
NVIDIAが提供するクラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」が、Amazon Fire TVおよびLinux向けのネイティブアプリに対応した。サービス開始から6年を迎える中で対応デバイスはさらに広がり、リビングのテレビからカスタマイズ性の高いLinux環境まで、利用シーンの幅が一気に拡張されたかたちだ。
今回は、Fire TVとLinuxそれぞれの環境で、実際にゲームをプレイしてみた。導入の手軽さはそのままに、利用できる環境の幅が広がり、GeForce NOWがより身近なサービスになったことが感じられた。
(提供:NVIDIA)
リビングのテレビでPCゲームが動く、Fire TV対応の実力


GeForce NOWがFire TVに対応したことによるメリットは、とにかく導入が手軽なことだ。対応するFire TVデバイスにアプリをインストールし、コントローラーを接続するだけで、普段使っているテレビでそのままゲームをプレイできる。
今回はFire TV Stick 4K MaxのGeForce NOWアプリで『Microsoft Flight Simulator 2024』をプレイしてみた。

実際に試した範囲では、操作感は想像以上に安定している。ネットワーク環境に左右される部分はあるものの、1080p/60fpsのストリーミングはカジュアルに遊ぶには十分なクオリティだ。遅延を意識する場面はほとんどなく、コンソール機とほぼ同じ感覚でプレイできる。
家族や友人と同じ画面を囲んでプレイできるのも魅力だ。PCゲームはどうしても個人のデスク環境に閉じがちだが、Fire TVを使えばリビングの娯楽として成立する。年末年始やGWなどの大型連休に家族や親戚と集まってパーティーゲーム、というシチュエーションも盛り上がりそうだ。
Linuxネイティブ対応で見えてきた “本気のクラウドゲーミング”

Linux向けネイティブアプリは、多くのユーザーから長く待たれていた対応で、ブラウザ経由ではなく専用アプリとして動作することで、パフォーマンス面の制約が大きく減っている。
インストールは簡単で、GeForce NOWの公式サイトからセットアップファイルをダウンロードし、右クリック→プロパティから「プログラムとして実行可能」にチェックを入れてダブルクリックで実行するだけ。
インストールするにはFlatpakを有効化する必要があるため、有効化していることを確認してからインストールを実行していただきたい。
インストールが完了してアプリを起動できたら、あとは他のデバイスと同様にログインをして遊びたいゲームを選択すればOKだ。

クラウド側ではGeForce RTX 5080相当の性能が使われており、設定次第では5K/120fpsや1080p/360fpsといった高フレームレートでのプレイも可能だ。実際に動かしてみると、描画の安定感やレスポンスの良さはブラウザ版とは別物で、ローカルGPUに依存しないメリットがはっきりと体感できる。
レイトレーシングやDLSSといった高度な描画技術もクラウド側で処理されるため、ローカル環境のスペックを問わない点も大きい。Linuxユーザーにとっては、これまでWindows環境に頼らざるを得なかったゲーム体験を、そのまま自分の環境でプレイできるのが魅力だろう。
なお、現時点ではベータ版という位置付けで、Ubuntu 24.04以降が推奨されている。NVIDIA GPUを搭載した環境ではYUV 4:4:4のクロマサブサンプリングにも対応し、画質面でも一歩踏み込んだ調整ができる。
プラットフォームを横断するライブラリとシームレスな体験

GeForce NOWがFire TVとLinuxという新たな2つの環境に対応したことで、場所やデバイスに縛られないプレイスタイルは、より現実的なものになった。
また、GeForce NOWはSteamやEpic Games Store、Xbox Game Pass Ultimate/PC Game Passと連携し、ユーザーがすでに所有している一部タイトルをそのままプレイできる。たとえば『Microsoft Flight Simulator 2024』『Forza Horizon 5』『Halo: The Master Chief Collection』は、いずれも筆者が所有しているタイトルをストリーミングしたものだ。
セーブデータはクラウド上で管理されるため、Linuxで遊んでいた続きをそのままFire TVで再開するといった使い方もスムーズに行える。

無料タイトルも充実しており、『原神』や『ゼンレスゾーンゼロ』といった人気作もダウンロードなしですぐに起動できる。ストレージ容量を気にせず遊べる点も、クラウドならではのメリットだ。
リビングのテレビで気軽に遊ぶことも、Linux環境でパフォーマンスを追求することも、同じサービス上でシームレスにつながる。今回の対応拡張によって、GeForce NOWは “どの画面でも同じゲーム体験にアクセスできる基盤” として、さらに完成度を高めたと言えるだろう。




