すべてのMacをIntelプロセッサからApple Siliconに変更するとAppleが宣言してから2年半が経過したが、依然としてApple Silicon化が果たされていないMac Pro。
早ければ2023年に新型モデルが投入されると予想されているが、最上位モデルは 「M2 Ultraチップ」 を搭載したものになり、「M2 Extremeチップ」 を搭載したモンスターマシンの開発を諦めた可能性があることがわかった。
米メディアBloombergの著名記者Mark Gurman氏が18日に配信した自身のニュースレター 「Power On」 の最新号で伝えている。
Mark Gurman氏によると、プロユーザー向けのMac Proに搭載されるプロセッサはM2 Ultraチップとなり、その上の性能をもつM2 Extremeチップを搭載したモデルについては実質的に諦めた可能性があるとのこと。
M2 Ultraチップには24コアのCPU、76コアのGPU、最大192GBのRAMを搭載する予定。一方のM2 Extremeチップには48コアのCPUと152コアのGPUが搭載される可能性があると伝えられていた。
M2 UltraチップはM2 Maxチップを2個くっつけることで、M2 ExtremeチップはM2 Ultraチップを2個くっつけることで実現する予定だった。しかし、後者のM2 Extremeについてはあまりに複雑な構造であること、そして製造コストも高いことから、同チップを搭載したモデルを発売することを断念することにしたとのこと。
Mac Pro自体がとてもニッチな製品であることもまた開発断念する理由に繋がっているとMark Gurman氏は指摘している。M2 Extremeチップを搭載したモデルはCTOオプション等でカスタマイズしない “吊るしモデル” でさえも価格が1万ドル (約135万円) 程度になるとの見込みで、購入者もさほど多くないためだ。
Mac Proに関しては、当初の計画ではM1チップの上位プロセッサを搭載する予定だった。しかし、開発における問題等でM2チップの世代で製品化することに改革を変更。さらに、M2 Extremeチップの搭載についても断念するなど、開発に四苦八苦しているようだ。「Macを2年内にApple Silicon化する」 と宣言してから2年半が経過しても、なおも新型モデルが登場していないのはおそらくそういうことなのだろう。
現行のIntelプロセッサチップを搭載したモデルからは確実に性能が向上するとみられているが、M2 Extremeチップが搭載されないことで、アップグレードの幅は当初より小さくなることは悲報とも言えそうだ。
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(画像:Apple)