現地時間6月7日、Appleは開発者向けイベント 「WWDC21」 の基調講演をオンラインで配信。次期watchOSの 「watchOS 8」 を正式発表した。
「watchOS 8」 では、呼吸アプリのアップデートや新ワークアウトの追加など複数の新機能が追加されることが明らかにされている。
当記事では基調講演の発表をもとに 「watchOS 8」 の新機能をまとめてみた。今秋の正式リリースまでの予習にぜひ活用していただきたい。
① 呼吸アプリ
「watchOS 8」 ではかつての 「呼吸」 アプリが 「マインドフルネス」 アプリに変更となり、新たなセッション 「リフレクト」 が実装される。
このリフレクトは、いつでもどんな環境でも1分間瞑想できる機能になっていて、気持ちを落ち着けることが可能だという。
画面に 「最近落ちつくと感じたときのことを思い出してください。その時の気持ちをいまこの瞬間に再現してみてください。」 「感謝していることをひとつ思い出して、なぜそれほど感謝しているかについて考えてみてください。」 など、以前に幸せを感じたときのことを思い出すようにApple Watchは指示してくる。
もちろん、「呼吸」 セッションも引きつづき利用可能だ。ちなみにこれらのセッション利用時のアニメーションも変更になっている。
② 新ワークアウト 「太極拳」 「ピラティス」
Apple Watchには毎年いくつかのワークアウトが実装されているが、今年も新しいワークアウトが実装された。
今年の追加分は 「太極拳」 「ピラティス」 。カスタムビルドの心拍数およびモーションアルゴリズムによって、これらのワークアウトはモニタリング可能だという。
なお、「Apple Fitness+」 にはレディ・ガガなど著名人の楽曲を使用したエクササイズが追加される。
③ ポートレート写真をウォッチフェイスに
ポートレート写真をウォッチフェイスに設定することが可能になる。
ポートレート写真は、iPhoneのカメラで撮影した人物写真。背景にぼやかすエフェクトを追加し、一眼レフカメラのような写真が撮れる機能。人物に焦点を当てた写真が特徴だ。
ポートレート写真を設定したウォッチフェイスは、時計が人物と重なるよう表示されるが、時計が上になる場合は人物の背景に表示されるようになっている。
④ メッセージでスクリブル、音声入力、絵文字を組み合わせ可能に
メッセージアプリで送れるスクリブル、音声入力、絵文字のメッセージを組み合わせて送ることが可能に。音声入力したメッセージはテキストを編集することもできる。
また、さらに多くの表現を追加するための方法として、単語もしくは語句を入力することで数百ものGIF動画を検索し、使用することが可能だという。
⑤ 連絡先アプリがApple Watchに実装
「watchOS 8」 から、Apple Watchでも連絡先アプリが利用可能に。連絡先の閲覧や追加、編集が簡単にできる。さらに連絡先を他ユーザーに共有することも可能だ。
⑥ 「集中」 モードに対応
iOS 15などで実装される 「集中モード」 は、Apple Watchでも利用可能。集中モードは何かひとつのことに集中したいとき、通知を抑制・制限する機能 (詳しくはiOS 15の新機能まとめ記事へ)。
同機能がオンになっているとき、Apple Watch側も連動して通知が入らないようになっている。また、集中モードは位置情報やアプリの使用状況などのシグナルに基づいて、適切なタイミングで自動的に有効化してくれる機能が用意されているが、それはApple Watchからでも利用できる。
実際のユースケースとして、Appleはワークアウト時のシチュエーションを挙げていて、ワークアウトを開始したときに自動でフィットネス用の集中モードが提案されるとのこと。
集中モードはiPhone側でカスタムすることが可能。忙しい現代人にとって、この機能はかなりユースフルだ。
⑦ Walletアプリに車・自宅・ホテルのキーを追加可能
Apple Watchのウォレットアプリがアップデート。より多くのものにアクセスできるようになる。
Apple Watch Series 6のユーザーは、UWB (Ultra-Wide Band) を利用した車のデジタルキーが利用可能に。離れた場所から車のロックを解除し、運転席から車のエンジンをかけられるようになる (対応車種のみ)。
また、自宅やオフィス、ホテルの鍵も追加できるように。Apple Watchの画面をタップすることで、これらの鍵を解錠できる。ハイアットリージェンシーブランドが対応を宣言している。
さらに今年後半には、米国の特定の州の運転免許証や身分証明書を追加できるようになる。日本を含むその他の地域での対応は、現時点では未定。
⑧ ホームアプリで来訪者の様子が確認可能に
HomeKit対応カメラを使っている場合、Apple Watchのホームアプリを使って訪問者の様子を確認できる。
「インターコム」 機能を使えば、HomePodやHomePod mini、そのほかのデバイスを介して家全体や各自の部屋にメッセージを伝えられる。
⑨ 睡眠時の呼吸数を計測できるように
Apple Watchに搭載されている加速度センサーを利用して、睡眠時の呼吸数が計測可能に。1分間あたりの呼吸回数が計測される。計測したデータはiPhoneのヘルスケアアプリで確認可能。
watchOS 8 対応機種
「watchOS 8」 は、2017年に発売したApple Watch Series 3以降のApple Watchで利用可能だ。昨年の 「watchOS 7」 ではSeries 1とSeries 2がサポートから外れたが、「watchOS 8」 ではサポートから漏れたモデルはなく、「watchOS 7」 を利用できるデバイスは 「watchOS 8」 を利用できることになる。
- Apple Watch Series 6 (発売:2020年9月)
- Apple Watch Series 5 (発売:2019年9月)
- Apple Watch Series 4 (発売:2018年9月)
- Apple Watch Series 3 (発売:2017年9月)
なお、Apple WatchはiPhoneとの連携が必須であるため、「watchOS 8」 を利用するには 「iOS 15/iOS 14」 をインストールしたiPhoneが必要になる。「iOS 15/iOS 14」 をインストールできるデバイスは以下の表のとおり。
iPhone | iPod touch |
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「watchOS 8」 の配信スケジュール
「watchOS 8」 は2021年秋にリリース予定。本日からデベロッパーベータの配信が開始されており、7月にはパブリックベータ版が配信される予定だ。
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