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楽天証券、電子マネー 「楽天キャッシュ」 の投信積立に対応。今夏には楽天Edyと楽天Payの相互交換が可能に

今月19日から楽天証券と楽天ペイメントは、楽天グループの電子マネー 「楽天キャッシュ」 で投資信託の積み立てができるサービスを開始した。同年8月購入分より、月5万円の積み立てが可能。電子マネーを使った投信積立は業界初の試みとなる。

「楽天キャッシュ」 と聞いてもイマイチどんなサービスなのか、ピンと来ない人も多いのではないだろうか。それは長くこの業界に携わるIT系の記者たちも同様なようで、今月16日に一部メディアの記者を対象とした勉強会が開催されたが、同イベントのQ&Aのセクションでも、特に「楽天キャッシュがなぜ必要なのか」 に腑に落ちない人も多かったようだ。かくいう筆者もその一人だった。

「楽天キャッシュ」 の歴史は意外と古く、サービス開始は2008年。Edyが楽天グループに加わる前よりも存在していた。かつての東京都民銀行が発行した電子マネーを、楽天のサービスで利用できるオンライン電子マネーとして楽天が提供を開始したもので、サービス開始当初から楽天市場でのお買い物のほか、電子メールで簡単に送ったり換金することも可能だった。

最近では 「楽天キャッシュ」 の利用可能範囲はオンライン上だけでなく、「楽天ペイ」 の決済用マネーとして利用されるようになっている。他社サービスで言えば、PayPayのPayPay残高と似た性質を持っていると考えれば分かりやすいのではないだろうか。

「楽天キャッシュ」 へのチャージは、楽天カードや楽天銀行から可能。そのほか、楽天のフリマサービス 「ラクマ」 の売上金からのチャージや楽天ウォレットで保有するビットコインなどの暗号資産からチャージすることも可能だ。

さらに、今年5月からは楽天ギフトカードがPOSAカードとして全国のコンビニ/スーパーなどで購入できるようになっているほか、2022年夏にはセブン銀行のATMから現金で 「楽天キャッシュ」 にチャージすることも可能になる予定だ。

楽天キャッシュを使って楽天ペイで支払うと、合計1.5%のポイントが付与されるのが魅力となる。楽天カードから直接支払うことも可能だが、その場合の還元率は1% 。楽天キャッシュにチャージしてから楽天ペイで支払うことで0.5%多く還元をもらえるのだ。同還元は2020年7月より開始されているが、この還元割合は他社を上回るとのことだ。

前述したとおり、「楽天キャッシュ」 は主に楽天経済圏におけるオンライン上での買い物や、「楽天ペイ」 の決済用マネーとして使用することが可能だが、今月19日からは新たに投信積立の買付費用として使用することが可能になっている。楽天カードの積立枠5万円と、楽天キャッシュの積立枠5万円を合わせた月10万円の積立てが、ポイント還元付きで利用できる。

ポイントの還元率は、楽天カードから楽天キャッシュへのチャージで0.5% 。さらに、2022年12月買付分までは投信積立の楽天キャッシュ利用額に対して0.5%分の楽天ポイントを進呈する。少なくとも2022年内は1%のポイント還元を受けることが可能だ。

また、投信積立への対応を記念したキャンペーンとして、積立約定(8月分)に楽天キャッシュを利用した方全員を対象とした総額100万円分の楽天キャッシュ山分けキャンペーンも実施される。

楽天証券はこれまでも楽天カードからの投信積立が利用できた。しかし、楽天カードからの積立はほとんどの投信銘柄において1%還元から0.2%還元に下げられてしまうことが決定している。その点、今回の楽天キャッシュの投信積立対応は、カード積立の改悪を回避するための “受け皿” として期待できる。前述したように、少なくとも当面は最大1%の還元を受けることが可能だ。

毎月の投信積立で便利なのが、残高のオートチャージ機能。この機能は、投信積立の際に楽天キャッシュの残高が不足しないよう、自動で任意の金額にチャージしてくれるというもの。チャージのし忘れで買付けをミスることを防ぐことが可能だ。

また、普段のお買い物にも同機能は有効だ。残高の判定は1時間に1回行われる仕組み。たとえば1万円以上に残高をキープするように設定すると、最低でも1時間後には自動で不足分がチャージされる。

なお、今回の勉強会では2022年夏に楽天キャッシュと楽天Edyの相互交換に対応する予定であることが明らかにされている。

全体の仕組みとしてはやや複雑に感じてしまう楽天の決済回りだが、深くサービスを知ると他社よりもお得であることも事実。少なくとも楽天経済圏にいるユーザーにとっては多少なりとも親しみのあるサービスがいくつかあるだろうし、試しに今回の新サービスを利用してみてはどうだろうか。

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(画像提供:楽天ペイメント)

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