Fire HD 8 レビュー | プロセッサ性能向上で使いやすさアップ、1万円台で買える格安タブレット

2022年10月、Amazonは新型タブレット端末 「Fire HD 8」 「Fire HD 8 Plus」 「Fire HD 8 キッズモデル」 を発売した。

Fire HD 8シリーズは、AmazonのFireタブレットシリーズの中で中間モデルとしてラインナップされる製品。8インチのタッチディスプレイを搭載し、HDビデオの再生が可能だ。

今回、アマゾンジャパンから3機種をお借りし、実際に使ってみることができたので、前モデルから変化があった部分や使い勝手などについて紹介したい。

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デザイン・仕様

新型Fire HD 8シリーズは、通常モデルの 「Fire HD 8」 と、ワイヤレス充電などに対応した上位モデル 「Fire HD 8 Plus」 、そしてお子さん向けの保護カバーが付属した 「Fire HD 8 キッズモデル」 の3機種が用意されている。

いずれのモデルも本体と画面のサイズは同じで、基本的な使い勝手は変わらないため、Fire HD 8の紹介をメインにしつつ、後半でFire HD 8 Plusならではの機能や、キッズモデルの特徴などについて紹介する。

Fire HD 8は、本体前面に8インチのIPSタッチスクリーンディスプレイを搭載。ディスプレイには強化アルミノシリケートガラスが採用されており、落下の衝撃などに対する耐久性が向上している。

下位モデルにあたるFire 7とは、画面のインチ数は1インチ分しか変わらないものの、解像度はFire 7が1024×600ピクセルなのに対し、Fire HD 8は1280×800ピクセルと高くなっているため、HD画質でビデオなどを楽しむことができる。

昨今は高画質なハイエンドタブレットが多いことから、この解像度だと画面の粗さが気になりそうだと思う人もいるかもしれないが、画面が小さめなので意外と映像は違和感なく視聴できる。

むしろ気になるのは、Kindleアプリで読書をするとき。文字が小さい雑誌や、登場人物のセリフが長めのマンガなどはどうしても読みづらさを感じることがある。読書をメインに考えているなら、電子書籍リーダーのKindleの方が細かい部分まで綺麗に見えるのでオススメだ。

本体サイズは201.9 × 137.3 × 9.6mmで、重量は337g。先代モデルと同等の強度を持ちながらも0.1mm薄くなり、重量も約20g軽くなったことで、より片手で持って操作しやすくなった。

画面上部にはフロントカメラが搭載されており、ビデオ通話などに利用できる。ただし画質は2MPと低めなので、高画質な映像を相手に届けたい場合は、スマートフォンなど別の端末を使った方が良さそうだ。

本体をひっくり返して背面へ。Fire HD 8の本体カラーは、ブラックのほかにブルーとローズが用意されている。今回レビューに使用したのはブラックモデルだ。

Fireタブレットシリーズはあくまで格安タブレットということで、背面はちょっぴりチープな質感だが、持ったときに不快感を感じることはなく、慣れればあまり気にならない。

背面に引っかき傷などが付くのを防ぎたいなら、純正カバー (3,980円/税込) がオススメ。専用カバーなのでサイズは寸分の狂いもなく本体にピッタリで、カメラなどに干渉するなく本体をしっかりと保護できる。カバーを折り曲げればスタンドとしても使うことができて、動画の流し見などにも最適だ。

背面にはリアカメラが搭載されていて、写真や動画の撮影が可能。ただし画質はフロントカメラと同じで2MPと低めなので、手書きのメモを撮影するなど簡易的な記録用途での使用をオススメする。

本体側面には電源スイッチや音量ボタンのほか、充電用のUSB-Cポートや有線イヤホン用の3.5mmステレオジャック、microSDカードの挿入口が搭載されている。

本体スピーカーはDolby Atmosに対応したデュアルステレオスピーカーで、格安タブレットの割には比較的良い音でコンテンツを楽しめる。

付属品としては、充電用のUSB-C(2.0)ケーブルと5W電源アダプタ、スタートガイドが同梱されている。

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プロセッサ・RAM・ストレージ

Fire HD 8は、プロセッサのコア数が4コア→6コアに増えたことに加えて、メモリ(RAM)の性能が最大30%向上したことで、先代モデルよりも性能が向上し、スムーズに動作するようになった。

実際にPrime Videoで動画を検索して視聴したり、Kindleアプリで読書してみたところ、動作が重いと感じることはほぼなかった。

ただし、Fire HD 8はあくまで格安タブレットということで3Dゲームがバリバリ動作するような性能ではないため、ゲームプレイをメインに考えているなら、最上位モデルのFire HD 10を選ぶか、他のタブレット端末を購入した方が良いかもしれない。

ストレージ容量は32GBと64GBが選択可能。microSDで最大1TB分の拡張はできるものの、内部ストレージにインストールしなければいけないアプリも存在するため、がっつり使い込む予定なら64GBモデルを選択した方が無難だ。

先代モデルから便利になった点

今回の新型モデルでは、ディスプレイミラーリング機能が久々に復活し、Miracastに対応したテレビに対してタブレットの動画や写真、アプリやブラウザの画面をテレビなどの大画面に映し出すことができるようになった。

また、バッテリー駆動時間が最大12時間→最大13時間に増加したことで、充電なしでより長時間の使用ができるように。外出時に使うことが多い人には嬉しい変化と言えるだろう。ちなみにフル充電までの充電時間は5時間で、先代モデルから変わっていない。

Fire HD 8 Plusはワイヤレス充電&Showモード対応

Fire HD 8の上位モデルにあたるFire HD 8 Plusもお借りすることができたので、Fire HD 8との違いを紹介する。

Fire HD 8 Plusはメモリ容量が3GBとFire HD 8よりも1GB多いほか、リアカメラの画素数が5MPとFire HD 8 (2MP) よりも高くなっている。付属する純正アダプタは9Wで、わずか3時間でフル充電が可能だ。

ただし、実際に使ってみるとこれらの違いはFire HD 8を少し快適にした程度の違いでしかなく、おそらくもっとも重視すべき違いはワイヤレス充電とShowモードの有無になるだろう。

Fire HD 8 Plusはワイヤレス充電スタンドに本体を設置するだけで、ケーブルレスで便利に充電できる。しかもスタンドに設置している最中は 「Showモード」 が利用でき、Fire HD 8 Plusをスマートディスプレイ化し、Echo Showシリーズのように使うことが可能。外出時はタブレット端末として、自宅にいるときはShowモードを使ってスマートディスプレイとして、1台2役を実現できる。

カラーラインナップはグレー1色のみとはなってしまうが、ワイヤレス充電&Showモードが利用したいなら、Fire HD 8 Plusを選んでみてはどうだろうか。

お子さん向けにキッズモデルも用意

新型Fire HD 8シリーズには、お子さんが使うのに適したキッズモデルも用意されている。

キッズモデルの本体はFire HD 8と同じであるものの、落下などの衝撃から本体を守ってくれる保護カバーが付属してくる。保護カバーはパープル・ブルー・レッドの3色から選ぶことが可能だ。

保護カバーは弾力がある素材が使用されていて、外部からの衝撃を軽減してくれる。電源ボタンや音量ボタン、USB-Cポートにはケースの上からでもアクセス可能だが、microSDカードの挿入口はケースに隠れてしまうため、挿入の際には一度ケースを取り外す必要がある。

ケース背面には持ち手がついており、手に持って持ち運ぶときに便利。持ち手はスタンドとしても使用可能だ。

もし何らかのアクシデントで画面が割れたり、水没してしまっても、2年間の限定保証期間内なら無償で新品と取り替えてもらうことができる。安心してお子さんに持たせることができてグッドだ。

また、キッズモデルにはお子さん向けの定額サービス 「Amazon Kids+」 1年分が付属しており、絵本や学習マンガ、児童書のほか、学習アプリやゲームなど幅広い年齢のお子さんに向けた数千点のコンテンツを1年間追加料金なしで自由に使うことができる。

1年が経過すると自動で有料期間に更新されるため、使い続けるかどうかはお子さんと相談した上で検討していただきたい。料金は月額980円で、プライム会員は半額の月額480円で利用可能だ (いずれも税込) 。

まとめ

Fire HD 8シリーズは、エントリーモデルのFire 7よりも画面が大きく、画質も綺麗なので、日常的に使うタブレット端末にぴったり。

特にAmazonのサービスであるPrime VideoやKindle、Amazon Musicとの相性が良く、使いやすいため、サブスクサービスをAmazon関連でまとめている場合には便利に使えること間違いなしだ。

何より魅力なのは同じくらいの性能を持つタブレット端末よりも安く入手できること。Fire HD 8は11,980円から、Fire HD 8 Plusは13,980円から、Fire HD 8 キッズモデルは15,980円から購入可能で、Fire HD 8 Plusにワイヤレス充電スタンドを付属したとしても17,980円で購入できる (いずれも税込) 。

アプリストアが専用のものとなっており、Google Playが利用できるAndroidタブレットよりも利用できるアプリが少ないというデメリットはあるものの、Amazonのアプリストアで配信されているアプリだけでもどうにかできるなら、Fire HD 8シリーズは安くて魅力的なデバイスと言えるだろう。

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