
ASUSは法人向けPCのフラッグシップモデル「ASUS ExpertBook Ultra(B9406CAA)」を、6月17日から順次発売する。
今回、発売に先駆けて最上位構成モデル「B9406CAA-TH1027X」を試用する機会を得た。約1.1kgの軽量ボディと高い堅牢性を両立したこの一台を、詳しく紐解いていきたい。
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軽量薄型でどこにでも持ち運べるプレミアムノートPC
ExpertBook Ultraは、オフィス内だけでなくクライアント先への訪問やリモートワークなど、常に移動しながら働くユーザーのために設計された製品だ。ASUSの法人向けラインナップの中でも、すべてにおいてプレミアムな体験を提供する「フラッグシップモデル」に位置づけられている
今回レビューした最上位の「TH1027X」モデルの仕様は以下。
- CPU:インテル Core Ultra X7 プロセッサー 358H
- メモリ:64GB (LPDDR5X-8533)
- ストレージ:1TB SSD (PCI Express 5.0 x4接続)
- ディスプレイ:14.0型 3K タンデム有機EL (2,880×1,800ドット)、タッチパネル対応
本体を手に取ってまず感じたのは、その薄さと軽さ。最薄部は10.9mm、重量は約1.1kgと、14インチクラスのハイエンドノートとしてはかなり携帯性を重視した設計になっている。片手で楽に持ち上げられ、カバンへの出し入れも苦にならない。
筐体にはマグネシウム・アルミニウム合金を採用し、天板やキーボード面、底面には独自のナノセラミックコーティングを施すことで、手触りの良さと高級感を両立している。表面はさらりとした質感で指紋も目立ちにくく、ビジネス向けフラッグシップらしい落ち着いた仕上がりだ。
ディスプレイは狭額縁設計を採用しており、視界いっぱいに画面が広がるため、資料作成や複数ウィンドウを並べる作業でも窮屈さを感じにくい。
タッチパッドには、新採用の「ハプティックタッチパッド」を搭載。AAC製ハプティックモーターを内蔵しており、物理的な沈み込みがないにもかかわらず、指先に自然なクリック感をフィードバックしてくれる。タッチパッド全体には6つのセンサーが配置されており、端を押しても中央部分と同じ均一な反応が得られる。
ここまでの特徴を見ると、ExpertBook Ultraは薄型軽量なプレミアムモバイルノートという印象を受けるユーザーが多いのではないだろうか。しかし本製品の最大の特徴は、こうした洗練されたデザインの裏側に隠された堅牢性にある。
想像を絶するタフさ。コンクリートブロックにも耐えうる堅牢性
本製品のもっとも注目すべきポイントは、その華奢な見た目からは想像もつかないほどの「強さ」だ。米軍規格「MIL-STD-810H」に準拠した24項目もの厳しいテストをクリアしているだけでなく、ASUS独自のさらに過酷な検証が行われている。
具体的に実施されたテストは、120cmの高さからの落下テストや、砂塵テスト、振動テストに加えて、マイナス32℃から60℃までの温度変化や、高度15,000フィート(約4,500m)の高高度環境での動作テストなど。
実際に筆者の手元でもいくつかの耐久テストを実施してみた。まずは、本体を開いた状態でディスプレイの角を持ち、あえてグイッと捻ってみる「ねじれテスト」だ。普通のノートPCなら耐えられなさそうな場面だが、安定した構造のおかげでびくともしない。移動中に片手で乱暴に持ち上げたり、満員電車で圧力がかかったりするシーンを想定したこの強さは、非常に心強い。
次に、キーボード部分に約355mlの水を一気にこぼす「防滴テスト」を実施。デスクで飲み物をひっくり返してしまうという、ビジネスにおける「あるある」な事故が起こっても継続して使用できる設計になっている。
たっぷりと水を浴びたキーボードだったが、本体をひっくり返して水を排出した後、各キーをポチポチと押してみても文字入力は問題なくできており、スピーカーの音にも異常は感じられなかった。もちろん完全防水ではないため、故障しないことを保証できるわけではないが、それでも水濡れによる故障のリスクが少しでも抑えられる安心感は大きな魅力だ。
さらに驚いたのが荷重テストだ。本体の上に合計40kg程度になるリンゴジュースの箱(約6kg)とコンクリートブロック(約10kg)、水入りのバケツ(24kg)を直接載せてみたところ、筐体がミシミシと軋む音は若干聞こえたものの、内部の基板やディスプレイが破損することはなかった。資料によれば、天板と底面に対して100kgの圧縮荷重を加える試験にも耐えられるという。
加えて、天板やキーボード面には「ナノセラミックテクノロジー」が施されており、硬度9Hという鉛筆の芯でも傷がつかないレベルの耐久性を備えている。長期間使い込んでも美しさが損なわれにくい工夫が随所に凝らされている。
ちなみに筆者は普段、出張や取材の際にバックパックを使用しており、その中にはノートPCをはじめ、カメラやイヤホン、財布などさまざまなアイテムを収納している。そのため、バッグの中でノートPCに圧力がかかることも少なくなく、気が付くとディスプレイにキーボードの跡が付いていたり、何らかのダメージを受けていたりすることもある。
その点、「ExpertBook Ultra」は堅牢性への安心感が高く、試用期間中はそうした不安を抱くことなく、気兼ねなく持ち歩くことができた。
インテル Core Ultra Series 3を搭載、ビジネス用途に嬉しいオンデバイスAI機能も用意
スペック面についても検証してみた。CPUには、「インテル Core Ultra X7 プロセッサー 358H」を搭載。2026年に発売したインテルのCore Ultra Series 3(Panther Lake)ファミリーの高性能モバイル向けプロセッサーで、薄型〜ミッドレンジノートPCやクリエイティブ/ゲーミング寄りのラップトップ向けのフラッグシップ級チップだ。
ベンチマークスコアは以下。
Cinebench 2026 テスト結果例(ASUS ExpertBook Ultra / Core Ultra X7 358H) 条件:ACアダプター接続 + Performanceモード + 十分に冷えた状態で実施
| テスト回数 | シングルコア | マルチコア |
|---|---|---|
| 1回目 | 508 | 4528 |
| 2回目 | 504 | 4495 |
| 3回目 | 507 | 4535 |
| 4回目 | 502 | 4470 |
| 5回目 | 505 | 4508 |
| 平均 | 505.2 | 4507.2 |
薄型軽量ノートPCとしては高いスコアを記録しており、実際にブラウザやプレゼン資料、メール、スプレッドシート、Slack、Zoomなど様々なアプリを同時起動して、筆者の普段のオンライン取材のスタイルを試してみたところ、動作がもたつく感じはなく、ビジネス用途としては十分な余裕を感じられた。
本製品には、NPUを活用したASUS独自のAIアプリ「ASUS MyExpert」に対応している。資料をもとに質問応答や要約を行う「ナレッジハブ」や、会議の文字起こし・要約を支援する「AI ExpertMeet」など、業務効率化を支援するさまざまな機能を利用できるのが特徴だ。
また、ファイル検索やチャット形式で設定変更を行えるアシスタント機能なども用意されており、AI PCならではの活用が可能となっている。今回はこれらの機能を十分に検証することはできなかったが、オンデバイス処理を活用したAI機能を重視する企業ユーザーにとっては注目したいポイントのひとつだ。
ビジネスの限界を押し広げる一台
「ASUS ExpertBook Ultra B9406CAA」は、薄型軽量ノートPCに対して抱きがちな「壊れやすそう」という不安を拭い去ってくれる製品だ。
高い処理能力を備えつつ、コンクリートブロック+αの重みにすら耐え、水濡れにも動じないその堅牢性は、デスクでのPC作業がメインのユーザーだけでなく、あらゆる場所を戦場にするプロフェッショナルにとって、これ以上ない武器になるだろう。
希望小売価格は、今回試用した最上位モデルで499,800円(税込)となっている。決して安価ではないが、最高峰のパフォーマンスと故障リスクを抑えてくれる安心感を同時に手に入れたいのであれば、投資に見合う価値は十分にある。
