
Appleのフラグシップスマートフォン「iPhone 18 Pro」シリーズが9月18日に発売された。
今回のiPhoneは、外観こそ先代モデルの「iPhone 17 Pro」シリーズを踏襲しているものの、カメラや処理性能、冷却システム、バッテリー駆動時間など、内部の改良が多岐にわたって行われている。なかでもカメラは、iPhoneシリーズで初めて物理的な可変絞りを採用するなど、撮影時の表現の幅を広げている。
一方、今年は初の折りたたみiPhone「iPhone Duo」も登場し、どちらを選ぶべきか悩んでいる人もいるだろう。新しいフォームファクターに魅力を感じるものの、Apple初の折りたたみスマートフォンということもあり、初代モデルならではの課題や使い勝手を心配して、購入を見送る人もいるはずだ。
そうした人にとって、カメラ性能や日々の使いやすさを重視した「iPhone 18 Pro Max」は、有力な選択肢になる。特に、写真や動画の撮影をスマートフォンに任せている人にとってカメラの進化は見逃せないポイントだ。
今回、「iPhone 18 Pro Max」を試用する機会に恵まれ、発売から約3週間にわたって実機を使ってみた。カメラの進化に加え、処理性能や冷却、バッテリーといった普段の使用に関わる部分も着実に改善されていることが確認できたので、本稿では、実際の作例を交えながらカメラの進化を紹介するとともに、約3週間使ってわかったカメラ以外の変更点や使用感についてもお伝えしたい。
今回の進化で注目したいのはやはり「カメラ」

「iPhone 18 Pro」シリーズの進化を語るうえで、まず取り上げておきたいのがカメラの進化だ。今回の大きな変更点は、メインカメラにiPhoneシリーズで初めて物理的な可変絞り機構を搭載したこと。これまでのiPhoneでは、レンズの絞りは固定されていたものの、新モデルでは撮影シーンに応じて絞り値を切り替えられるようになった。
背面のカメラは、メイン・超広角・望遠の3眼構成。いずれも4800万画素のFusionカメラを採用している。
メインカメラは24mm相当の焦点距離で、絞り値はF1.48、F1.8、F2.8、F4.0の4段階から選択できる。センサーシフト式の手ブレ補正にも対応し、1200万画素相当の光学品質による2倍ズームも利用可能だ。




超広角カメラは13mm相当、F2.2のレンズを採用し、画角は120度。望遠カメラは100mm相当の4倍光学ズームに対応し、F2.8のレンズとテトラプリズム構造を組み合わせている。こちらも3Dセンサーシフト式の手ブレ補正を備え、200mm相当の8倍ズームを光学品質で利用できる。
これらを組み合わせることで、0.5倍から8倍まで幅広い画角をカバーする。前面には1800万画素のCenter Stageカメラを搭載しており、自撮りやビデオ通話にも対応する。

今回、カメラの進化の中心となるのがメインカメラの可変絞りだ。前モデルの「iPhone 17 Pro」はF1.78の固定絞りだったが、「iPhone 18 Pro」では6枚羽根の機構を採用し、4段階で絞り値を切り替えられる。開放側のF1.48では、前モデルよりも多くの光を取り込めるため、暗い場所での撮影に有利だ。光量が不足しやすい夜景や室内でも、画質の向上や撮影時間の短縮が期待できる。
一方、絞りをF4.0まで絞れば、ピントが合う範囲を広げられる。複数人で撮影する集合写真などでは、手前の人物だけでなく、奥にいる人物までシャープに写しやすくなる。反対に、開放側を使えば背景のボケを生かした写真も撮りやすい。F4.0では、光源から光が放射状に伸びる光条を表現することもできる。




これまでiPhoneのカメラは、センサーや画像処理の進化によって撮影結果を改善してきた。今回は、撮影時に光の取り込み方や被写界深度を物理的に調整できるようになった点が大きい。撮影する人が意図した表現に近づけやすくなり、スマートフォンのカメラでも、より細かな撮影設定を楽しめるようになった。
センサーサイズは前モデルから大きく変わっていないものの、新しいセンサーと画像処理の改善によって、細部のシャープネスも向上している。一方、超広角と望遠は、光学系や解像度が前モデルからおおむね引き継がれている。カメラ全体を一新したというより、メインカメラの光学性能を重点的に引き上げたモデルといえる。

撮影機能も強化された。新たに追加された「Proコントロール」では、絞り値やシャッタースピード、ホワイトバランスを手動で調整でき、ヒストグラムを確認しながら撮影することも可能になった。写真の質感を調整するフォトグラフィックスタイルには、テクスチャとグレインの制御機能が加わり、スマートフォーカストラッキングも強化されている。
Proコントロールの各項目は、カメラ画面のメニューから呼び出すことができるが、さらに「写真コントロールを追加」機能を使うことで、よく使う項目を画面上部のバーに配置でき、毎回メニューを開かずに操作できる。写真コントロールのカスタマイズ自体は「iOS 27」から従来機種でも利用できるが、絞り値やシャッタースピードなどが設定できるのは「iPhone 18 Pro」シリーズだけだ。
筆者が特に便利だと感じたのは、実はこの写真コントロール。カメラ画面に操作項目が増えて複雑になるのは好みではないが、必要な設定をすぐ呼び出せるのはありがたい。なかでも、シャッタースピードを任意の数値で固定できることは、取材の現場で大きな助けになった。
記者会見でプロジェクターやモニターに映し出された資料を撮影すると、シャッタースピードと画面のリフレッシュレートが合わず、モアレやフリッカーが発生することがある。これまでは露出補正で明るさを調整しながら撮影していた(その過程でシャッタースピードも変わるため)が、撮影のたびに調整が必要で、かなり面倒に感じていた。「iPhone 18 Pro」シリーズならシャッタースピードを簡単に固定できるため、設定を保ったまま続けて撮影できる。資料を撮影する機会の多い筆者にとって、取材の効率を高めてくれる実用的な進化だ。
動画撮影にも改良が加わっている。シネマティックエフェクトは4K・60fpsでの撮影後の適用に対応し、4KのDolby Visionタイムラプスも利用できる。音声を調整するAudio Mixも改善され、映像と音声の両面で撮影の自由度が高まった。


このように、今回のカメラは画素数を大幅に増やす方向ではなく、光の取り込み方やピントが合う範囲を物理的に制御できるようにし、撮影設定の自由度を高める方向に進化している。
実際に作例も撮影してきた。この数週間は取材会に加え、海外から来日した企業幹部へのインタビューや会食などもあり、料理の写真を撮る機会が多かった。








ただ、発売からすでに2週間以上が経過し、カメラの作例や撮影性能を紹介するレビューは、インフルエンサーを中心に数多く公開されている。そこで本稿では、カメラの進化はこれぐらいにして、ここからは「iPhone 18 Pro Max」のカメラ以外の進化にも目を向けてみたい。
カメラ以外の進化はどう?パフォーマンスとバッテリーの強化も魅力

外観は前モデルの「iPhone 17 Pro Max」と大きく変わらないため、手に取った瞬間に新しさを感じるタイプではない。ただ、実際に使い続けてみると、内部の改良にも目を向ける価値があると感じた。
まず、処理性能を担うチップは「A20 Pro」に進化した。TSMCの2nmプロセスを採用したスマートフォン向けチップで、CPUは6コア構成。従来の性能コアに代わるスーパーコアを採用し、GPUは7コア構成となっている。
GPU性能は前モデルから最大約40%向上したとされる。さらに、16コアのNeural Engineを2基搭載し、AI処理能力も引き上げられた。メモリ帯域幅も約50%向上している。


「Geekbench 7」でベンチマークスコアを計測してみた。
- シングルコアスコア:4021
- マルチコアスコア:11512
- GPUスコア:62440
普段使いであれば、前モデルでもアプリの起動や画面の切り替えで不満を感じることは少ない。そのため、日常的な操作だけで「A20 Pro」の進化をハッキリ体感できるかというと、正直難しい部分もある。
一方、ゲームや動画編集など、スマートフォンに高い処理能力を求める人にとっては、性能の向上が気になるところだ。端末内でAI処理を行う場面でも余裕が生まれ、iOS 27で提供されるSiriのAI機能などにも生かされるとみられる。

個人的に、チップの性能と同じくらい重要だと感じるのが冷却システムの改良だ。
「iPhone 18 Pro Max」では、次世代ベイパーチャンバーの表面積が前モデルの約3倍に拡大された。チップのパッケージングも見直し、発生した熱をより効率よく逃がせるようにしている。Appleはこうした変更によって、持続性能が最大約40%向上すると説明している。
スマートフォンは、処理性能が高くても、長時間使ったときに熱がこもってパフォーマンスが落ちてしまっては意味がない。特にゲームを長時間プレイする人や、4K動画を撮影する機会が多い人にとって、冷却性能は使い勝手を左右する部分だ。

先代の「iPhone 17 Pro」も発熱がよく抑えられていると感じていたが、「iPhone 18 Pro」ではさらに改善されているようだ。
サーモカメラで発熱の様子を確認したところ、先代に比べて熱が筐体全体に分散していることがわかった。上の画像は、HoYoverseの『ゼンレスゾーンゼロ』を動作させた際に撮影したものだ。ピーク温度は両モデルとも約35℃とほぼ同じだったが、「iPhone 17 Pro」ではカメラ付近に熱が集中していたのに対し、「iPhone 18 Pro Max」ではカメラ付近から筐体全体に向かって、なだらかに温度が変化している様子を確認できた。
実際に手に持っていても、ほんのり温かさを感じる程度。熱くて持ち続けられなくなることもなく、発熱によって動作がカクつくこともなかった。負荷のかかるゲームをプレイしている間も安定したパフォーマンスを維持できていたように思う。
取材先で写真や動画を撮影しながら、複数のアプリを切り替えて作業することも多い筆者にとって、発熱を抑えながら安定した動作を維持できることは日々の使い勝手に直結する重要なポイントだ。

バッテリー駆動時間の延長も日常的に使う端末だからこそ気になるポイントだ。Appleの公称値では、ビデオ再生時間は最大45時間。前モデルの「iPhone 17 Pro Max」は最大39時間だったため、6時間延びている。
参考として、筆者が朝9時に家を出て、22時に帰宅したときのバッテリー残量は48%だった。この日は取材を2件、打ち合わせを1件こなし、取材中には「iPhone 18 Pro Max」のカメラで写真撮影も行っている。
筆者はSNSやメールの通知が多く、スマートフォンを比較的ヘビーに使う方だ。それでも、13時間の外出を終えて、日中にモバイルバッテリーで充電することなくバッテリーが半分近く残っていたのは心強い。やはり外出先でバッテリー残量を気にせず使えるのは、Pro Maxモデルの大きな魅力だと感じた。

バッテリーの駆動時間の伸長に加えて充電速度も向上している。対応する60Wの電源アダプタを使えば、約15分でバッテリー残量を50%まで回復できる。前モデルでは同じ水準まで約20分かかっていたため、外出前に充電を忘れたときや、取材の合間に少しだけ充電したいときなど、短時間で充電を済ませたいときにありがたい改良だ。
さらにワイヤレス充電も改善されており、35W以上のアダプタとMagSafe充電器を組み合わせることで30分で50%まで回復できるようになった。


また、細かな変化かもしれないが見た目からもわかる変更箇所がある。それは画面上部のDynamic Island。Face IDに使う赤外線センサーをディスプレイの下に移すことで、Dynamic Island自体を約25%小さくしている。
スマートフォンでは、画面上部の切り欠きやパンチホールもすっかり見慣れたものになり、普段から意識することは少ない。そのため、Dynamic Islandが小さくなったからといって、使い勝手が大きく変わったとは感じなかった。ただ、表示領域がわずかでも広がるのは歓迎したい。

使い勝手の面で触れておきたいのが、ライブアクティビティを最大3つまで同時に表示できるようになったこと。2つを表示する場合も、従来より多くの情報を確認できる。ナビゲーションやタイマー、配車サービスなど、複数の情報を同時に確認したい場面では便利そうだ。こうした細かな改良も、日常的に使うスマートフォンでは意味のある進化だと思う。

カラーはバーガンディ、グレイシャー、ブラック、シルバーを用意。前モデルでは、背面のアルミニウム部分とCeramic Shieldガラス部分で色味に若干の差があり、ツートンカラーのように見えるという指摘もあったが、「iPhone 18 Pro」シリーズではこの色合いが統一され、より一体感のある見た目になった。
ストレージは最大2TBまで選べるように。写真や動画を大量に保存する人にとっては選択肢が広がったと言えるだろう。ただし、1TB、2TBとなるとスマートフォンとしてはかなり高額になってしまうことから、購入時には本当にそこまで容量が必要なのかじっくり検討しよう。
価格は前モデルの「iPhone 17 Pro Max」から4.5万円上昇した。外観が大きく変わっていないこともあり、買い替えを検討する際には、これに見合う進化があるかどうかを考えたくなる価格差ではある。
実際に使ってわかった「iPhone 18 Pro Max」の魅力

「iPhone 18 Pro Max」を約3週間使ってみて感じたのは、外観こそ前モデルから大きく変わっていないものの、カメラやバッテリーなど、日常的に使う部分が着実に進化しているということだ。
特に気に入ったのが、可変絞りと「Proコントロール」によって撮影時の自由度が高まったこと。取材では、記者会見のモニターやプロジェクターの映像を撮影する機会も多い。シャッタースピードを固定して撮影できるようになったことで、これまでより効率よく撮影できるようになった。13時間の外出後もバッテリーが48%残っていたことを含め、仕事でスマートフォンを多用する筆者にとって、実用上のメリットを感じられる改良が多かった。
一方、前モデルの「iPhone 17 Pro Max」から買い替える場合、4.5万円の価格差をどう捉えるかは悩ましいところだ。普段の使い方がSNSやWebの閲覧、メッセージのやり取りを中心とするなら、買い替えによる違いを実感する場面は限られるかもしれない。

しかし、カメラを頻繁に使う人や、ゲーム、動画撮影などでスマートフォンに高い性能を求める人なら、今回の進化を生かせる場面は多い。特に撮影時の設定を細かく調整したい人にとって、可変絞りやProコントロールは魅力的な変更だろう。
前モデルからの買い替えを急ぐ必要はないものの、それよりも前のモデルを使っていて、カメラやバッテリーに不満を感じている人や、より高い性能を求める人にとって「iPhone 18 Pro Max」は検討する価値のあるモデルだ。
ちなみに、「iPhone 18 Pro」と「iPhone 18 Pro Max」は基本的な処理性能やカメラ機能が共通しており、主な違いは画面サイズとバッテリー駆動時間にある。大画面で写真や動画を楽しみたい人や、外出先で長時間使う人にはPro Maxが向いている。一方、性能がほぼ同じなら、よりコンパクトなProでも十分だと筆者は感じる。バッテリーの持ちや画面の大きさをどこまで重視するかが、モデル選びのポイントになりそうだ。


