
NetEase Gamesは、都市型オープンワールドRPG『無限大ANANTA』を2027年1月15日に全世界同時リリースする。基本プレイ無料で、対応プラットフォームは公式PCクライアント、Steam、PlayStation 5、iOS、Android。
『無限大ANANTA』は、NetEase Gamesと傘下のNaked Rainが共同で開発する作品だ。2023年に「Project Mugen」として発表されて以来、約3年にわたって情報が公開されてきた。都市を舞台にした自由度の高いゲームプレイに加え、映画的な演出を取り入れたアクションを大きな特徴としている。
舞台となるのは、「新啓(しんけい)」と「重霄(ちょうしょう)」という2つの都市。新啓では東京を思わせる現代的な大都市を、重霄では上海や杭州を想起させる都市や田園風景を楽しめるなど、それぞれ異なる雰囲気の街が用意されている。
本作では、1人の主人公だけを操作するのではなく、複数のプレイアブルキャラクターそれぞれの視点から都市を体験する。公式が掲げるのは「いくつもの『顔』で、都市を生きる」というコンセプト。巡察官、ハッカー、配達員、コンテンツクリエイターなど、立場や能力の異なるキャラクターが登場し、それぞれ異なる物語やゲームプレイが用意される。
これまで公開されてきた映像や、昨年の「東京ゲームショウ2025」の試遊では、車両を使ったチェイスや銃撃戦、ワイヤーを使った移動、敵との近接戦闘など、都市を縦横に駆け回る派手なアクションが注目を集めていた。
今回の試遊では、こうした従来のイメージとは異なる新たな一面を確認することができた。体験できたのはストーリーモードの一部と、「重霄」にある龍栖村を自由に探索するモードの2種類。いずれも短時間の試遊だったが、派手なアクションだけではない『無限大ANANTA』の方向性を知るには十分な内容だった。
「動かせる映画」のようなストーリーと、場所に合わせて変化するアクション

今回のストーリーには重要な展開が含まれているため具体的な内容は伏せるが、今回の試遊では、本作の顔ともいえる「キャプテン」は登場しなかった。
これは本作の「複数のキャラクターそれぞれの視点から都市を描く」という設計を考えると、興味深いところ。キャラクターによって立場や能力だけでなく、物語の見え方やゲームプレイそのものが変わるため、1人の主人公を中心に進む一般的なオープンワールドRPGとは少し違った体験になりそうだ。
今回のストーリーでは、敵に見つからないよう身を隠して進むステルスパートや、危機から逃れるためのパルクールなど、アクションアドベンチャー色の強い場面を体験できた。
なかでも印象に残ったのが、操作パートとイベントシーンのつながりだ。自分でキャラクターを操作していたかと思えば、そのまま自然に演出へ移行し、そこから再び操作に戻る。QTEも物語の流れのなかに組み込まれており、「ゲームを遊んでいる」という感覚を保ったまま、映画のワンシーンのような展開へ入っていく。
この作りは、過去の試遊でも確認されていた。本作では、戦闘から車上での銃撃、運転、ワイヤーアクションへとシームレスにつながる演出が特徴として紹介されている。
パルクールでは、ジャンプやダッシュを使って建物や地形を駆け抜けていく。キャラクターのモーションも滑らかで、ただ移動するだけではなく、アクションそのものを楽しませようとしていることが伝わってきた。
龍栖村を歩けば、NPCの暮らしまで見えてくる


ストーリーモードを終えたあとは、「重霄」にある龍栖村を自由に探索できた。茶畑に囲まれた山村で、白壁と黒い瓦の建物や石畳の路地、店先に積まれた野菜、茶葉を干す光景など、現代中国の田舎町を思わせる景観が広がっている。
今年7月に筆者が中国・深圳を訪れた際、郊外をバスで移動する機会があった。そのとき車窓から見た風景と重なる部分もあり、どこか見覚えのある景色として感じられた。

村を歩いていて面白かったのが、NPCの存在感だ。村には畑仕事をする人、商品を売る人、掃除をするロボット、談笑する住人など、さまざまなキャラクターがいる。立ち止まって観察しているだけでも、それぞれが異なる行動を続けているため、単に背景として配置されたNPCには見えない。
NPCの反応も細かい。例えば、自撮りをしようとすると周囲のNPCが反応して一緒に写真へ入ろうとするなど、プレイヤーの行動に合わせたリアクションも確認できた。
龍栖村では建物のなかに入れる場所もあり、店内まで細かく作り込まれている。バイクや荷台付きの三輪車など、その土地の雰囲気に合った乗り物も見つけることができた。

そして、龍栖村では戦闘以外の遊びも用意されている。初プレイ時に楽しんでもらいたいため、どんなミニゲームがあるのかは秘密にしておくが、例えば中国茶に関するミニゲームも用意されていた。
街のオブジェクトに干渉できる範囲も広い。駐車されている車に乗り込んだり、餅つきをしたりと、探索中に思わぬところで操作できるものが見つかる。
こうした細かな仕掛けがあることで、街を歩くだけで「次は何が起きるのか」と周囲を見たくなる。今回の試遊では、こうした寄り道そのものが『無限大ANANTA』の楽しさの一つになっているように感じた。

グラフィックスも本作を語るうえで外せない。キャラクターはアニメ調のデザインだが、背景やライティングには現実感があり、いわゆるアニメ調とフォトリアルの中間に位置するような3DCG表現になっている。

一方、「重霄」は龍栖村のような田園風景だけではない。gamescom Opening Night Liveで公開された映像では、ビルやモニュメントが立ち並ぶ都市部も確認できる。今回の試遊ではその一部しか体験できなかっただけに、正式サービス時にどこまで広い都市として描かれるのかも気になるところだ。
派手なアクションの裏側にある「街を歩く楽しさ」

今回の試遊を通して感じたのは、『無限大ANANTA』が派手なアクションだけでなく、街を歩いている時間そのものにもかなり力を入れているということ。
車を乗り回したり、銃撃戦を繰り広げたり、ワイヤーで建物の間を飛び回ったりする一方で、龍栖村では畑仕事をするNPCを眺めたり、店に入ったり、ミニゲームで遊んだりできる。NPCの細かなリアクションも含め、プレイヤーが寄り道することを前提にしたような作りが随所に見られた。
一方で、今回確認できたのはPC版の限られた範囲にとどまる。PS5やスマートフォン版でも、これだけのグラフィックスやNPCの挙動をどこまで維持できるのかは気になるところだ。また、基本プレイ無料タイトルだけに、キャラクターの育成や課金要素がゲームプレイにどのように組み込まれるのかも、まだ見えていない。
とはいえ、少なくとも今回の試遊では、「都市を舞台にしたアクションゲーム」という事前のイメージだけでは分からなかった部分を体験できた。龍栖村のような場所でさえここまで細かく作られているなら、都市部を含めた製品版の世界を実際に歩いたとき、どんな発見があるのか。そこは2027年1月15日の正式リリースで確かめたい。
(画像提供:NetEase Games)


