく、制作会社から動画を受け取って内容を確認するクライアントなど、さまざまなユーザーがアクセスする。そのため、英語のUIに慣れていないユーザーが操作方法を確認したり、制作会社側がクライアントへ使い方を説明したりする場面では、言語が障壁になることがあった。
日本語表示に対応することで、動画の確認やコメントの入力、レビューといった作業を日本語のUIで進められるようになる。制作会社側にとっても、外部の関係者へ「Frame.io」の操作方法を説明する際の負担を抑えられる。
Frame.io Driveによって、映像制作に関わるユーザーが同じクラウド上のデータを扱いやすくなる。大容量ファイルのダウンロードやローカルストレージの容量、英語UIによる操作上の負担を減らし、制作そのものに時間を割きやすい環境を整えるアップデートとなったはずだ。
(画像:Adobe)



