当メディアはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

「お前、もしかしてロケット団?」先行試遊レポ。「誰が味方?」を読み合うポケモン×正体隠匿、その面白さを2つの視点から体験

誰が味方で、誰が敵なのかーー。会話やポケモンバトルを手がかりに、プレイヤー同士が相手の正体を探り合う、ポケモンを題材にした正体隠匿系ボードゲーム「お前、もしかしてロケット団?」が11月12日に発売する。

本作では、プレイヤーに「ジムリーダー」「ジムトレーナー」「挑戦者」「ロケット団員」のいずれかの役割が与えられ、ジムリーダー以外は自分の正体を隠したまま、ポケモンのわざやどうぐ、イベントカードなどを使ってゲームを進めていき、各々の勝利条件を達成するのが目的だ。

本作の発売に先立ち、メディア向けの先行体験会が実施。弊誌からは筆者と編集長の2名が参加し、合計5人で「基本ルール」を1試合プレイすることができた。

今回、筆者は「ジムトレーナー」、編集長は「ロケット団員」として参加。ジムトレーナーはジムリーダーを守りながら自分も正体を悟られないように立ち回り、ロケット団員は正体を隠しながらジムリーダーを狙う。

同じテーブルで起きていた出来事でも、役割が違えば見え方はまったく違う。同じ1試合を2つの視点で振り返りながら、このゲームの面白さについて紹介したい。

スポンサーリンク

「お前、もしかしてロケット団?」の4つの役割と、それぞれの勝利条件とは

そもそも「お前、もしかしてロケット団?」がどんなゲームなのかというと、「人狼」のような正体隠匿ゲームに、ポケモンバトルを組み合わせた対戦ゲーム、と表現するとイメージしやすいかもしれない。

プレイヤーは「ジムリーダー」「ジムトレーナー」「挑戦者」「ロケット団員」のいずれかの役割を担当し、自分の正体を隠しながら、それぞれに設定された勝利条件の達成を目指す。

舞台となるのは、とある街のポケモンジム。新たなジムリーダーがやってくるタイミングを狙って、ロケット団がジムの乗っ取りを計画している。

ジムリーダーとジムトレーナーはジムを守る側、挑戦者はジムリーダーを倒して自分の実力を証明したい側、そしてロケット団員はジムの乗っ取りを狙う側だ。ただし、ジムリーダー以外のプレイヤーは基本的に自分の役割を明かさない。そのため、ほかのプレイヤーの行動を見ながら、「この人は味方なのか、それとも敵なのか」を推測していくことになる。

それぞれの勝利条件は次のとおりだ。

  • ジムリーダー・ジムトレーナー:すべての挑戦者とロケット団員を退場させる
  • 挑戦者:ジムリーダーを退場させる
  • ロケット団員:ジムリーダー以外のトレーナーを退場させ、最後にジムリーダーを退場させる

たとえば挑戦者はジムリーダーを倒したい一方で、ジムトレーナーはジムリーダーを守らなければならない。ロケット団員も最終的にはジムリーダーを倒す必要があるが、その前にジムリーダー以外のトレーナーを退場させる必要がある。

誰がどの役割なのか分からないため、単純に相手を攻撃していけばいいわけではない。味方だと思って助けたプレイヤーが敵かもしれないし、敵だと思って攻撃したプレイヤーが同じ勢力だったということも起こり得る。

さらに、このゲームでは正体を見抜くだけでは勝負は決まらない。各プレイヤーには相棒となるポケモンが与えられ、カードを使ってわざを繰り出したり、相手の攻撃を回避したりしながら、実際にポケモンバトルを繰り広げる。

つまり、「誰が敵なのかを見抜く正体隠匿」と「ポケモンバトルの駆け引き」を同時に楽しむゲームというわけだ。相手の役割が分かっていてもバトルで負ければ退場するし、逆に相手の正体が分からなくても、誰を攻撃するのか、誰を助けるのかを判断しなければならない。

プレイ人数によって役割の人数は変わる。今回は5人でプレイしたため、挑戦者が2人、ジムリーダー、ジムトレーナー、ロケット団員が1人ずつという構成だった。

ゲームを始める前に、まずは役割カードを1枚ずつ引いて、自分の役割を確認する。ジムリーダーだけは役割カードをオモテにして、自分がジムリーダーであることを全員に宣言する。それ以外のプレイヤーは役割カードをウラ向きにして置き、ゲーム中も基本的には正体を明かさないのが基本的なルールだ。

ちなみに、ゲームの進行の中で、役割カードをウラにしたままで、自分の役割をカミングアウトすることもできる。もちろん、このルールを逆手に取り役割を騙ることも可能で、挑戦者やロケット団員が「自分はジムトレーナーです」とジムリーダーにアピールするのもOKだ。ただし、役割カードをオモテにできるのはそのプレイヤーが退場したときのみなので、カミングアウトの内容が正しかったのかどうかはそのタイミングで判明することになる。

続いて、ポケモンカードをジムリーダーから反時計回りに2枚ずつ引く。基本ルールでは、引いた2枚のうち1枚を相棒ポケモンとしてバトルエリアに残し、もう1枚を戻す。使わないポケモンカードは脇に寄せておく。

基本ルールではポケモンはレベル3からスタートするため、たとえばヒトカゲを引いた場合は、レベル3にあたるリザードンの面をオモテにして配置する。

その後、イベントカードやもちもの、どうぐなどのプレイカードをジムリーダーから反時計回りに4枚ずつ引いていき、残ったカードは山札として場の中央に置く。準備が終わったら、ジムリーダーから反時計回りにゲームを進めていく。

自分のターンが来たら、まず自分のバトルエリアにいるポケモンの「特性」を確認する。使える特性があれば、このタイミングで使用する。

次に山札からカードを2枚引き、手札に加える。そこから手札が4枚以下になるようにプレイカードを使っていく。プレイカードは手札にある限り、条件を満たしていれば何枚でも使用できるため、どのカードを使い、どれを温存するのかが重要になる。

カードの種類によって使い方も異なる。イベントカードやどうぐは、使い終わったらトラッシュする。もちものはバトルエリアのポケモンの横に置いて装備させる。ただし、1匹のポケモンが持てるもちものは1つまでだ。

そして、他のプレイヤーを攻撃するときに使うのが「くらえ!」カードだ。攻撃アイコンが付いているわざは、「くらえ!」カードを出すことで使用できる。使いたいわざを宣言し、攻撃する相手を選ぶ。

攻撃されたプレイヤーは、「よけて!」カードを1枚出すことで攻撃を回避できる。持っていなければ攻撃をそのまま受け、わざに書かれたダメージに応じて、バトルポケモンの上にダメージマーカーを置く。「こんらん」などの追加効果がある場合は、その効果を示すマーカーも一緒に置く。

一方、攻撃アイコンが付いていないわざは、「おてんきマーク」を使って発動する。わざの名前の横に描かれているおてんきマークと同じマークのカードを手札から出すことで、そのわざを使用できる。おてんきマークはカードの左上に描かれている。

また、ポケモンのわざやイベントカードには、「おてんきチェックをする」と書かれているものもある。この場合は山札からカードを1枚引き、そのカードのおてんきマークを確認する。たとえば条件が「晴れ」なら、引いたカードに晴れのマークがあれば効果が発動する。

こうしてターンを繰り返し、お互いにポケモンのHPを削っていくのだが、自分のポケモンのHPが0になった場合も、すぐに退場するわけではない。まず、自分から反時計回りに、ほかのプレイヤーが「キズぐすり」を使って助けてくれないかを確認する。

誰にも「キズぐすり」を使ってもらえなければ、ポケモンは「ひんし」となり、基本ルールではそのプレイヤー自身がゲームから退場する。退場するときには、自分の役割カードをオモテにして、役割を公開する。

さらに、退場したプレイヤーに最後のダメージを与えたプレイヤーには、ボーナスとして山札からカードを1枚引ける。

こうしてプレイヤーが少しずつ退場していくなか、誰が味方で誰が敵なのかを見極めながら、攻撃する相手や助ける相手を決めていく。そして最後に、それぞれの役割に設定された勝利条件を満たしたプレイヤー、または勢力が勝利する。

ポケモンのカードゲームでありながら、相手の正体を探る心理戦もあり、さらに手札やポケモンの状態を見ながら戦況を変えていく必要がある。ルールを理解すると、「あの人はなぜ今、自分を攻撃したのか」「なぜあの人を助けたのか」といった行動のひとつひとつが、ゲームの駆け引きとして見えてくる。

最初は難しく感じるかもしれないが、それぞれの役割がやらなければいけない行動は明確であるため、何度かプレイしていくうちに自分の立ち回りの仕方や、ほかのプレイヤーがどの役割なのか、なんとなく見えてくるはずだ。

スポンサーリンク

ジムトレーナー目線:高い攻撃力を活かせずヤキモキ、最終的にロケット団員と勘違いされる

まずは、筆者が担当した「ジムトレーナー」の視点から見ていこう。

ジムトレーナーの勝利条件は、ジムリーダーと同じく、すべての挑戦者とロケット団員を退場させること。ただし、ジムリーダー以外のプレイヤーには役割が公開されていないため、味方であるジムリーダーを守ろうとすればするほど自分の正体を見破られる可能性が高くなる、そんな役割だ。

相棒ポケモンはカイリキー。攻撃力は3と高く、さらに攻撃した相手を必ず「こんらん(次のターンに必ず1ダメージ受け、そのターンは攻撃できない)」状態にできる。そこで「プラスパワー」や「いのちのたま」といったどうぐを組み合わせ、1ターンで最大5~6ダメージを狙える状態を作った。うまく攻撃できれば、相手のポケモンを一気に追い込める強力な構成だ。

ところが、このカイリキーの攻撃力が、思わぬ形で筆者を苦しめることになった。周囲から警戒され、「ねむり」状態にされるなどして、なかなか攻撃のチャンスが巡ってこない。さらに、他のプレイヤーから「カモネギのいたずら」カードを出されてもちものを破棄されてしまい、せっかく整えた高火力を十分に生かせないままゲームが進んでいく。

役割バレを防ぐために「あえてジムリーダーを助けない」という行動に

思い通りに攻撃できないなら、せめてジムリーダーのサポートをしたい。しかし、あまりにも露骨にジムリーダーを助けると、他のプレイヤーたちに怪しまれてしまう。味方を守りたいのに、味方を守ることが自分の首を絞めるという、正体隠匿ゲームならではのジレンマを感じ、モヤモヤしながらターンを進めていた筆者。

そのとき、ジムリーダーに味方アピールができそうなタイミングが訪れる。イベントカード「ファイヤーの試練」を他のプレイヤーから出されたときだ。同カードでは、各プレイヤーが手札から「くらえ!」カードを場に出せなければ、ダメージを受けることになる。

このとき、ジムリーダーは手札に「くらえ!」カードがなく、ダメージを受けそうな状況に陥っていた。一方、筆者の手札には、特定のプレイヤー1人に対してイベントカードの効果を無効にできる「フリーザーの守り」カードがあった。

ただ、ここでジムリーダーに「フリーザーの守り」を使えば、自分がジムリーダーの味方であることが露見する可能性がある。そうなれば、今度は挑戦者2人やロケット団員から一斉に狙われるかもしれない。

幸いにして、ジムリーダーのポケモンであるゴルダックはまだ体力が残っている。歯痒さを感じながらも、ここはあえて何もしないことにした。ジムを守るなら助けるべき場面だが、正体を隠すためには、味方を助けることと自分が敵だと思われないことの両方を考える必要がある。今回は、正体を隠し通すことを優先した。

その後、「きのみ大豊作」カードが手札に入ってくる。このイベントカードは、山札からカードをオモテにした状態で残っているプレイヤーの人数分引き、出したプレイヤーから反時計回りに好きなカードを選んでいくというものだ。

この場面で、筆者、ジムリーダー、ロケット団員という順番でカードを選べる状況になった。ここで自分が一番良いカードを取るのではなく、あえてそのカード以外を選択。そして、一番良い(と思われる)カードをジムリーダーに取らせることができた。

「ジムリーダーを助けています」と分かるような露骨な行動ではなく、あくまで自然に見える形で味方を支援する。こうして筆者は、周囲から怪しまれない範囲で小さなアシストを積み重ねていた。

しかし、ゲーム終盤にそれまでの行動が思わぬ形で疑いにつながってしまう。

「私はジムトレーナーです!」それでも疑いは晴れない

挑戦者2人が退場し、残ったのはジムリーダー、ジムトレーナー、ロケット団員の3人。ところが、先に退場した挑戦者2人の会話を聞いていると、どうやら筆者のことをロケット団員だと思っていたらしい。もしかすると、ジムリーダーも同じように、自分をロケット団員だと疑っている可能性がある……というか、場の空気からそうとしか思えなかった(笑)

そこで、ジムリーダーに筆者が味方であることを説明するため、役割をカミングアウトすることに。「みなさん勘違いしていますけど、私はジムトレーナーです!今までの私の行動を思い出してください。ジムリーダーに不利なことは一度もしていないですよね!?」と訴えかける。ジムリーダーも「そっか……!その可能性もあるのかッ……!」と、一度考え直してくれたようだった。

カミングアウト成功か……?と思いきや、しかし、ここでジムリーダーは場の状況だけでなく、手札やゴルダックの残りHP、そして筆者のカイリキーの攻撃力まで冷静に確認。そして、「もしあなたがロケット団員だった場合、そのカイリキーの攻撃力が恐ろしすぎる。リスクを考えて攻撃させてもらいます」と言われてしまった。

味方かもしれないが、もしロケット団員だった場合、強力なカイリキーを残しておくのは危険ーー。そう考えると、今のうちに倒しておくという判断には十分な理由がある。ジムリーダーからすれば、極めて合理的な選択だった。

こうして、筆者は味方であるはずのジムリーダーから攻撃を受け、退場することになった。役割カードを公開すると、そこに書かれていたのは、もちろん「ジムトレーナー」。

その瞬間、すでに退場していた挑戦者たちから「えーーッ!?」と驚きの声が上がった。最後までロケット団員だと疑われていた筆者が、本当はジムを守る側だったのだ。しかも本人はゲーム中ずっとジムリーダーを助けようとしていた。それでも、強力なカイリキーを持っていたことや、正体を悟られないためにあえて助けなかった場面が、結果的に疑いを深めることになった。

味方なのに、味方らしく振る舞うことができない。ここに、このゲームにおける正体隠匿とポケモンバトルが組み合わさった面白さが表れている。

ちなみに、ロケット団員であることを最後までまんまと隠し通したのは、隣に座っていた弊誌の編集長。筆者がカミングアウトしたときには、「おお〜、騙ってますねぇ」「ジムリーダー、こんな嘘つきやっちゃってくださいよ!」とジムトレーナー風に発言する場面も。この手のゲームになると、いつもズル賢い奴だ……(笑)

ロケット団員目線:攻撃しないことも作戦。反撃を利用して正体を隠す

続いて、同じ試合を弊誌の編集長が担当した「ロケット団員」の視点から見ていこう。

相棒ポケモンはウインディ。2匹を同時に攻撃できるほか、おてんきチェックに成功すると、追加で相手のポケモンを「やけど(わざで与えるダメージが必ず1ダメージになる)」状態にできる。また、手札を他のプレイヤーに渡せるサポート能力も持っている。

ロケット団員の勝利条件は、「ジムリーダー以外のトレーナーを退場させ、最後にジムリーダーを退場させる」こと。

つまり、ジムリーダーから信頼を得て味方として振る舞いながら、最終的にはそのジムリーダー自身を倒すことまで考えてプレイする必要がある。味方のように振る舞うだけでも、積極的に攻撃するだけでも勝利には届かないため、4つの役割のなかで特に難易度の高い役割と言えるかもしれない。

この回では、1ターン目の時点ですでに「くらえ!」カードを持っていたことから、さっそく他のプレイヤーを攻撃できる状況だった。しかし、いきなり攻撃を仕掛ければ、正体を疑われる可能性がある。

そこで、このターンはあえて攻撃せず、どうぐ「どくバリ」をウインディに装備するだけに留めた。「どくバリ」を付けておけば、攻撃してきた相手を「どく(毎ターン1ダメージ受ける)」状態にできる。さらに、どく状態になりたくないプレイヤーからの攻撃を牽制することもできると踏んだ。

そして「誰から攻撃されるか分からないので、防衛のため」という立場を取り、あくまで自分の身を守るための行動として周囲にアピールする。潜伏人狼のように正体を隠しながら立ち回るには、かなり相性のいいカードの組み合わせだったと思う。

攻撃されたら「反撃しただけ」に見せる

しかし、勘の良いプレイヤーがいたことで、誰からも攻撃されなかったことを怪しまれ、攻撃を受ける場面が訪れる。さらに他のプレイヤーがジムリーダーに攻撃を仕掛け、ジムリーダーが「よけて!」カードで回避するという場面があった。

この時点で、ロケット団員の目線からは、その2人が挑戦者であることがなんとなく見えてきた。攻撃を仕掛けるには、うってつけのタイミングだった。

そこで次のターンでは、その2人を攻撃することに。ウインディのわざは2匹のポケモンを同時に攻撃できる。ロケット団員にとって、相手を減らすことがそのまま勝利条件につながるため、相性の良いわざだ。

ただ、ここで重要なのは「攻撃した」という事実だけではない。攻撃されたから反撃した、という形に見せられるからだ。最初は誰が敵なのか分からなかったものの、自分を攻撃してきた相手を敵と判断して反撃した、という道筋を立てられる。

さらに、ジムリーダーに攻撃したプレイヤーにも同時に攻撃することで、ジムリーダーを守ろうとしたのか、単に攻撃された相手に反撃しただけなのか、その意図も曖昧にできる。ロケット団員であることを悟られずに相手を減らしながら、自分がジム側であるようにも振る舞えるわけだ。

結果として、この攻撃は正体を隠したまま戦うための格好の一手になった。

挑戦者2人が脱落。残った3人による最後の読み合いへ

ゲームが進み、挑戦者2人が脱落すると、場に残ったのはジムリーダー、ジムトレーナー、ロケット団員の3人に。

ロケット団員としては、ジムトレーナーを退場させて、ジムリーダーとの一騎打ちに持ち込みたい。一方のジムトレーナーも、自分が味方であることを示しながらジムリーダーを守らなければならない。そこでロケット団員は、それまでと同じように「自分こそジムを守る側だ」という立場を崩さず、ジムリーダーの判断を迷わせる。

これまでの展開から、本物のジムトレーナーよりも、ロケット団員の方がジムトレーナーだと場の全員には思われている。さらに信頼を勝ち取るために「ジムリーダー、このカード使ってください」とウインディの能力でどうぐカードも進呈しておいた。前のターンに「キズぐすり」カードでジムリーダーのゴルダックを回復してあげていたこともあり、「え、いいの?ありがとう〜!さっきから気分いいなぁ!」とニッコニコのジムリーダー。ヨシッ、盤面は整った。

そしてこのターンの後、ジムリーダーにジムトレーナーを倒させることに成功。狙い通り、ロケット団員とジムリーダーの一騎打ちに持ち込むことができた。

しかし、ここで最大の誤算が生まれる。ゴルダックの攻撃で「こんらん」状態になり、その後は思うように攻撃できなくなってしまった。さらにジムリーダーからの攻撃も重なり、ロケット団員はアッサリと退場となった。

正体を隠すことにはかなり成功したものの、最後の一騎打ちを制するところまでは届かなかった。ロケット団員にとっては、相手を欺きながら終盤まで生き残ることができた一方、最後に必要だった攻撃の機会を「こんらん」によって奪われる結果となった。

同じ場にいても、見えていたものはまったく違った

今回のプレイで面白かったのは、参加者のほとんどが同じ1試合を、それぞれまったく異なる立場から見ていたことだ。

たとえば、ロケット団員が取った「攻撃されたから反撃した」という行動は、結果的に正体を隠すためのブラフになった。一方で、同じ状況になったからといって、次のプレイでも同じ行動が正解になるとは限らない。

ジムトレーナーがジムリーダーをサポートするために行った「きのみ大豊作」でのアシストも、そのときの状況や相手の受け取り方によっては、味方を助けようとしていることが伝わるかもしれないし、逆に怪しい行動として受け取られる可能性もある。

つまり、同じ行動でも、プレイヤーの立場やそのときの状況によって意味が変わってくる。

「なぜ今、攻撃したのか」「なぜここでは攻撃しなかったのか」「なぜこのカードを使ったのか」といったひとつひとつの行動が、相手の正体を考える材料になる。会話の内容だけから「誰がロケット団なのか」を推理するのではなく、ゲーム中に取った行動を振り返りながら、相手が何を考えているのかを読み取っていくわけだ。

ただ、相手の考えをどれだけ読んでいても、すべてが予想どおりに進むわけではない。ジムトレーナーは、ジムリーダーを陰から支えていたにもかかわらず、最後はそのジムリーダー自身から攻撃されることになった。ロケット団員は終盤まで正体を隠しながらジムトレーナーを退場させることに成功したものの、「こんらん」状態などが影響し、最後はジムリーダーに敗れた。

こうした予想外の展開を生むのが、カードを引くときの運や「おてんきチェック」の結果、イベントカードなどの要素だ。相手の行動を読んでいても、手札やカードの効果によって状況が変わるため、自分の考えどおりに試合を進めることは基本的にはできない。そのため、最後までどうなるか分からない面白さがある。

そして、それぞれの役割が明らかになったとき、プレイ中には分からなかった行動の意味が一気につながっていく。「あのとき、なぜあの行動をしたのか」と振り返ってみると、疑っていた行動が実は味方を守るためのものだったり、何気なく見ていた行動が正体を隠すためのものだったりする。今回も、それぞれの視点から1試合を振り返ることで、同じゲームの中でまったく違う考え方や動きが生まれていたことが分かった。

「お前、もしかしてロケット団?」は、ポケモンと正体隠匿系ゲームを組み合わせたボードゲームだ。実際に遊んでみると、単純に「ポケモンの人狼ゲーム」と表現するだけではかなりもったいない。

ポケモンのわざや特性、もちもの、イベントカードがあることで、相手の行動を疑いながら、自分の正体を隠して動くという読み合いが生まれている。これまでのポケモンの世界観の中ではあまり味わえなかった「相手を疑う」「疑われないように振る舞う」といったやり取りをしながら、ポケモンバトルを楽しめるのが本作の面白さだからだ。

役割を変えたり、参加するメンバーを変えたりすれば、同じゲームでも見えてくるものは変わってくるだろう。そうした違いを試しながら何度も遊ぶことで、新たな発見もありそうだ。1回遊んで終わりではなく、参加するメンバーや役割によって違った展開を楽しめるゲームだと思う。

また、今回体験したのは、相棒ポケモン1匹を最初からLv.3で使う「基本ルール」だが、より戦略性を高めた「玄人ルール」も用意されている。こちらではポケモン2匹を使い、Lv.1からスタート。バトルエリアでターンを終えることでレベルが上がるほか、「ふしぎなアメ」で一気にレベルアップさせたり、ポケモンを交代させたりする要素も加わる。

まずは基本ルールでゲームの流れや相手の考えを読むことに慣れ、ルールを理解したところで玄人ルールに進んでみるのもよさそうだ。ポケモンの育成や交代まで考えながら戦うことになるため、基本ルールとはまた違った、より深い読み合いを楽しめるだろう。

「お前、もしかしてロケット団?」は2026年11月12日発売。価格は2,200円(税込)、プレイ人数は4〜6人、対象年齢は10才以上。ポケモン好きはもちろん、正体隠匿系ゲームが好きな人にも、まずは基本ルールから遊んでみてほしい一作だ。

(画像提供:株式会社ポケモン)

ちなみに、本作の発売に合わせて、本作を含む「ポケモンボドゲくらぶ」の対象商品を1個購入するごとに、特典としてボードゲームの箱のフタを固定する特製ゴムバンドがもらえる「ポケモンボドゲくらぶ 冬のマストバイキャンペーン」が実施される。ボードゲームが好きな人はこの機会をお見逃しなく。

©Pokémon/Nintendo/Creatures/GAME FREAK
©YOKAGAMES
※画像は開発中のものです。