
アドビは4月15日、動画編集ソフト「Adobe Premiere」の最新アップデート「バージョン26.2」を発表した。
今回のアップデートでは、カラーグレーディングを直感的に行える「カラーモード(ベータ)」の提供に加えて、実用的な新機能が多数盛り込まれている。
編集者の直感を形にする「カラーモード(ベータ)」
「カラーモード(ベータ)」は、編集者が色調整を「難しい作業」ではなく「編集の自然な延長」として作業できるよう、数年をかけてゼロから設計されたものだ。
本機能は、画面左上に新設された「カラー」タブからワンクリックで専用のワークスペースへと切り替えて使うことができる。

最大の特徴は、調整内容をリアルタイムに可視化するヘッドアップディスプレイ(HUD)の採用だ。マウスの上下左右の動きに連動して露出や黒レベルを調整できるほか、シャドウ、ミッド、ハイライトをより細分化して制御できる「ゾーン」という新しい概念を導入。専門的な知識がなくとも、手元の感覚だけで意図したトーンを作り込める。
管理面も大幅に合理化された。従来のように調整レイヤーを重ねたり、クリップごとに色補正をコピー&ペーストしたりする手間を省き、シーケンス全体や特定のグループ、個別クリップを一元管理できる仕組みを構築。

さらに、AIオブジェクトマスクにより、走行する車などの動く被写体だけを自動でトラッキングし、その部分に限定してカラーを適用することも可能だ。このカラーモードは本日からパブリックベータ版の提供が開始され、2026年内の正式リリースを予定している。
バージョン26.2では作業効率と表現力が向上
最新のバージョン26.2では、「カラーモード(ベータ)」のほかに、プロの現場の負担を軽減する機能が拡充される。
新たに搭載された「シーケンスインデックス」パネルは、タイムライン上の素材やエフェクト、トランジションの情報を一覧表示できるというもの。キーワード検索によって複雑なタイムライン内の目的の場所へ即座に移動できるほか、情報をCSV形式で書き出して共有できるため、複雑なプロジェクトの構造を即座に把握でき、チーム間での共有もスムーズになる。
表現の幅を広げる要素として、昨年買収した「Film Impact」の技術が統合され、高品質なノイズやスライドといったエフェクト、トランジションが標準で追加された。また、AIによるオブジェクトマスキング機能も進化しており、「シャープ」や「スムーズ」といったオプションを使い分けることで、より精緻な切り抜きが実現している。
このほか、ストレージやプラットフォームをまたいだメディアの再リンクをスマートに行うパス追跡機能の改善や、メディア再生の高速化なども実施。長年の課題であった作業の「もたつき」を解消し、クリエイターがストーリーテリングに集中できる環境を整えた格好だ。
(画像提供:Adobe)



