
Appleが自社のストリーミングサービス「Apple TV+」を、今後はシンプルに「Apple TV」として展開することを発表した。
発表の中でこの変更が正式に触れられたのは、映画『F1: The Movie』が12月12日に同サービスで配信されるというプレスリリースの中の一文に過ぎなかったが、実質的には大きな転換点となる。
「Apple TV+」は今後「Apple TV」に。ハードウェアとの名称混同に注意
プレスリリースの終盤で、Appleは「Apple TV+は新しい鮮やかなアイデンティティをまとい、シンプルにApple TVになった」と述べている。現時点でApple公式サイトはまだ更新されておらず、新ブランドの詳細については不明だが、プレスリリース下部のサービス紹介文はすでに新名称に差し替えられている。
Apple TVは、Appleが提供するサブスクリプション型の動画ストリーミングサービス。2019年11月に開始され、映画、ドラマ、ドキュメンタリー、キッズ向け番組など、Appleオリジナルのコンテンツを主に配信。現在は、100以上の国と地域で展開されている。
利用できるデバイスは、iPhone、iPad、Apple TV、Apple Vision Pro、Macのほか、SamsungやLG、Sony、VIZIO、TCLといった主要メーカーのスマートテレビ、RokuやAmazon Fire TV、Chromecast with Google TV、PlayStation、Xbox、さらにtv.apple.comなど。料金は月額900円 (12.99ドル) で、新規登録者には7日間の無料トライアルも用意されている。
また、期間限定で新しいiPhone、iPad、Apple TV、またはMacを購入・アクティベートしたユーザーには、3か月間の無料利用特典が付与される。

Appleはすでに「Apple TV」というセットトップボックス製品を販売しており、同名のアプリも複数プラットフォームに提供している。そのため、ストリーミングサービスまでも同じ「Apple TV」名に統合することで、ブランドとしての一体感は強まる一方で、ハードウェアとサービスの名称混同を招く懸念もある。
Appleがなぜこのタイミングでリブランディングを行ったのかは明らかではない。ただし、同社が近年「Apple One」や「Apple Vision」など、複数サービスや製品群をより統合的に展開していることを踏まえると、「Apple TV+」という派生的な印象を避け、より中核ブランドとして位置づけ直す狙いがあるのかもしれない。
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(画像:Apple)