昨日、「iPhone 8」には「Touch ID」による指紋認証機が搭載されないという衝撃の情報がKGI SecuritiesのアナリストMing-Chi Kuo氏の投資家向けレポートによって明らかになっている。
同レポートには、次期iPhoneに関する詳しい情報が他にも記載されていたが、さらに同梱する電源アダプタやワイヤレス充電仕様に関する情報も述べられていたようだ。MacRumorsが詳しく解説している。
「iPhone 8」はUSB-PDに対応するものの、同梱される充電器では急速充電ができず
Kuo氏のレポートによると、「iPhone 8」は引き続きLightning充電ポートが搭載されるが、「USB-PD」に対応するチップが搭載され、より高速に充電できることが述べられている。
この仕様はすでに「iPad Pro」でも採用されており、USB-PDに対応する高出力な充電アダプタと接続することで、従来よりも早く端末を充電することが可能だ。
ただし、Kuo氏曰く「iPhone 8」に同梱される電源アダプタは従来のiPhoneと同様の「5W USB-A電源アダプタ」になるという。これが事実だとすると「iPhone 8」は急速充電が可能なUSB-PDをサポートしながらも、同梱する充電アダプタでは残念ながらその恩恵を享受できないことになると思われる。もし早く充電したいのであれば「MacBook」や「MacBook Pro」に付属してくる高出力なUSB-C対応電源アダプタ「Apple 29W USB-C電源アダプタ」などが必要だ。
ちなみに「iPhone 8」に同梱される電源アダプタについては、先日、BarclaysのアナリストBlayne Curtis氏が「10W USB-C電源アダプタ」が同梱されると予想していたことから、Kuo氏とCurtis氏、両者の意見が食い違っている状態だ。
Curtis氏とKuo氏の意見、現時点でどちらが正しいかは不明であるものの、USB-PDの仕様から「10W USB-C電源アダプタ」を同梱するメリットはほぼないため、どちらかといえばKuo氏の意見の方が現実的だと言えるかもしれない。
また、この他にもKuo氏は次期iPhoneの3モデルがWPCの標準ワイヤレス充電規格「Qi」に対応するため、ガラス製のボディとメタルフレームを採用すると述べていることが判明。こちらに関しては以前からの情報通りだが、やはりワイヤレス充電器は別売りになってしまうとのことなので、ワイヤレス充電機能を利用したい場合は別途充電器を購入する必要があるだろう。
今回の情報をまとめると、「iPhone 8」に同梱される電源アダプタについては「5W USB-A電源アダプタ」が現実的で、ワイヤレス充電については以前からの噂通りといったところだろうか。
「iPhone 8」が「USB-PD」やワイヤレス充電に対応するのは嬉しいが、これらの恩恵を得ることができる充電器は同梱されないため、「Apple 29W USB-C電源アダプタ」などの純正アダプタやサードパーティー製のアクセサリの購入が不可欠になりそうだ。
「iPhone 8」については冒頭でも述べたが、昨日のレポートにより「Touch ID」が搭載されないなどこれまでとは違った情報が出てきている状態だ。もしかするとこれまでの噂が一気に覆る可能性もあるので、今後の情報には注意するようにしたい。