現地時間1月13日、米Appleは人種差別問題の解消を目指すイニシアチブ 「Racial Equity and Justice Initiative (人種平等および正義イニシアチブプロジェクト)」 の設立を改めて発表。その詳細を紹介した。
人種差別問題の解消を目指すイニシアチブ 「REJI」 を設立
「Racial Equity and Justice Initiative」 は、米国内に根深く存在する人種差別問題の解消のための人種差別解消プロジェクト。昨年発生した黒人男性が白人警察官の暴行によって死亡した事件から、当時米国内では人種差別の撤廃に向けた抗議活動が盛んに行われており、Appleはこの動きを受け昨年6月に同プロジェクトを発表していた。
このイニシアチブには1億ドルの予算が投入されるとのこと。米国内で展開され、教育や経済的平等などに投入される。
イニシアチブの目玉はふたつ。ひとつ目は、歴史的黒人大学(HBCU)に対して2,500万ドル(25億円)の支援を行うというもの。ミシガン州デトロイトの歴史的黒人大学に、HBCUコミュニティ全体のイノベーション・学習ハブとなるPropel Centerを設立する。
Propel Centerは、革新的なカリキュラム、技術的サポート、キャリアの機会、およびフェローシッププログラムを提供。同大学に所属する学生のコーディングと技術教育をサポートしながら、次世代のリーダーの育成にも力を注ぐ。
AIと機械学習、農業技術、社会正義、エンターテインメントアート、アプリ開発、拡張現実、デザインとクリエイティブアートなど幅広い教育トラックを提供。そのほか、工学部の学生向けには半導体・ハードウェアエンジニアリングに関する教育カリキュラムをApple自らが提供するプログラムを実施する。
さらに、教職員向けにはカリキュラムの開発や研究施設の設置費用に関する支援を行うほか、Apple自らがベンチャーキャピタルとして学生の起業を支援。有色人種の起業家・リーダーを増やすことでより多様性のある社会を目指す。
ふたつ目は、アプリの開発者アカデミーがデトロイト市街に設置されるというもの。この施設は、ミシガン州立大学との協働で2021年後半に立ち上げられる予定だ。
このアカデミーは、急速に成長するiOSアプリ経済圏での仕事に必要なスキルの育成を支援。若い黒人起業家やクリエイター、コーダーを支援するための施設となるが、学歴やコーディング経験の有無に関係なく、デトロイト全体のすべての学習者に開放されるという。ちなみに、こういったデベロッパアカデミーを米国で設置するのは、Appleとしても初となる。
アカデミーでは、1ヶ月の体験プログラムのほか、10〜12ヶ月におよぶ集中的プログラムも提供する。提供されるカリキュラムは、コーディングやデザイン、マーケティング、専門的なスキルをカバーするようになっているとのこと。Appleは、このアカデミーのカリキュラムが毎年1,000人近くの学生に届くと予想している。
そのほか、Appleは有色人種の起業家に対して1,000万ドルの資金提供を計画。今後20年間で1,000社に対して投資を行う予定であることも明らかにしている。
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