ROG Phone 9 Pro レビュー。性能もカメラも妥協なし、最高峰のゲーム体験と普段使いの快適さを両立

3月26日、ASUS JAPANは新型ゲーミングスマートフォン 「ROG Phone 9」 「ROG Phone 9 Pro」 「ROG Phone 9 Pro Edition」 の国内発売を発表した。本日から予約受付を開始しており、発売は3月28日を予定している。

発表に先立ち、ASUS JAPANから 「ROG Phone 9 Pro」 の実機を借りることができたため、詳しい仕様や使用感について紹介したい。

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ROGらしいスラッシュパターンを多用した本体デザイン

「ROG Phone 9 Pro」 は、ゲーミングブランド 「Republic of Gamers (ROG)」 のゲーミングスマートフォン 「ROG Phone」 シリーズの最新モデル。昨年11月に海外発表され、今回ついに国内発売が決定したかたちだ。

最新SoCと優れた冷却システムで最新ゲームを快適にプレイできるのはもちろん、シリーズ初のeSIMに対応したほか、高性能なアウトカメラにより、ゲームプレイ時以外の普段の使い勝手も良いのが特徴だ。

画面には6.78インチの有機ELディスプレイを搭載。解像度は2,400×1,080ドット (フルHD+)。リフレッシュレートは通常時は1〜120Hz、ゲームモード時には165Hz〜185Hzと、現行のスマートフォンの中でも最高レベルの高リフレッシュレートを実現する。

185Hzのリフレッシュレートは、ゲームプレイ中に開けるゲームアシストツール 「Game Genie」 から設定が可能。ゲーム側での対応が必要になるため、現時点ですべてのゲームで185Hzが利用できるわけではないが、対応ゲームでは滑らかな描写を楽しめるはずだ。

120Hz以上の高リフレッシュレートでプレイできるゲームは、システム統合管理アプリ 「Armoury Crate」 のゲームライブラリから確認できる。

本体サイズは高さ163.8 × 幅77 × 奥行き8.9mm、重量は227g。先代の 「ROG Phone 8 Pro」 とほぼ同じサイズ・重量となっていて、引き続き日常の操作やゲームもプレイしやすいサイズ感に仕上がっている。

背面には、ROGらしいスラッシュパターンを多用したデザインを採用。また、プログラム可能なミニLEDでアニメーションなどを表示できる 「AnieMe Vision」 も搭載する。ROG Phone 9 ProはミニLEDを648個搭載しており、複雑な文字を表示したりクラシックゲームをプレイすることも可能だ。筆者としては時刻や天気、バッテリー残量を表示できるのが便利だと感じた。

アウトカメラは広角+超広角+望遠のトリプル構成。画素数は、それぞれ5,000万画素、1,300万画素、3,200万画素となっている。

本体側面には、電源ボタンと音量ボタンのほかに、お馴染みの超音波タッチセンサー 「AirTrigger」 が搭載。ゲームをプレイするときに、LボタンやRボタンのように使うことができる。

今回の 「ROG Phone 9」 シリーズからは、AirTriggerをカメラのシャッターボタンとして使うこともできるように。初期設定ではオフになっているため、使いたい場合には設定アプリから機能を有効にしておこう。

端末下部には充電・通信用のUSB Type-CポートとSIMスロットに加えて、昨今廃止されがちな3.5mmイヤホンジャックが引き続き搭載。リズムゲームのプレイ時や動画視聴時などに音声遅延の少ない有線イヤホンを使える。

端末側面には、ROG Phoneシリーズでお馴染みの2つ目のUSB Type-Cポートが搭載。横向きにしてゲームをプレイしている最中に本体を充電しても充電ケーブルが邪魔になりにくく、快適にゲームをプレイし続けられる。ゲーミングスマートフォンならではの配慮と言えるだろう。

急速充電は最大65Wに対応。最大15WのQi規格のワイヤレス充電にも対応する。本体はIP65/68の防水・防塵に対応しており、雨の日やアウトドアでの使用も安心だ。

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最新SoC搭載、冷却性能も先代モデルより20%向上

ROG Phone 9 Proは、Qualcommの3nmプロセスで製造される最新SoC 「Snapdragon 8 Elite」 を搭載する。AnTuTuベンチマークやGeekbench 6などでベンチマークスコアを計測してみたところ、やはり現行最新のSoCということで、高いスコアが出ていることが確認できた。

「Armoury Crate」 ではシステム温度などチェックできる

ゲームを快適にプレイするには、本体の冷却性能も重要になる。ROG Phone 9 Proは最も熱を発するSoCを本体中央に配置し、その左右に1つずつ計2つのバッテリーを分散させて配置するデュアルセルシステムを採用したことで、通常よりも発熱を抑えている。

さらに、グラファイトシートの容量が先代モデル比で57%増加するなど冷却システムに改良を加えたことで、先代モデルよりも冷却性能が20%向上しているという。

そのほか、メモリ容量は16GB、ストレージ容量は512GB。ストレージ容量は普通に使う分には足りなくなることはほぼないと思われるが、microSDカードなどでの拡張ができないため、動画のような重めのファイルがある場合は適宜PCなどに退避するよう心がけたい。

実際にゲームをプレイしてみた

最新SoCと改良された冷却性能をチェックするため、筆者がハマっている『ゼンレスゾーンゼロ』をプレイしてみた。解像度はもちろん 「高」 の状態でプレイ。

戦闘時には、たくさんの敵を巻き込んで攻撃するなど大量のエフェクトが発生する場面では、ごくわずかにカクつくことがあったが、ゲーム体験に影響を及ぼすレベルではなかった。

『ゼンレスゾーンゼロ』をスマートフォンでプレイし続けていると、どのスマートフォンでも大体10分くらいで本体全体が熱くなってきてしまうのだが、ROG Phone 9 ProはSoCの配置の関係で本体中央は熱くなっても、左右の手の部分はほとんど熱くならず快適だ。

また、ROG Phoneシリーズはゲームプレイ中にシステムにのみ電力を供給する 「バイパス充電」 が利用できるのもポイント。バッテリーを充電しながらゲームをプレイすると発生した熱によってバッテリーが劣化しやすいことから、システムのみに給電することでバッテリーへの負荷を最小限に抑えることができる。

世界初の液冷システム内蔵ケース 「ROG Phone Chill Case」
ケースを本体に装着してみた様子

より冷却性能にこだわるなら、純正ケース 「ROG Phone Chill Case」 の使用もオススメだ。本ケースは世界初の液冷システム内蔵ケースとなっていて、ベイパーチャンバーの内蔵により、冷却性能を17%アップしてくれる。

背面の 「AnieMe Vision」 は見えなくなってしまうが、本体が熱くなりがちな夏場などには大活躍してくれそう。3,980円(税込)と手に取りやすい価格帯なのも嬉しいところだ。

ROG Phoneでゲームをプレイするなら、AirTriggerの設定を忘れずに。L・Rに特定の操作を当てがうことで、スマートフォン単体でもかなり快適にキャラクターを操作できるようになる。

たとえば『ゼンレスゾーンゼロ』では、回避ボタンやキャラクターチェンジボタンを当てがって見たところ、スムーズに操作できるようになった。他のゲームであれば、画面上で指が届きにくいボタンや頻繁に使うボタンを当てがうのがオススメだ。設定は画面左上からスワイプで起動できるアシストツール 「Game Genie」 から。

トリプルカメラ搭載、メインカメラは電子式&光学式手ブレ補正の両方に対応

ROG Phone 9 Proはゲーミングスマートフォンではあるが、カメラ性能も妥協しておらず、鮮やかな写真を撮影できる。

以下、筆者がアウトカメラで撮影した写真を紹介する。特にメインの広角カメラは電子式手ブレ補正と光学式手ブレ補正の両方を搭載するため、ピントが合ってくっきりとした写真を撮影しやすい。

また、桜の写真は日没直後の18時台と暗くなりかけている最中に撮影したものだが、明るく綺麗に撮影できている印象。色味も自然なので、撮影したら加工せずそのままSNSにアップしても映える写真になってくれそうだ。

シリーズ初のeSIMに対応、AI文字起こしなど便利な機能も盛りだくさん

ROG Phone 9シリーズは、2つの物理SIMに対応したSIMトレーを搭載しつつ、さらにシリーズ初のeSIMに対応。従来どおりの2つの物理SIMによるデュアルSIMだけでなく、eSIM+物理SIM (1枚) によるデュアルSIMも利用できるようになった。

eSIMも物理SIMもそれぞれ良い点・悪い点があり、状況によって使い分けたい人もいるとは思うので、eSIMに対応したことで多くの人に恩恵があるはずだ。

また、最近のスマートフォンらしく、豊富なAI機能も用意。サウンドレコーダーで聞き取った会議・講義の内容をリアルタイムで文字起こししてくれたり、通話内容を文字起こしして、翻訳までしてくれる機能も提供。

これらのAI機能はネットワークなしでオンデバイスで動作することから、日々の授業や会議、海外旅行でのコミュニケーションまでどんな状況でも便利に使うことができる。

まとめ

ROG Phone 9 Proは、最新のSnapdragon 8 Eliteを搭載し、優れた冷却性能と最大185Hz対応のディスプレイで、ハイエンドなゲーミング体験を提供する。AirTriggerや側面のUSB Type-Cポートにより、快適な操作性を追求した設計も魅力的だ。

カメラ性能についても、広角+超広角+望遠のトリプルレンズを搭載し、日常使いでも十分なクオリティを実現。光学式&電子式の手ブレ補正のおかげで、動きのあるシーンでもブレを抑えた撮影が可能だ。

また、シリーズ初のeSIM対応により、従来のデュアルSIM運用に加えて、より柔軟な回線管理が可能になった。ゲームだけでなく、AI文字起こしや通話のリアルタイム翻訳といった実用的な機能も充実しており、ゲーマー以外のユーザーにもメリットが多い。

日々のゲームプレイを快適にしつつ、日常使いも意識したスマートフォンが欲しい人は、ROG Phone 9 Proの購入を検討して見てはどうだろうか。

ROG Phone 9 Proは、国内ではKDDI専売になることが決定しており、全国のKDDI/沖縄セルラー直営店、au Style、au Online Shopで購入可能だ。希望小売価格は189,800円(税込)、発売は3月28日を予定している。

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