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新型iPad miniの画面がスピーカーになる?新技術『Acoustic Display』を発表資料から読み解く

Appleが10月26日に発表した新型「iPad mini(A20 Pro)」では、ディスプレイや処理性能だけでなく、オーディオシステムにも新しい技術が導入された。

Appleが「Acoustic Display」と呼ぶこの仕組みは、専用ウーファーとツイーターを組み合わせ、豊かなサウンドを実現するというものだ。

気になるのは、「Display」という名称だ。ディスプレイ自体がスピーカーのように音を出すのだろうか。それとも、ディスプレイの近くにスピーカーを配置する仕組みなのだろうか。Appleの発表資料をもとに、その仕組みと特徴を整理していこう。

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新技術「Acoustic Display」とはどのような仕組みなのか

「Acoustic Display」の仕組みを理解する上で、そもそも「スピーカー」がどのような原理で動いているのか、簡単に理解しておく必要があるので先に書き記しておきたい。

一般的に、スマートフォンやタブレットに搭載されているスピーカーは、内部の振動板を動かして周囲の空気を振動させ、その振動を音として伝える仕組みを採用している。低音から高音までを効率よく再生するため、複数のスピーカーユニットを使い分けることも珍しくない。

そして、スマートフォンやタブレットなどの小型のデバイスには、限られた筐体内部にバッテリーや基板、ディスプレイなどをすべて収めなければならない。もちろん、スピーカーに使えるスペースも限られるため、ユニットの大きさや配置、音を響かせるための内部空間を工夫しながら、音質と本体の薄さを両立させる必要があるのだ。

新型「iPad mini」が採用した「Acoustic Display」は、こうした小型端末ならではの制約を踏まえた音響設計となっているようだ。

Appleの説明によると、「Acoustic Display」は専用ウーファーとカスタムツイーターを組み合わせたオーディオシステムであるという。ウーファーは低音域を担当し、ゲームの効果音や動画の音楽などに厚みを加える役割を持つ。一方、ツイーターは高音域を担当する。

Appleは、新型「iPad mini」のウーファーについて、ディスプレイを介して音響的に連携する構造を採用し、より力強い低音と大きな音量を実現したと説明している。また、カスタムツイーターはガラスとアルミニウムの筐体の間に収められており、高音域をより明瞭に再生できるという。

ただし、Appleは内部構造の詳細までは明らかにしていない。ディスプレイのどの部分がどのように音響に関わるのか、ディスプレイ自体を振動板として利用しているのかについては、公開情報だけでは断定できない……が、仮にディスプレイ自体を振動板として利用しているのであれば、限られた筐体内部のスペースを有効活用する上でも興味深い技術といえる。実際にどのような構造を採用しているのか、今後の検証を待ちたい。

Appleは、「Acoustic Display」によって、ゲームプレイや動画視聴、コンテンツ編集時のオーディオ体験が向上すると説明している。低音が強化されれば、ゲームの効果音や映像作品の音楽に迫力が生まれることが期待できる。また、高音域が明瞭になれば、登場人物の声や細かな効果音も聞き取りやすくなる可能性がある。

小型タブレットは、イヤホンやヘッドホンを使わず、本体のスピーカーで動画を楽しむ場面も多い。ゲームをプレイするときも、画面を見ながら本体のスピーカーで音を聞くことがあるため、内蔵スピーカーの音質は日常的な使い勝手に関わる部分だ。

もっとも、実際にどれほど音が変わったのかは、発表資料だけでは判断できない。音量や低音の量感、音声の聞き取りやすさなどは、実機で確認したいところだ。

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スピーカーの開口部をなくして耐水・防塵性能を強化?

「Acoustic Display」のもうひとつの注目点は、音響設計が耐水・防塵性能にも関係している(可能性が大であるという)ことだ。

新型「iPad mini」は、iPadシリーズとして初めてIP67等級の耐水・防塵性能に対応した。Appleによると、「Acoustic Display」は密閉構造を採用しており、IP67等級への対応にも役立っているという。

一般に、スピーカーは音を外に伝えるため、音が通る経路を確保する必要がある。しかし、筐体に開口部があれば、そこから水やほこりが侵入する可能性も生じる。防水性能を高めるには、音響性能を確保しながら、こうした侵入経路をどう処理するかが課題になる。

新型「iPad mini」の本体側面を見ると、なんと従来モデルにあったスピーカー用の穴が見当たらない。つまり、「Acoustic Display」やそれによって実現した密閉構造が、IP67等級の実現を支える要因のひとつになっていると考えられる。

ちなみに、IP67は一定の試験条件に基づく等級であり、水濡れによる故障を完全に防げることを意味するわけではなく、Appleも耐水・防塵性能は永続的なものではなく、通常の使用によって低下する可能性があるとしているため油断は禁物ではあるものの、水辺での使用については以前に増して信頼性は増したと考えて良いのではないだろうか。

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(画像:Apple)