NVIDIA「GeForce RTX 5050」発表。待望のエントリーGPUがBlackwell世代で復活

NVIDIAは6月24日、最新アーキテクチャ「Blackwell」を採用したエントリー向けGPU「GeForce RTX 5050」を正式発表した。デスクトップ版は7月下旬に発売予定で、国内価格は税込4万4,800円から。米国では249ドルに設定されている。

これまでGeForce RTX 50シリーズは、上位のRTX 5090からミドルレンジのRTX 5060までがすでに登場済みだったが、RTX 5050でようやくエントリー層向けラインナップが出揃うかたちとなった。RTX 40シリーズでは、デスクトップ向けにRTX 4050が投入されなかったため、「x50」番台の新作は実に「RTX 3050」以来、約2年半ぶりとなる。

スポンサーリンク

Blackwellアーキテクチャ採用、DLSS 4でフレーム生成もサポート

RTX 5050の最大の特徴は、最新世代Blackwellアーキテクチャの恩恵を受けつつも、手頃な価格帯を維持した点だ。CUDAコア数は2,560基で、ベースクロックは2.31GHz、ブーストクロックは2.57GHzに達する。プロセスルールの進化とアーキテクチャの刷新により、同じCUDA数ながら前世代のRTX 3050に比べて大幅な性能向上が見込まれる。

メモリは上位モデルのGDDR7に対して、デスクトップ版5050はGDDR6(8GB、128bitバス、帯域幅320GB/s)を採用。メモリ帯域やレイテンシは最新世代に及ばないものの、NVIDIAによればDLSS 4のマルチフレーム生成により、対応タイトルではフレームレートの大幅向上が可能としている。特に『Cyberpunk 2077』や『Avowed』といった重量級タイトルでのパフォーマンス改善が強調されている。

消費電力は130Wで、補助電源は8ピン×1。PCIe 5.0 x8インターフェースに対応するが、既存のPCIe 4.0環境でも互換性は維持される。

映像出力周りも強化されており、DisplayPort 2.1bおよびHDMI 2.1bにより、最大4K/480Hzや8K/120Hz出力が可能。第9世代NVIDIAエンコーダーも搭載し、ゲーム配信やコンテンツ制作用途にも幅広く対応できる仕様となっている。

スポンサーリンク

ノート向けはGDDR7搭載、TDP最大100Wで登場

デスクトップ版とは対照的に、ノートPC向けのRTX 5050はGDDR7メモリ(8GB)を搭載し、TDPは35W~100Wに設定されている。薄型筐体への搭載を想定した設計で、排熱性能と消費電力効率のバランスを優先している点が特徴だ。

ノート版5050を搭載したPCは一部モデルがすでに販売開始されており、価格は999ドルから。NVIDIAのGame Ready Driverによる最適化は7月上旬に実施予定で、それ以前に出荷されるモデルには専用ドライバがプリインストールされる。

今回のRTX 5050登場により、RTX 40シリーズで生じていた「エントリークラス不在」の空白がついに解消されるかたちに。RTX 3050はSteamユーザー調査において、長らく最も普及しているx50番台GPUとして高いシェアを誇っていたが、その後継となる本製品は「初めてのRTX」「ミニマルなゲーミングPC」「小型フォームファクターPC」といった用途で広く支持されそうだ。

ただし、今回の5050はあくまで「GDDR6採用、CUDAコア数2560、130Wクラスのエントリーモデル」であり、ハイエンドやQHD以上でのゲーミングを想定するユーザーには、引き続きRTX 5060以上の選択が推奨される。もっとも、DLSS 4対応によるフレーム生成効果を前提にすれば、1080pゲーミングにおいては従来のx50番台とは一線を画すパフォーマンスが期待できる。

NVIDIAは今回のリリースで「RTX 3050と比べ、フルラスタ性能で約60%高速化」ともアピールしており、最新世代のAI技術によるフレーム補完がエントリーGPU市場でも当たり前になる時代が、いよいよ本格化しそうだ。

「GeForce RTX 5050」は7月下旬より各社パートナーメーカー製品として販売開始予定だ。

関連リンク

(画像:NVIDIA)

NVIDIA
FOLLOW US
タイトルとURLをコピーしました