
米Appleのティム・クックCEOは、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで、メモリーやストレージ向け半導体の価格上昇を受けて、同社製品の値上げを実施する方針を明らかにした。「残念ながら価格上昇は避けられない」と述べ、これまで価格転嫁を抑えてきたものの、現状は持続不可能な段階に達しているとの認識を示した。
値上げの時期や価格改定幅、対象製品については明言を避けたが、2026年後半以降に投入される新製品への影響が注目されそうだ。
AI需要で半導体価格が上昇、Appleも価格転嫁へ
今回の発言は、AIブームによる半導体需給の逼迫を背景としている。近年は生成AIの普及に伴い、データセンター向けの高性能半導体需要が急拡大。メモリーやストレージ向けチップの供給にも影響が及び、電子機器メーカー各社が限られた供給量を確保するため競争を激化させている。
クックCEOは、特にDRAMを中心としたメモリー価格の上昇を問題視していると説明。「消費者がデバイスを求めているこの時期に供給が減っており、メモリーメーカーは大幅に価格転嫁している」と指摘した。
また、「消費者向け製品に関しては、メモリーの価格と供給が妥当な水準に戻る必要がある。それが肝心な点だ」と述べ、現在の市場環境に強い懸念を示した。
さらに、供給不足の解消に向けてAppleが財務基盤を活用する可能性にも言及。「当社は解決策の一翼を担うために、当社の財務諸表を活用する用意がある。生産能力の拡大が明らかに必要だ」と語り、メモリーメーカーへの支援や設備投資協力などを視野に入れている可能性を示唆した。
今秋発売の「iPhone 18」シリーズへの影響も注目

Appleは2026年9月に、次期フラッグシップモデルとなる「iPhone 18 Pro」「iPhone 18 Pro Max」に加え、同社初の折りたたみ式iPhoneを投入するとみられている。
クックCEOは同月にCEO職を退任し、後任としてジョン・ターナス氏が就任する予定だ。新体制への移行時期と大型新製品の投入時期が重なるなか、今回の値上げ方針が今後の製品価格戦略にどのような影響を与えるのか関心が集まる。
なお、Appleが日本国内で大規模な価格改定を実施したのは2022年7月で、当時は急速な円安進行が主な要因だった。一方、米国では長期間にわたり主要製品の価格が据え置かれてきた経緯がある。
今回のように部材コスト上昇を理由として米国価格が引き上げられた場合、日本市場でも価格改定が行われる可能性は高い。iPhoneやMac、iPadなどの購入を検討しているユーザーにとっては、今後のAppleの正式発表が注目材料となりそうだ。
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