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Beats、新フラッグシップヘッドフォン『Beats 360』発表。初の「着脱式クッション」採用でニットとレザーを使い分け

Beatsは、同ブランド初となる着脱式クッションを採用したフラッグシップオーバーイヤーヘッドフォン「Beats 360」を発表した。Apple公式サイトでは9月22日から注文を受け付け、9月24日から店頭で販売する。価格は59,800円(税込)。

「Beats 360」は、オーバーイヤーヘッドフォンの最上位モデルとして、音質やノイズキャンセリングだけでなく、クッションを交換して自分好みにカスタマイズできる点を打ち出した製品だ。イヤークッションだけでなく、ヘッドバンドのクッションまで取り外して交換できるのが特徴だ。

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Beatsの新たなフラッグシップ。アクティブに使えるヘッドフォンを目指した

イベントに登壇したBeats ハードウェアエンジニアリング バイスプレジデント マシュー・コステロ氏

「Beats 360」が生まれた背景には、オーバーイヤーヘッドフォンの使われ方の変化がある。近年は、ジムでのトレーニングやランニングなど、体を動かす場面でもヘッドフォンを使うユーザーが増えているという。

一方、従来のオーバーイヤーヘッドフォンは、汗への耐性や長時間の運動を想定したクッション設計が十分ではなかった。そこでBeatsは、AppleとBeatsが培ってきたエレクトロニクス技術を組み合わせ、アクティブな場面でも使えるオーバーイヤーヘッドフォンを目指した。

開発では、スニーカー文化からも着想を得たという。耐久性や通気性を確保しながら、服やスニーカーを着替えるように、その日の気分やスタイルに合わせて見た目を変えられる製品を目指した。

本体はブラック、クラウド、ピンク、スカイの4色で、本体と同色の「Performance Knit」クッションを標準で装着している。

別売りのクッションキットも用意する。通気性に優れたニット素材の「Performance Knit」が6色、レザー素材の「UltraPlush」が2色で、いずれも価格は8980円(税込)。イヤークッションとヘッドバンドクッションを組み合わせることで、最大256パターンのスタイルを作れる。

レザー素材の「UltraPlush」

クッションは見た目だけでなく、使う場面に合わせて選べる。通気性を重視したいワークアウト時には「Performance Knit」、長時間のフライトや自宅でゆっくり音楽を聴くときには「UltraPlush」、といった使い分けが可能だ。

交換機構にもコダワリがある。Appleの「AirPods Max」もイヤークッションを交換できるが、「Beats 360」ではヘッドバンドクッションまで交換する。そのため、アクティブに動いても外れないよう、物理的にしっかり固定するクリック機構を採用した。クッションが正しく装着されると、かすかな音で知らせる仕組みも備える。

さらに、クッションを交換しても音質が変わりすぎないよう、イヤーカップ内部のセンサーが装着されたクッションの素材を自動で判別する。「Performance Knit」と「UltraPlush」の違いに合わせて音響フィルターやイコライゼーションを調整し、ANCや音質を最適化する仕組みだ。

Beatsは今年でブランド設立20周年を迎える。Dr. DreとJimmy Iovineによって立ち上げられてからAppleファミリーに入った現在も、少人数のチームで製品を作るスタイルや、アーティストが意図した音をそのまま届けるという考え方は変わっていないという。

同社によれば、Beatsのオーバーイヤーヘッドフォンは累計3000万台以上を販売している。近年はインイヤー型のイヤホンを選ぶユーザーが多かったが、再びオーバーイヤーへ戻る動きもあるという。その理由として担当者は、ヘッドフォンの大きな面積をファッションや個性の表現に使えること、ジムなど騒がしい環境で周囲の音を遮って音楽に没入できることを挙げた。

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294.5gの本体に独立した左右の回路。IPX4や最大32時間再生にも対応

「Beats 360」は、左右のイヤーカップにそれぞれバッテリー、アンテナ、処理ユニットを配置する完全ワイヤレス構造を採用する。

ヘッドバンド内部の配線をできるだけ減らし、バンドを薄くするとともに、頭部にかかる荷重や側圧のバランスを調整した。本体重量は294.5gとなっている。

オーバーイヤーヘッドフォンとしては珍しく、IPX4等級の耐汗耐水性能にも対応する。音響ドライバーの背後に独自の仕切りを設け、音響に必要なエアフローを確保しながら、汗や水分が内部の電子部品に入り込むのを防ぐ構造を採用した。

本体はフォールドフラット構造を採用しており、ヘッドフォンの左右のイヤーカップを回転させ、全体を平らな状態にできる。付属のリップストップ生地製キャリングケースにスッキリと収納して持ち運ぶことが可能だ。

音響システムには、独自開発の40mmデュアルネオジムマグネットトランスデューサーと「HDRA(ハイダイナミックレンジアンプ)」を搭載する。

ダイアフラムは不要な共振を抑える3層構造とし、中央と外周にベントを設けて空気の流れをコントロールする。「Beats Studio Pro」と比べて出力を12dB高めながら、全帯域で歪みを抑えた音を目指した。

このドライバーは完成までに10回以上の試作を重ねたという。出力を高めるだけでなく、歪みを抑えながら音質を整えるため、細かな改良を繰り返した。

ANCには9基のデジタルMEMSマイクを使用する。「Beats Studio Pro」と比較して、総合的なノイズキャンセリング性能を最大1.75倍に高めた。

処理基板には第4世代のBeats独自カスタムSoCを搭載。DSPの処理能力は前世代の約2倍となり、音声処理アルゴリズムの実行性能を高めている。

通話時には3マイクビームフォーミングにも対応する。強風など周囲の騒音が大きい環境では、追加のマイクを自動的に使ってユーザーの声を拾う。

ジャイロスコープと加速度センサーも内蔵し、パーソナライズされた空間オーディオやダイナミックヘッドトラッキングを利用できる。

操作は物理ボタンで行う。右イヤーカップの背面には音量調整と再生・一時停止、左イヤーカップには電源とリスニングモードを操作するボタンを配置した。

バッテリー駆動時間はANCを有効にした状態で最大32時間。5分の充電で最大1時間再生できる「Fast Fuel」にも対応する。通信規格はBluetooth 5.3で、AppleとAndroidの両方のシステム機能と連携できる。

「Beats 360」は、音質やANCの性能だけでなく、汗をかく場面でも使える耐久性やクッションの交換機構、カラーや素材を組み合わせられるカスタマイズ性まで備えることで、オーバーイヤーヘッドフォンの楽しみ方を広げようとしている。

Beatsの担当者は、オーバーイヤーヘッドフォンを音楽を聴くための機器としてだけでなく、使う場所や服装、その日の気分に合わせてスタイルを変えられるアイテムとして捉えていると説明した。

発売前のティザーでは、ワールドカップなどの国際的なスポーツイベントに合わせてアスリートを起用。スポーツが持つ、人や国をつなぐ力を通じて製品の魅力を伝える狙いがあるという。

また、クッションのカスタマイズについても、開発チームが想定していなかった色や素材の組み合わせをユーザーが楽しむ姿が見られているという。Beatsでは、こうしたユーザーの自由な使い方や反応を今後の製品開発にも生かしていく考えだ。

なお、「Beats 360」の登場に合わせて、既存モデル「Beats Studio Pro」の価格も49,800円(税込)に改定される。

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