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『Galaxy Z Fold8』レビュー。1週間使って実感した「ちょうどいい大画面」、4:3ディスプレイと約201gの軽さが生む新しい使い心地

Samsungは横開きタイプの折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold」シリーズの2026年モデルを、大きく方向性の異なる2モデルで展開した。従来シリーズを正統進化させた「Galaxy Z Fold8 Ultra」と、新たなコンセプトを採り入れた「Galaxy Z Fold8」だ。

「Galaxy Z Fold8 Ultra」は、これまでのGalaxy Z Foldシリーズを使ってきたユーザー向けモデル。一般的なバータイプのスマートフォンに近い細長いカバーディスプレイと、正方形に近い大型メインディスプレイを搭載し、マルチタスクや生産性を重視した設計を受け継いでいる。

「Galaxy Z Fold8」は、これまでの横開きスマートフォンとは少し発想そのものが異なる。「Fold8 Ultra」よりもコンパクトながら、閉じた状態では16:10、開くと4:3の画面比率になるディスプレイを採用し、写真や動画、電子書籍などのコンテンツを画面いっぱいに楽しめることを目指したモデルだ。

今回、「Galaxy Z Fold8」を約1週間、日常のさまざまな場面で使用した。すでにハンズオンレビューなども公開しているが、今回は実際に持ち歩いてみて分かったサイズ感や使い勝手、4:3ディスプレイの魅力など、日常使いで感じたポイントを中心に紹介する。

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従来の横開きスマホよりも圧倒的にコンパクトで軽い

「Galaxy Z Fold8」の本体サイズは、閉じた状態で約123.9×81.9×9.7mm、開いた状態で約123.9×161.4×4.5mm。横開きの折りたたみスマートフォンとしてはかなりコンパクトだ。画面サイズは閉じた状態で5.5インチ、開くと7.6インチ。

本体重量は約201g。数字だけを見ると軽量なスマートフォン程度に思えるが、実際には7.6インチの折りたたみスマートフォンであることを考えると非常に軽い。片手で長時間持っていても手首への負担は少なく、動画を視聴したり電子書籍を読んでいても疲れにくい。

閉じた状態は縦が短く横幅が広い独特な形状だ。従来のGalaxy Z Foldシリーズよりもコンパクトでポケットへの収まりも良い。学生時代に筆者が胸ポケットに入れてメモ用途に使っていたミニノートのようなサイズ感で、どこか懐かしさも感じられた。

一方で、この横幅は好みが分かれる部分かもしれない。というのも、横幅が広い関係で、片手でのフリック入力がしづらいからだ。筆者はQWERTY入力を使って両手でキーボードを入力することが多いため、そこまで不便には感じなかったが、フリック入力派の人は一度店頭などで試してみるのがオススメだ。

開閉機構には新しい「Armor FlexHinge」を採用し、ヒンジの動きがよりなめらかになった。また、ディスプレイには「Flex Titanium」技術を採用。ディスプレイ下部へチタン素材を用いた構造に刷新したことで強度が向上し、折り目はほとんど見えないくらいの仕上がりに。指で触れてみても画面のたわみはほとんど感じられなかった。

ただ一点、従来のFoldシリーズと違うのが折りたたむ角度を90°で維持できないこと。フレックスモードにも対応しないためそこは注意が必要だ。「Fold8 Ultra」は引き続きフレックスモードに対応するため、L字に折り曲げて使いたい人は「Fold8 Ultra」を選んでいただきたい。

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「4:3」のディスプレイが予想以上に快適

「Galaxy Z Fold8」で筆者が最も評価したいのが、この4:3比率のメインディスプレイだ。従来のFoldシリーズは縦長の画面だったため、動画では上下に大きな黒帯が入り、画面サイズほどの迫力を感じられないことが少なくなかった。

16:9動画は黒帯がかなり小さくなり、表示サイズも従来シリーズより明らかに大きい。映画やYouTubeを視聴すると没入感が大きく向上している。Samsungによれば、この画面比率は従来ユーザーから寄せられていた「動画視聴時に画面比率の関係で黒帯が入る」「画面サイズのわりに映像が小さく見える」「もっと没入感が欲しい」といった要望に応えたものだという。

写真との相性はさらに良い。スマートフォンで撮影した写真は4:3が主流だが、「Galaxy Z Fold8」なら撮影後に写真アプリを開くだけで、指でズームすることなく画面いっぱいに写真を表示でき、細部を確認しやすい。

また、電子書籍を文庫本のような感覚で読むことができるのも大きな魅力だ。一般的な書籍はもちろん、漫画の見開き表示は4:3に近い比率なので、画面いっぱいに表示できる。ページ全体を大きく表示できるため、細かな描き込みまで見やすい。

画面を90度回して縦長画面にするとWebサイトなどが見やすい

一方で、WebブラウジングやSNSでは縦方向の表示領域が少なくなる。情報量は従来よりやや減るため、これらの用途で使うときには、画面を横に90度回すと少し見やすくなってオススメだ。

5,000万画素の広角+超広角カメラで日常の撮影なら十分

「Galaxy Z Fold8」は広角カメラと超広角カメラの2眼構成で、望遠レンズは搭載しない。画素数はどちらのカメラも5,000万画素。望遠カメラがないため、遠くの被写体を撮影するには不向きだが、風景やグループ写真など日常的な撮影をする分には十分な性能だ。

実際に風景や料理、人物、街中のスナップなどを撮影してみても、写真の細部までしっかり確認でき、SNSに投稿したり、撮った写真を家族や友人と共有したりする用途には十分な画質だと感じた。特に明るい場所では、広角・超広角ともに5,000万画素らしい解像感のある写真を撮影できる。

一応比較しておくと、「Galaxy Z Fold8 Ultra」は広角+超広角+望遠の3眼構成で、広角カメラは2億画素、超広角カメラは5,000万画素、望遠カメラは1,000万画素。3倍光学ズームにも対応しているため、遠くの被写体を撮影したり、写真を拡大して細部まで確認したりする用途では「Fold8 Ultra」のほうが明らかに有利だ。

ただ、普段の生活でスマートフォンのカメラを使う場面を考えると、常に望遠カメラや2億画素が必要になるわけではない。風景を撮ったり、料理を記録したり、友人との写真を撮ったりといった使い方であれば「Galaxy Z Fold8」のカメラでも十分に満足できる。

むしろ「Galaxy Z Fold8」では、撮影した写真を大画面ですぐに確認できることがカメラ体験の魅力になっている。4:3の写真ならメインディスプレイをほぼいっぱいに使って表示できるため、撮った写真をその場で見返したり、誰かに見せたりするときにも便利だ。

カメラそのものの性能では「Fold8 Ultra」に一歩譲るものの、日常の撮影には十分なカメラを備え、撮った写真を7.6インチの大画面で楽しめる。カメラを本格的に使い込む人よりも、日常の記録をある程度きれいに残し、その写真を大きな画面で楽しみたい人に向いていると感じた。

最新のSoC「Snapdragon 8 Elite Gen 5」搭載で動作は快適

SoCには最新の「Snapdragon 8 Elite Gen 5 for Galaxy」を搭載する。これは「Fold8 Ultra」や「Flip8」と同じSoCで、2026年のGalaxyの折りたたみスマートフォンのSoC性能は基本的には同じということになる。

ベンチマークではAnTuTu Benchmarkで約294万点を記録。SNSや動画視聴はもちろん、『原神』のような重量級ゲームも高画質設定で十分楽しめる性能だ。複数アプリを同時に表示してのマルチタスクも問題なく快適に動作していた。

AI関連機能としては、画面内容に応じて次の操作を提案する「Now Nudge」、文章で指示するだけで写真編集ができる「フォトアシスト」、人物を自動で追尾する動画編集機能「マイファンカム」などが利用できる。

さらにはホテルの予約やタクシーの手配など、複数アプリを横断した操作をAIが代行して実行するオートメーション機能も利用できる。本機能は英語と韓国語のみに対応しているが、9月末頃には日本語への対応も予定している。

バッテリーは4,800mAhを搭載。朝9時頃に家を出て、1日を通してSNSやメール送信、Web閲覧、マップアプリでの目的地検索などをして、22時頃に飲み会を終えて自宅に帰ったところ、まだバッテリー残量は30%程度残っていた。一般的な使い方であれば、充電なしでも1日中使い続けることができるだろう。

横開きスマホならではの大きな画面を、もっと気軽に持ち歩ける

約1週間「Galaxy Z Fold8」を使ってみて最も印象に残ったのは、7.6インチの大画面を搭載しながらも、普段使いのスマートフォンとして無理なく持ち歩けることだった。

約201gという重量に加え、閉じた状態ではコンパクトにまとまるため、毎日持ち歩いていても「大きな端末を持っている」という感覚がそれほどない。それでいて、開けば4:3の7.6インチディスプレイが広がり、写真や動画、電子書籍では一般的なスマートフォンとは違う見やすさを味わえる。

特に4:3という画面比率は、「大画面だから見やすい」というだけではない。4:3の写真を画面いっぱいに表示したり、漫画の見開きを大きく楽しんだりと、これまでのFoldシリーズとは少し違った使い方ができる。筆者としては、日常的に写真を撮ったり、電子書籍や動画を楽しんだりする人ほど、この画面の良さを実感しやすいと感じた。

もちろん、横幅が広いためフリック入力には向きにくく、WebブラウジングやSNSでは縦長のスマートフォンより情報量が少なくなるなど、万人向けとは言いにくい部分もある。また、望遠カメラやフレックスモードが必要な人には「Galaxy Z Fold8 Ultra」のほうが適している。

つまり「Galaxy Z Fold8」は、何でもこなせる折りたたみスマートフォンを目指したというより、大画面でコンテンツを楽しむという用途を、より身近にしたモデルといえる。

従来のGalaxy Z Foldシリーズが「スマートフォンを開いてタブレットのように使う」ことを重視していたのに対し、「Galaxy Z Fold8」は「普段はスマートフォンとして持ち歩き、必要なときだけ大画面を使う」という感覚に近い。この気軽さこそが「Galaxy Z Fold8」の面白いところだと感じた。