
Gensparkは9月11日、自社初となるAIモデル「Gen-1 Slides」を発表した。プレゼンテーション資料の生成に特化したモデルで、GensparkのAIスライド機能「Standard モード」のデフォルトモデルとして採用する。
「Gen-1 Slides」は個人・法人を問わず全プランで利用でき、料金は現行価格のまま。汎用AIモデルに頼ってきたスライド生成を専用モデルに置き換え、品質を維持しながら生成コストを抑える狙いだ。
約2,000件のタスクで学習、実際の生成環境で品質を改善

GensparkはこれまでAIスライドを大規模に運用しており、ピーク時には1日12万デッキを生成してきた。こうした運用実績やユーザーからのフィードバックを生かし、資料作成に特化した自社モデルの開発に取り組んだという。
「Gen-1 Slides」は、オープンウェイトの基盤モデル「MiniMax M3」をベースに開発。GensparkのAIスライド本番環境で強化学習による追加学習(post-training)を行い、デッキの計画、ページ生成、描画、自己修正を数十ターン繰り返して品質を高めた。
学習にはユーザーが作成したコンテンツを使わず、Gensparkが独自に用意した約2000件のスライド作成タスクを利用している。

同社の評価では、9項目のうち8項目で「Gen-1 Slides」が首位となり、全項目で上位2位以内に入った。平均ランクは1.11で、「Claude Opus 5」の2.56を上回ったという。
実際の利用環境でも比較しており、2026年8~9月に実施した157万件の実本番タスクでは、ユーザー評価が「Gen-1 Slides」で平均4.25、「Claude Opus 5」で4.23だった。低評価率はそれぞれ3.6%、3.4%となっている。

コストも大きく抑えた。入力トークンのリスト価格は、「Gen-1 Slides」が100万トークンあたり約0.30米ドル。「Claude Opus 5」の約5.00米ドルと比べて約1/17となる。
完成したプレゼンテーション1本あたりの実測コストでも、「Gen-1 Slides」は約0.44米ドルで、「Claude Opus 5」の約4.16米ドルに対して約1/10。月1000本の資料を制作する場合、Gensparkの試算では約4200米ドルから約440米ドルまでコストを下げられるとしている。
「Gen-1」をスライド以外にも展開へ
「Gen-1 Slides」は、Gensparkが今後展開する「Gen-1」モデルファミリーの第1弾となる。
Gensparkは、実際の業務で成果物を生成し、その品質を基準にモデルを学習・改善する手法を採用している。同じ手法をスプレッドシート、文書、リサーチにも適用しており、今後は各用途に特化したモデルを順次投入する予定だ。
開発ではAIインフラ企業のFireworks AIと協業した。スライド生成のタスク設計や本番環境、品質評価の仕組み、報酬設計はGensparkが担当。モデルの学習は同社のAIスライドクラスタ上で行い、パラメータの更新にはFireworksのプラットフォームを利用した。
10万トークンを超える長大な学習エピソードについては、処理の効率と安定性を高めるため、両社の研究チームが協力している。
Gensparkは2026年7月24日、NVIDIAやMicrosoftなどとともに「Open Weights and American AI Leadership」にも署名している。オープンウェイトで公開された基盤モデルを用途に合わせて最適化し、コスト効率や透明性、安全性を高める取り組みの一環だ。
「Gen-1 Slides」は、こうした方針をスライド生成に落とし込んだモデルともいえる。全プランで追加料金なしで利用できるため、ユーザーはモデルを意識せず、これまでと同じようにGensparkのAIスライドを利用できる。
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(画像提供:Genspark)




