当メディアはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Adobe After Effectsに「AIアシスタント」搭載。自然言語でエクスプレッション作成や素材整理が可能に

アドビは9月8日、モーショングラフィックスやVFX(視覚効果)制作ソフトウェア「Adobe After Effects」に、AIを活用した対話型の支援機能「AIアシスタント」を搭載すると発表した。本機能は現時点ではパブリックベータ版として提供する。

スポンサーリンク

After Effectsの複雑な作業をAIが支援

AIアシスタントは、After Effectsで行うさまざまな作業を、自然な言葉による指示から実行できる機能。アセットの整理やプロジェクト内の問題の確認、エクスプレッションの作成など、これまで制作者が手作業で行っていた工程をAIが支援する。

映像制作の現場では、何百もの階層化されたコンポジションを管理したり、大量の素材を整理したり、ロトスコープなどの処理を行う場面も多い。こうした作業には専門的な知識が必要なうえ、細かな手順を一つずつ進めなければならないケースもある。プロジェクトの整理や設定、エラーへの対応などに時間を取られることも少なくない。

今回のAIアシスタントは、こうした作業を効率化し、制作者が映像表現そのものに集中しやすくするための機能として開発された。AIに作業を任せつつ、最終的にどの処理を採用するか、どこに自身の判断や専門性を反映するかは制作者が決められる。

AIアシスタントは現在開いている作業画面だけではなく、読み込まれているプロジェクト全体を把握して作業できる。専用のチャットパネルに自然な言葉で指示を入力すると、プロジェクトに含まれる大量のデータを確認し、必要な処理を実行する。

たとえば、何千ものレイヤーを含む大規模なプロジェクトでアセットを整理したり、素材の名前を変更したり、破損した記述を修復したりといった作業を、バックグラウンドでまとめて処理できる。

スポンサーリンク

エクスプレッションの作成やエラー修正にも対応

After Effectsでは、映像内のオブジェクトを複雑に動かしたり、条件に応じて動きを変えたりする際に「エクスプレッション」と呼ばれるコードを利用する。高度な表現を作るうえで便利な一方、コードを自分で記述する必要があり、映像制作を専門とするユーザーにとっても扱いにくい場面がある。

AIアシスタントでは、このエクスプレッションの作成を自然言語で指示できる。アドビが公開した実演デモでは、6枚のフォトフレームに対して「90年代の手作りコラージュ風のランダムな動き」を付けるよう指示。AIがその内容に合わせたエクスプレッションを自動で構築し、フォトフレームに不規則なモーションを適用した。

従来なら、動きを設定するためのセットアップやコードの記述、エラーの確認などに時間がかかるところを、文字による指示から短時間で処理できる。

プロジェクトを他の制作者から引き継いだ場合や、過去に制作した古いデータを扱う場合にも利用できる。プロジェクト全体をスキャンしてエラーのある記述を特定し、コードを書き直すことで、動作しなくなった部分の修正を支援する。

このほか、映像素材(フッテージ)やコンポジションの確認、アセットの整理といったプロジェクト管理に関する作業も、チャットパネルから指示できる。

AIアシスタントは現在パブリックベータ版として提供されており、今後の開発を通じて機能の改善が進められる見込みだ。

(画像:Adobe)