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NVIDIA『RTX Spark』を発表。AIエージェント時代を見据えた次世代PCプラットフォーム、Windows向けSoC市場への参入は約13年ぶり

米NVIDIAは、台北で開催中の「COMPUTEX Taipei 2026」において、AIエージェントの実行に特化した次世代PCプラットフォーム「RTX Spark」を発表した。

「RTX Spark」は、ノートPC、デスクトップPC、ワークステーション向けに展開される新しいプラットフォームだ。

対応メーカーには、ASUS、Acer、Dell Technologies、GIGABYTE、HP、Lenovo、Microsoft、MSIが名を連ねており、各社が「RTX Spark」搭載製品を投入する予定となっている。

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NVIDIAにとって13年ぶりとなるWindows向けSoC。AI特化の新たなPC向けプラットフォーム「RTX Spark」とは

RTX Sparkを搭載するPCを手に登壇

プラットフォームの核となるのは、MediaTekと共同開発した新プロセッサ「N1X」だ。GPUにはBlackwellアーキテクチャベースのRTX GPUを採用し、6,144基のCUDAコアを搭載。AI性能は最大1PFLOPS(1ペタフロップス)に達する。

CPUは20コア構成で、128GBのユニファイドメモリを備える。製造はTSMCの3nmプロセスで行われ、トランジスタ数は700億個に達する。

Microsoftとの協業により、AIエージェントの活用を前提としたWindowsプラットフォームとして開発されている点も特徴のひとつ。NVIDIAによれば、基盤となるシステムはすでに量産段階に入っており、各PCメーカーが対応製品の準備を進めているという。

「RTX Spark」は、NVIDIAが33年かけて構築してきたCUDAやTensorRTなどの開発基盤を利用できるため、科学技術計算やグラフィックス処理、生成AIの実行環境もそのまま継承・使用することが可能だ。

「RTX Spark」が開発された背景には、AIの使われ方の変化がある。これまでのPCは、人がアプリケーションを起動し、キーボードやマウスで操作することを前提としてきた。

一方、今後はユーザーの指示を理解し、自ら考えながら作業を進めるAIエージェントがPC上で常時動作することが想定されている。

クラウド上の大規模AIモデルやローカル環境のAIを組み合わせながら、ユーザーに代わって業務や創作活動を進める新しい利用形態に対応するため、「RTX Spark」は設計されたという。登壇したNVIDIAのCEOジェンスン・フアン氏は、AIエージェント時代に向けてPCを根本から見直した新しいプラットフォームだと説明し、「パーソナルコンピューティング革命の幕開けになる」と語った。

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1200億パラメータ級LLMのローカル実行を想定、ゲームから生成AIまで幅広い用途に対応

「RTX Spark」は、AIエージェントがPC内のアプリケーションやツールを自ら操作し、複数の工程にまたがる作業を進められる。

基調講演におけるデモでは、建築設計のワークフローが紹介された。ユーザーがラフスケッチやイメージボードを提示すると、AIエージェントが設計ソフト「Rhino」を起動し、地形データの作成や建物形状の検討、室内レイアウトの作成を進める。作業中に見つけた問題点は自ら修正し、完成した3Dデータを「Blender」に出力。さらに生成AIモデル「Flux 2」を活用して完成イメージを作成する様子が披露された。

新たなプラットフォームとなると、ソフトウェア側の対応が必要になるが、基調講演ではAdobeの「RTX Spark」への対応が詳細された。具体的には「Adobe Photoshop」や「Premiere Pro」がRTX Spark向けに再設計され、さらに従来比で約2倍の高速化を実現したという。さらに、AIエージェントが外部から機能を利用できる「MCPサーバー」機能も搭載される予定だ。

家庭向けの活用例としては、24時間稼働するパーソナルAIも紹介された。旅行予約などの日常的な業務を代行するほか、防犯カメラや給湯器、乾燥機といったスマートホーム機器をまとめて管理する用途も想定している。

企業向けでは、EDA大手Cadenceと共同開発した「チップ設計スーパーエージェント」を披露した。設計データを解析しながらシミュレーションを実行し、不具合の発見や修正を行うもので、従来は数週間かかっていた検証作業を数時間まで短縮できるとしている。

セキュリティについては、「Open Shell」と呼ばれるサンドボックス環境を採用した。AIエージェントはこの保護領域内で動作し、個人情報や企業の機密データを扱う際の安全性を確保する。

フアン氏は講演のなかで、「RTX Spark」を起点として各社のデスクトップPC、ノートPC、ワークステーションを順次刷新していく方針を明らかにした。AIエージェントが常時動作する時代に向けて、PCのあり方そのものが大きく変わろうとしている。