今年2月に日本に上陸したIoTメーカー 「Aqara」 。 AppleのHomeKitに対応するデバイス数では業界トップレベルを誇ることから、Apple製品との相性も良く、筆者も注目しているメーカーのひとつだ。
国内では、屋内用のスマートカメラやペットカメラ、ドアホン、ロールスクリーンなどに加えて、特定の条件下でスマートデバイスを動作させるための開閉センサーや振動センサー、人感センサーなどのセンサー類も販売している。
このたび、Aqaraから 「LED テープライト T1」 のサンプルを提供いただき、実際に筆者の自宅に導入して数週間使ってみることができた。
本製品はマルチカラーでシーンに合わせてカラーをカスタマイズできる上に、AppleのホームアプリやAmazonのAlexaアプリと連携して声や時間で制御できるなど、自宅をスマートホーム化している人には使いやすい製品だと感じた。本製品の詳しい特徴について、筆者の使い方も踏まえながら紹介したい。
なお、本製品を正常に動作させるためには別売りの 「Aqaraハブ」 との連携が必要であるので、その点にはご注意いただきたい。
Siri・Alexa経由でコントロールできるLEDテープライト、防水にも対応
Aqaraの 「LED テープライト T1」 は、背面のシールを剥がして好きな場所に貼り付けて使うことができる照明器具。長さは2メートルあり、設置したい場所に合わせて短く切って使うこともできる。IP44相当の防水・防塵にも対応する (電源アダプタやリモコンは除く) ため、キッチンなどにも設置可能だ。
テープライトの途中をよく見ると、ハサミのマークがついた部分がある。この部分が安全にテープを切ることができる場所になる。これ以外の場所で切断してしまうと回路に影響が出てしまう可能性があるため、短くして使いたい場合は、必ずハサミのマークがある部分で切断しよう。
切断してしまったテープ同士は基本的には再接続できないが、サードパーティの5ピンLEDストリップコネクタを別途購入することで再接続することが可能。ただしコネクタ部分は防水ではなくなるため、水回りへの設置は避けていただきたい。
長さを調整したら、テープ裏側のシールを剥がして取り付けへ。粘着力は簡単に剥がれてしまうほど弱くはないが、強すぎるわけではないため、斜めになってしまったなど貼り付けに失敗しても、1回くらいであれば取り外して再チャレンジ可能だ。ただし、壁や家具などは剥がすときに塗装が剥げてしまう可能性があるため、剥がす際には取り付け場所の素材に気をつけていただきたい。
上記は付属してくる電源アダプタとリモコン。
電源アダプタは付属してくるコネクタを使って日本のコンセントに合った2ピン用に変換する必要がある。くるっと回すように取り付けるだけで簡単に取り付け可能なので、困ることはないはず。
電源アダプタは少し大きめで、隣のコンセント穴に干渉してしまうことも。壁のコンセント穴はもちろん、マルチタップなどに取り付ける際には注意していただきたい。
本体のリモコンでは、電源のオン・オフ、ライトのカラーの変更、音楽同期モードの3つが制御できる。ユニークなのが音楽同期モードで、本製品にはマイクが内蔵されていることから、周囲の音楽に合わせてライトのカラーや光るタイミングなどを同期することができる。テレビの近くなどに設置しておいて、ゲームなどの音楽に合わせて動作させると面白そうだ。
テープライトを取り付けて電源を入れ、ライトが点灯することが確認できたら、別売りのAqaraハブとペアリングしていく。
ちなみに、本製品を含め、Aqaraの製品を正常に使うためにはAqaraハブとの連携が必要となる。今回はハブ機能を搭載したAqaraのペットカメラと連携することで動作させている。
ハブ機能を持つ製品と連携が完了したら、テープライトの電源をオンにして画面の指示にしたがって設定を進めていくだけで基本的にペアリングは完了する。
ハブとのペアリングが完了すると、Aqaraアプリを通じてMatterやHomeKit、Alexa、Googleなどとの連携が可能になる。筆者の自宅ではAppleのSiriとAmazonのAlexaを多用していることから、AppleのホームアプリとAlexaアプリと連携し、制御することにした。
アプリでは、ライトのカラーや点灯パターンを調整できる。ただ単色で点灯するだけでなく、グラデーション点灯もできるため、ホリデーシーズンのイルミネーションとして使うのにもオススメ。また、「18時に点灯」 のように時間を指定して点灯することも可能だ。
筆者の場合は、自宅でレビュー製品の撮影などに使っている作業台の裏側に本製品を設置。ライトを白色にして製品の撮影時に明るさをプラスできるのはもちろんだが、ゲーミング製品によっては青色やピンク色にしてカッコ良さをアピールするという使い方もできる。
参考として、今回ハブとして使ったAqaraのペットカメラを撮影してみた。少し黄色がかった白色のライトをプラスしただけでいい感じの雰囲気になっているのがお分かりいただけるだろうか。
テープライトの用途としては、テレビの裏やベッドの裏のダッシュボードなどに設置して部屋の雰囲気の調整に使う人が多い印象だが、Aqaraのテープライトなら明るさも十分にあり、暗くて見づらい部分に設置して明るさを確保するのもアリ。
筆者の自宅には水槽があり、水槽台の下にメンテナンスのための器具を収納しているのだが、部屋の照明だけでは水槽台の奥まで見づらく、いつもメンテナンス時に困っていた。Aqaraのテープライトは防水対応で水槽の水がこぼれても平気なことから、こういった用途で使うのも良さそうだと感じている。
ライトのカラーや明るさは、シーン登録をしてSiriやAlexaに声で指示することもできる。筆者はこの作業台で作業をすることもあるのだが、ずっと作業を続けていると疲れてしまうため、「Alexa、リラックスモード」 とAlexaに指示することで暖色系のカラーに変えて気分を変えることができるようにしている。
声だけでコントロールできるのがとにかく便利、他の照明器具との連携も可能
今回、Aqaraの 「LED テープライト T1」 を実際に使ってみて、思っていた以上に便利に使うことができるのに驚いた。
決まった時間に点灯・消灯するのはもちろん、SiriやAlexa経由で点灯・消灯したり、明るさやカラー、点灯パターンを変更でき、手間がかからずとても助かっている。他の照明器具もスマート化しているなら、シーン設定をすることでSiriやAlexaに声で指示するだけで他の照明器具と一緒にコントロールすることも可能。
「〇〇モード」 「全部つけて」 「ただいま」 など、わかりやすいシーン名や言い方で管理すれば、わざわざスマートフォンを触ったり、物理ボタンを押すことなく、声だけで一気に部屋の照明をコントロールできる。
唯一難点と言えるのがハブ機能を有したAqara製品を別途購入しなければならない点だが、Aqaraの製品はHomeKit、Alexa、Googleと様々なプラットフォームに対応しているほか、Matterにも対応していることから、どんな環境でも使いやすいというメリットがあるだろう。
Aqaraは日本に上陸してからまもないメーカーではあるが、アプリの日本語対応もしっかりしているため、自宅のスマートデバイスをAqaraに統一して使っていくのもアリだろう。ぜひ検討いただきたい。