
Amazonが日本国内における配送網をさらに強化する。アマゾンジャパンは7月1日、国内6カ所に新たな「デリバリーステーション (DS)」を開設し、夜間に注文した商品を翌朝に受け取れる配送オプションを2025年中に全国拡大すると発表した。合わせて、当日配送を担うハイブリッド型物流拠点を新たに16カ所に展開する。
「夜に注文→翌朝配送」が全国標準に。16の新拠点が当日配送を支える
Amazonは、これまで一部地域に限定して提供していた「午後11時59分までの注文→翌日配送」オプションを、2025年中に全国に広げる。この施策にあわせて、岡山・千葉・石川・北海道・福岡・東京の6エリアに新たなDSを設置。石川県では初の拠点となる。
さらに、商品の入荷から出荷までを一手に担う新たな拠点として、フルフィルメントセンター(FC)とDSの機能を統合した当日配送特化型施設を全国16カ所に開設。生活必需品から日用品、飲料、食品など数万点の商品を、最短6時間で届ける「エクスプレスマート」ストアの配送能力を拡張する。
また、配送時間帯の柔軟化も進める。一部地域では、午後1時頃までに注文した商品をその日の夜に届ける配送サービスの拡大も予定している。
岡山DSは脱炭素化モデル、次世代物流技術にも6000万ドル超を投資
新設される配送拠点の中でも、岡山南DSは環境配慮型施設になる予定だ。太陽光パネル、高窓による自然採光、人感センサー付き照明、EV用充電設備、雨水再利用タンク、高断熱壁などを採用し、省エネと再生可能エネルギーの活用を両立。Amazonは、こうした環境対応型DSを日本市場でも本格展開していく構えだ。
同時に、次世代の物流オペレーションを支える技術開発にも注力する。2025年末までに6000万ドル以上を投資し、以下のような自動化技術のグローバル導入を視野に入れる。
- Single Lane Auto Divert to Finger:梱包済み商品の自動選別・振り分けを行う仕組み
- Robotics Labeler System(RLS):ラベル貼付工程をロボットで自動化
- Robotics Unloader for Unwieldy Shipments(RUFUS):真空ロボットによる重量物の積み下ろし
これらは、DSでの繰り返し作業や人手による負担の軽減、作業の安全性向上を目指したもので、日本市場での実装も含めて検証が進められているとのことだ。
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(画像:Amazon)