今年5月、アマゾンジャパンは 「Echo Auto (第2世代)」 を国内で発売した。
「Echo Auto (第2世代)」 は、Alexaを車内でも利用できるようにしたカーアクセサリ製品。車のなかでもAlexaをハンズフリーで利用できるようにする製品だ。
今回、アマゾンジャパンから本製品の実機をお借りし、実際に筆者の車で使ってみることができたので、詳しいレビューをお届けする。Alexaを車で使ってみたい人、新しいEcho Autoが気になった人はぜひチェックしていただきたい。
「Echo Auto (第2世代)」 のデザイン・接続方法をチェック
「Echo Auto (第2世代)」 は、2020年9月に発売した 「Echo Auto (第1世代)」 の後継モデルにあたる製品。前述したとおり、Amazonの音声アシスタント 「Alexa」 を車内で利用できるようにするためのカーアクセサリーだ。
「Echo Auto (第2世代)」 を車内の電源に繋ぐことで動作し、インターネット通信はスマートフォンのモバイルデータ通信を利用する仕組み。「Echo Auto (第2世代)」 の音声はスマートフォンからカーオーディオ側へ出力するかたちだが、BluetoothやAUXを利用して出力することも可能だ。
「Echo Auto (第2世代)」 のデザインをチェックしていこう。先代モデルからデザインを刷新し、従来よりもスリムな形状になったことで、車のダッシュボードなどにもっと簡単に取り付けられるようになった。
本体はマイクモジュールとスピーカーモジュールが分かれている。上記写真はそのうちのマイクモジュール、ここでユーザーの音声を聞き取る。
モジュール上部には 「Echo Auto (第2世代)」 の現在のステータスを確認できるライトバーが搭載されているほか、正面にはアクションボタンとマイクのミュートON/OFFの切り替えボタンが搭載されている。マイクモジュール自体はかなり小型なので、設置場所にはさほど困らないだろう。
スピーカーモジュールには、システムの通知音等を鳴らすためのスピーカーが内蔵されているほか、カーオーディオと有線接続するためのAUX端子が搭載されている。
スピーカーモジュールからは電源ケーブルが伸びており、このケーブルを車のUSB Type-Aポートに接続することで給電できる。
USB Type-Aポートがある車であれば、そこに直接 「Echo Auto (第2世代)」 をつなげればOK。もしUSB Type-Aポートがない車でも、同梱されてくる車載電源アダプタを車のアクセサリーソケットに挿入することで簡単にUSB Type-Aポートを増設することができる。
カーオーディオとの接続は、BluetoothあるいはAUXのほかにApple CarPlay、Android Auto経由でも連携できる。もしいずれも利用できない場合には、FMトランスミッターを使えばFMラジオ経由で音声を再生することもできるはずだ。ただし、Bluetoothで接続する場合はカーオーディオによってはたまにブツブツと切れてしまうケースもあるようなので、ベストなのはAUXあるいはApple CarPlay、Android Auto経由ということになるだろうか。
今回検証に使用した車は、カーオーディオがApple CarPlayに対応していたため、音声をCarPlay経由で出力するよう設定することもできた。
各ケーブルの長さは、マイク部分からスピーカー部分までが90cm、スピーカー部分からUSB Type-A端子までが4.5cm。検証車では問題なく接続できたものの、Amazon.co.jpに寄せられているレビューでは長さが足りなかったという声を見かけた。もし長さが足りなさそうな場合は、延長ケーブル等を用意しておくと良いだろう。
「Echo Auto (第2世代)」 を設置してみた
ダッシュボードへの取り付けは、同梱されてくる粘着カーマウントを使用する。カーマウントにはマグネットが内蔵されており、本体背面の窪みとカーマウントの出っ張りをあわせるようにすると、 「Echo Auto (第2世代)」 が磁力でピタッとくっつく仕様だ。
粘着テープの跡が残るのが嫌なら、エアコン送風口に取り付けるエアベントマウント (980円/税込) を別途購入するのも手だ。エアベントマウントを使用する場合は、エアコンの風が直接当たらない場所に 「Echo Auto (第2世代)」 を設置しよう。
今回筆者はこのエアベントマウントを送風口の下に垂れ下がるように設置。「Echo Auto (第2世代)」 をエアベントマウントに磁力でくっつけた。
磁力はそれなりなので、一般道や高速道路の走行中にポロっと落ちてしまうことはなかった。ただし、山道のように整備されておらず車がゴウンゴウンと上下に揺れ動くような道を通る際には、もしかすると振動によって 「Echo Auto (第2世代)」 が落ちてしまうこともあるかもしれない。
「Echo Auto (第2世代)」 の取り付けが完了したら、スマートフォンアプリを使って設定を行っていく。セットアップは、画面の指示に従って操作していくだけなので困ることはほとんどないはずだ。
「Echo Auto (第2世代)」 の聞き取り性能・使い勝手は?
本体の取り付けとスマートフォン側でのセットアップを完了したら、いよいよ車内でAlexaが利用できるようになる。
「Echo Auto (第2世代)」 には5つのマイクが搭載されており、ロードノイズが大きな道路でもしっかりと指示を聞き取って答えてくれる。
実際に、走行音がうるさくなりがちな高速道路で 「アレクサ、今日の天気は?」 「アレクサ、ドライブにオススメのプレイリストをかけて」 と色々お願いしてみたが、どの指示も正しく聞き取ってくれていた。聞き取り精度はかなり良好と言えるだろう。
先代の 「Echo Auto (第1世代)」 では、車の中で音楽が鳴っていると聞き取り精度が下がるという報告が上がっていたが、筆者が試してみたところ、「Echo Auto (第2世代)」 は大音量で音楽が鳴っていても正確な聞き取りができているようだった。
道案内もお願いしてみた。アプリに自宅の住所を登録しておいて、「アレクサ、自宅まで案内して」 と言うと、スマートフォンのデフォルトのマップアプリに自宅までの経路を転送してくれる。あくまで経路を転送するだけで、そこからは手動でナビをスタートさせなければならないのだが、停車中などにワンタッチでナビをスタートさせることができるのは便利だ。
ただし、自宅や職場のように登録している住所ではなく、特定の店舗名などで案内をお願いするなら、正しい名称で言うように心がけたい。
たとえば、「アレクサ、コストコまで案内して」 と言ってみたところ、なぜか千葉県にいるにも関わらず、愛知県のコストコを案内されてしまったことがあった。この場合は 「アレクサ、コストコ千葉ニュータウンまで案内して」 と言うのが正しかったというわけだ。
Apple CarplayやAndroid Autoに接続している場合は、カーオーディオ側の画面にAppleの純正マップか、Googleマップを利用した案内が表示される仕組み。もしApple CarplayやAndroid Autoと接続していない場合はスマートフォンの画面で案内が行われる。
「Echo Auto (第2世代)」 はそのほかにもさまざまなアクションが可能。基本的には自宅に据え置きで設置しているEchoデバイスとできることは同じなので、たとえば自宅の照明やエアコンを音声で操作したり、定型アクションを起動するということも可能。暑い日、自宅到着30分前にエアコンを起動しておけば、帰った頃には自宅は涼しくなっているだろう。
ちなみに、「Echo Auto (第2世代)」 はスマートフォンのデータ通信を使って聞き取った指示に対して返答・動作する仕様のため、使っているうちにどんどんデータ通信をしてしまい、いつの間にか1ヶ月のデータ利用量の上限に達していた、ということになる可能性がある。音声操作程度ではさほどデータ通信は使わないはずだが、もし低容量プランを契約しているようならその点にはぜひ注意して使用していただきたい。
車載用Echoデバイスとしての性能はバッチリ
今回は 「Echo Auto (第2世代)」 をレビューした。
筆者は自宅にEchoデバイスを複数設置しており、普段から 「アレクサ、3分測って」 「アレクサ、電気消して」 とAlexaにお世話になってばかりいるが、「Echo Auto (第2世代)」 を導入したことで、それらの行動が走行中の車内でもできるのはとても新鮮だった。
車の運転中は基本的にハンドルから手を離すことができないため、声でAlexaに色々な指示ができるのはとても助かる。音楽の再生や天気予報の聞き方などは他のEchoデバイスと変わらないため、自宅と同じような感覚で使うことが可能だ。筆者と同じように普段からEchoデバイスを使っている人ならすんなり使いこなすことができるはずだ。
ただ、ひとつ気になるのは 「Echo Auto (第2世代)」 の接続方法がやや複雑ということ。スマートフォンとカーオーディオという2つのデバイスに接続するうえに、車によって環境がさまざまであるが故だとは思うのだが、普段からガジェットに触れていない方には仕組みを理解するのがやや難しいかもしれないと感じている。一応Alexaアプリで簡単にセットアップできる仕組みが用意されているので困らないと思うのだが、セットアップする際はぜひ時間があるときに、そして外が明るいときに挑戦していただければと思う。
「Echo Auto (第2世代)」 は、Amazon.co.jpで7,980円(税込)で購入可能。エアコン送風口にEcho Auto (第2世代) を取り付けるエアベントマウントは980円(税込)で購入可能だ。