
Intelは3月9日(現地時間)、ドイツで開催された組み込み技術イベント「Embedded World 2026」において、産業用エッジアプリケーション向けの新CPU「Intel Coreプロセッサ(シリーズ2)」(開発コード名:Bartlett Lake)を発表した。ミッションクリティカルな用途を想定した製品で、Pコア(高性能コア)のみで構成される設計が大きな特徴となっている。
近年のコンシューマ向けCPUでは、PコアとEコア(高効率コア)を組み合わせたハイブリッド構成が一般的だが、本シリーズはそれとは異なり、すべてのコアをPコアで構成する。産業用途で重視される、安定したリアルタイム処理や予測可能なレスポンスを重視した設計だ。
最大12コア/24スレッド構成、LGA1700ソケットを継続採用

Core Series 2は、最大12コア/24スレッド構成に対応する。最上位モデル「Core 9 273PQE」はPコアを12基搭載し、第14世代の「Core i9-14900K」(Pコア8基)を上回る構成となる。
Eコアを搭載しないシンプルな構造により内部レイテンシを抑え、AVX-512命令やベクトルニューラルネットワーク命令(VNNI)をサポート。AI処理向けのIntel Deep Learning Boost(DL Boost)にも対応する。
パッケージはLGA1700ソケットを採用しており、第12~14世代のデスクトップ向けCoreプロセッサと共通のプラットフォームを利用できる。対応チップセットはIntel Q670E、R680E、Q670、W680、H610、H610Eなど。既存のマザーボード設計を活用したシステム構築が可能だ。
なお、コンシューマ向けマザーボードでの動作は保証されていない。メモリはDDR5-5600(ECC対応)をサポートし、最大192GBまで搭載できる。
リアルタイム性能を強化、医療分野向けAIスイートも公開

Intelは、本シリーズが産業用途で求められる決定論的パフォーマンス(処理タイミングの予測可能性)を重視した設計であると説明している。発表によれば、AMD Ryzen 7 9700Xとの比較で、PCI Expressのレイテンシを最大4.4倍低減。決定論的な応答速度は最大2.5倍、決定論的パフォーマンスは最大3.8倍、マルチスレッド性能は最大1.5倍向上するとしている。
あわせて、医療・ライフサイエンス分野向けの新しいEdge AIプラットフォーム「Health & Life Sciences Edge AI Suite」も公開された。AIによる患者モニタリング、心電図(ECG)の不整脈検出、3Dビジュアルトラッキングなどをローカル環境で同時に実行できるよう、検証済みのリファレンスパイプラインを提供する。
Core Series 2の製品ラインナップは、Processor Base Power(TDP)45W、65W、125Wの3カテゴリーで、合計11モデルを用意。これらを搭載したエッジシステムはすでに提供が始まっている。
また、「Health & Life Sciences Edge AI Suite」のプレビュー版はGitHubで公開されており、2026年第2四半期に正式提供が予定されている。
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(画像:Intel)





