MacBook Neo 先行レビュー|『Mac』の世界をグッと身近に感じさせてくれる1台。その「魅力」と「割り切り」を考えてみた

Appleが2026年3月に発表した「MacBook Neo」は、同社のラップトップとして最も手頃な価格帯に位置付けられる、新しいMacBookだ。

日本での価格は99,800円(税込)から。これまでMacBook Airでも15万円前後が一般的だったことを考えると、10万円という価格設定には大きなインパクトがある。Macに興味はあっても価格面で踏み出せなかったユーザーにとって、まさに新しい “入口” となる存在と言えるモデルになるだろう。Apple自身も、本モデルを「初めてのMac」や、既存のPCユーザーがMacへ移行する際の「ステップアップ」として訴求している。

もっとも「低価格モデル」という位置付けではあるものの、実際には「単なる廉価版」という印象は薄い。アルミニウム製の筐体に13インチのLiquid Retinaディスプレイを搭載し、SoCには「A18 Pro」を採用。Magic Keyboardの打鍵感やトラックパッドの操作感も従来のMacと同様に快適で、基本的な使い勝手に妥協は見られない。

Apple Intelligenceにも対応しており、日常用途はもちろん、幅広いユーザー層を意識した構成になっているため、「これで10万円を切るのか」と驚く人も少なくないハズだ。

今回、発売に先駆けて「MacBook Neo」の実機を試す機会を得た。本稿では、MacBook Neoのデザインや操作性、A18 Proチップの実力などを中心に、実際の使用感をもとにその実力をレビューしていく。新たなエントリーモデル「MacBook Neo」が、日常用途のラップトップPCとしてどこまで応えられるのか検証したい。

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新たなカテゴリ「MacBook Neo」の立ち位置とは

そもそも「MacBook Neo」は、Macシリーズの中でどのような位置付けの製品なのかを簡単に整理しておこう。

「MacBook Neo」は、Macのノートブックのなかで最も手頃な価格帯に位置付けられる新しいエントリーモデルだ。米国での価格は599ドルから、日本では99,800円(税込)から。MacBookとしては最も安価なモデルとなる。

これまで「MacBook Air」が担ってきた「手軽にMacを始められるモデル」という役割を、さらに幅広いユーザー層へと広げるための製品と言える。位置付けとしては、かつての12インチMacBookが担っていたカテゴリに近い存在と見ることもできるだろうか。

  • MacBook Pro → 最上位(最高性能・プロ向け)
  • MacBook Air → 中核モデル(日常使い〜やや高負荷まで)
  • MacBook Neo → 最下位エントリー(最も手軽・低価格)
左:MacBook Neo/右:12インチMacBook

シリーズ内での序列としては、長らくエントリーモデルを務めてきた「MacBook Air」の下に位置し、Webブラウジングや文書作成、動画視聴といった日常的な用途を快適にこなすことを主眼に設計されている。より高いパフォーマンスや拡張性を求める場合には「MacBook Air」や「MacBook Pro」が選択肢となる。

一方で、単なる廉価モデルという位置付けでもない。Apple Siliconを採用したファンレス設計やLiquid Retinaディスプレイなど、基本仕様は現行Macの設計思想を踏襲している。Macを初めて購入するユーザーや学生、Windows PCからの乗り換え層など、幅広いユーザーに向けて「Macの入り口」を広げる役割を担うモデルといえる。

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コンパクト・軽量なアルミボディ。ポップなカラバリが魅力

MacBook Neoのデザインを詳しく見ていこう。筐体にはアルミニウムユニボディを採用しており、本体サイズは高さ1.27cm、幅29.75cm、奥行き20.64cm。重量は約1.22kgと、薄型で軽量なのが特徴だ。バッグに入れて持ち歩いても負担になりにくい。

MacBook Airは厚さ1.13cm、重量約1.23kgで、サイズ感はかなり近い。厚さこそわずかに違うものの、実際の持ち運び感覚としては、ほぼ同等のサイズ・重量と言ってよいだろう。

カラーバリエーションは、シルバー、ブラッシュ、インディゴ、シトラスの4色。鮮やかな色合いがそろっており、手にしたときに所有欲をくすぐる仕上がりとなっている。

今回のレビュー機である「シトラス」は、MacBookシリーズとしては珍しい明るいイエローで、ラインアップの中でも特に目を引く存在だ。

デザインそのものは、近年のMacBookシリーズのデザインを踏襲している。角の丸みを強調したフォルムが特徴で、手に持ったときのフィット感も良い。見た目の印象も、ほかのMacBookシリーズと比べるとややポップで、かわいらしい雰囲気だ。

実際に手に取ってみると、アルミニウムの質感やボディの剛性はこれまでのMacBookと大きく変わらない。エントリーモデルであることを意識させない、しっかりとした作りになっている。

底面の様子

筐体表面はアルミ特有のさらっとした手触りで、安っぽさは感じられない。廉価モデルと聞くと質感を心配する人もいるかもしれないが、その点は心配ないだろう。むしろ、MacBook Airと違い触っても皮脂がほとんど残らないのが地味ながらグッドポイントだ。

天面のAppleロゴは鏡面仕上げではなく、マットな非光沢仕上げになっている。鏡面ロゴは高級感がある一方で傷がつきやすく、保護フィルムを貼る人も多い。その点、非光沢仕上げは傷を気にせず持ち運びやすいというメリットがある。

環境面では、筐体素材の約60%に再生素材を使用している点も特徴だ。Appleによると、MacBookシリーズの中でも特に低カーボンなモデルだという。

インターフェースは、USB-Cポートが2口と3.5mmイヤホンジャックとシンプルな構成。これらはいずれも本体左側面に配置されている。

イヤホンジャックのすぐ隣にある細長いメッシュ状の部分は、MacBook Neoのスピーカーだ。同じ機構が反対側にもあって、デュアルスピーカーを構成している。

ドルビーアトモスでの音楽再生や空間オーディオでのビデオ再生に対応するものの最大音量は低め。また、低音などもやや弱く感じられるため、クアッドスピーカーを搭載しているMacBook AirやMacBook Proに比べると迫力不足を感じることも。音にこだわりたい場合は、本体から直接音を出すのではなくスピーカーやヘッドホンなどの併用がオススメだ。

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感圧 “じゃない” トラックパッド、意外と使いやすい?

キーボードはフルサイズ配列を採用している。キー間隔にも余裕があり、タイピング時に窮屈さを感じることはほとんどない。キーストロークも深すぎず浅すぎないバランスで、文書作成やメールの返信など、長時間の入力作業でも扱いやすい印象だ。

キーキャップはホワイトを基調としながら、本体カラーに合わせた配色となっており、筐体デザインとの統一感もある。MacBook AirやMacBook Proのキーボードは黒基調のため、デザイン面ではMacBook Neoのほうが好みという人もいそうだ。また、指紋や皮脂が目立ちにくい点もメリットで、実用面でも意外と使いやすい。

512GBモデルはTouch IDを搭載、顔認証は非対応

ただし、注意したいのはキーボードのバックライトが非搭載である点だ。画面が点灯していればうっすらとキーは見えるうえ、白基調のため視認性は比較的高いが、暗い部屋で照明を付けずに入力する場合などは、やや見えにくさを感じる可能性もある。タイピングに慣れている人であれば大きな問題にはならないだろう。

今回、地味ながら注目したいポイントのひとつが「トラックパッド」だ。MacBook Neoには大型の「Multi-Touchトラックパッド」が搭載されている。

このトラックパッドは、MacBook AirやMacBook Proに採用されている「感圧タッチトラックパッド」とは異なり、機械式のスイッチやスプリングを用いた構造になっている。そのため、指で押すとトラックパッド自体が実際に沈み込み、物理的なクリック感が得られる。

感圧タッチトラックパッドを採用するMacBook AirやMacBook Proは、トラックパッド自体を物理的に押し込めない構造になっていて、ユーザーが押し込んだことをセンサーが検知すると、内部のモーターが振動してクリック感を指先に伝える仕組みになっている。そのため、トラックパッドのどこを押しても均一なフィードバックが得られ、クリック音も比較的静かという利点があった。

トラックパッドの四隅もスムーズに押せる

メカニカルなトラックパッドというと、押す場所によって感触が変わったり、場所によってはクリックしにくいといった印象を持つ人もいるかもしれない。かつてのMacBookがそうだったからだ。

しかし、MacBook Neoの場合はそれ専用に設計されていることもあり、メカニカルといえども、どの部分を押してもしっかりクリックすることができる。たとえば、奥の左側を押すときちんと沈み込むように、全体としてほぼ均一に近いフィードバックが得られ、操作感は上位のMacBookと比べても大きな違いを感じないほど快適だ。

むしろ、メカニカルならではの「押している感覚」がハッキリしているため、この感触を好む人もいそうだ。クリック時の音も「コツッ」と控えめで、図書館のような静かな場所でもそれほど気にせず使えるだろう。

画面は13インチの「旧」王道サイズ。P3ではないけどノッチはない、日常用途には十分な品質

ディスプレイには、13インチのLiquid Retinaディスプレイを採用する。最大輝度は500ニトで、10億色表示に対応している。

印象としては発色は自然で、動画視聴や写真の閲覧でも十分に鮮やかだ。視野角も広く、画面の角度を変えても色味や明るさの変化は比較的少ない。

四隅が丸っこい画面
画像:画面上部にはノッチ(切り欠き)なし

画面輝度については「500ニト」という仕様のため、直射日光が当たる屋外ではやや暗く感じる場面もあった。ただ、屋内で作業する分にはほとんど不便は感じない。この価格帯のラップトップPCとしては、ディスプレイ品質は比較的高い部類に入ると言えるだろう。

屋外ではやや画面が暗く感じられることも

一方で、細かい点ではあるが、画面に近づいて凝視するとわずかに表示の滲みがあり、MacBook AirやMacBook Proと比べると、ややぼんやりとした表示に感じられる。Webブラウジングや文書作成といった一般的な用途で使う分にはほとんど支障はないが、上位モデルから乗り換える場合は、気になるポイントになるかもしれない。なお、広色域(P3)やTrue Toneには対応していないため、画像や動画の編集を行う機会が多い人は、「MacBook Air」以上のモデルを選んでおくと安心だ。

なお、ディスプレイの解像度はパネル自体では2,408 × 1,506。macOSの設定ではUIスケーリングが適用され、デフォルトでは「1,408 × 881相当」で表示される。この設定では文字やUIがやや大きめになるため、全体として画面が少し狭く感じる場合もある。もう少し広い表示領域で使いたい場合は、ディスプレイ設定でスケーリングを変更してみるのもよいだろう。筆者が数日間使った限りでは、この設定が最も使いやすかった。

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搭載SoC『A18 Pro』で実力は十分。マルチタスクもゲームも快適

(画像:Apple)

デバイスの頭脳である「SoC(=System on a chip)」には、「A18 Pro」を採用する。第2世代3nmプロセスで製造されたApple独自のSoCで、もともとはiPhone 16 Proシリーズに搭載されていたものだが、それをMac向けに最適化したものとなっている。

Macのシステムで「A」シリーズのSoCが搭載されるのは今回が初となるが、Macは「M1」チップの登場以降、Apple Siliconへの完全移行を果たし、iPhoneやiPadと同じARMアーキテクチャを基盤としているため、AシリーズでもmacOSを動作させられるという構図になっている。

なお、「MacBook Neo」に搭載されている「A18 Pro」には、6コアCPU(高性能コア2+高効率コア4)と5コアGPUを搭載し、16コアのNeural Engineを備えている。iPhone 16 Pro版と比べてGPUが1コア少ないビニング品とはなるものの、Macの放熱設計とmacOSの最適化によって、日常作業や軽めのクリエイティブ作業、Apple IntelligenceのAI処理を非常にスムーズにこなすことが可能だ。

ベンチマークスコア計測アプリ「Geekbench 6」で性能を数値化してみた。筆者の手元にあるMacBookの中では、M1チップ搭載の「MacBook Pro」に近いスコアになっているのが確認できた。シングルコアスコアだけで言えばM3チップにも肉薄している。

項目M1 (MacBook Pro)A18 Pro (MacBook Neo)
コア構成CPU:8コア
・高性能コア:4基
・高性能コア:4基
GPU:4コア
CPU:6コア
・高性能コア:2基
・高性能コア:4基
GPU:5コア
シングルコア23803425
マルチコア83578736
OpenCL2145819775
Metal3449330899

シングルコアスコアはA18 Proの方が高く、アプリ起動やブラウジングなどの日常的な作業(シングルスレッドに依存するタスク)のレスポンスは速い。対して、GPUに関してはM1の方が高く、画像・動画編集やゲームなどはM1の方が有利と言えるだろう。

A18 Proは、元々はiPhone 16 Proシリーズに搭載されていたチップということもあり、動作はとても軽快だ。複数のブラウザタブを開いても動作が軽く、一般的なラップトップでの作業を考えると十分なパフォーマンスを備えていると評価できる。

試しに「Adobe Lightroom」を使ってRAW現像をしてみたところ、こちらもやや快適に動作させることができた。また、『バイオハザード ヴィレッジ』をプレイしてみたところ、1080p、中〜高設定で30〜60fps程度で動作させることができた。他にも「Apple Arcade」で配信されているアクションRPG『オーシャンホーン3:シャドウの海の伝説』も快適に動作している様子が確認できた。

もちろん、より高い負荷の作業をする場合には、上位モデルのMacBook AirやMacBook Proが適している。ただし、日常用途を中心に考えるのであれば、MacBook Neoのパフォーマンスでも不足を感じる場面は多くない。 エントリーモデルといえどもAAA級のタイトルを動作させられるのは、確実に嬉しいポイントだ。

AIベンチマークスコアA18 Pro
(MacBook Neo)
M1
(MacBook Pro)
M2
(MacBook Air)
M3 Pro
(MacBook Pro)
CPUSingle Precision Score4712308433014020
Half Precision Score7861538460657090
Quantized Score6245444149435845
GPUSingle Precision Score70135832772912348
Half Precision Score83096686871914346
Quantized Score74346188793713431
NPUSingle Precision Score4712308032984049
Half Precision Score33190148252627729297
Quantized Score45241144132863932905

AI演算性能も検証してみた。今回のテストでは、CPU・GPUに加えてNPU(Neural Engine)の性能を含めたAI処理能力を比較している。

結論から言えば、MacBook Neo(A18 Pro)は2026年時点のMacラインナップの中でも、特にAI処理に強いモデルだと言える。とくに量子化(Quantized)モデルの処理性能が高く、ローカルで動作する大規模言語モデル(LLM)や画像生成AIなどを効率よく実行できるのが特徴だ。

今回のベンチマークでは、NPUの量子化スコアが「45241」と、比較したモデルの中で最も高い数値を記録した。これはApple Siliconの中でもかなり高い水準で、AI推論処理を非常に高速かつ低消費電力で行えることを示している。Apple IntelligenceのようなOSレベルのAI機能や、ローカルでのAI処理を重視する用途では大きな強みになる。

CPU性能も良好で、Single Precisionスコアは「4712」と高い数値を示した。AI処理では、モデルの前処理や単一スレッド処理の応答性も重要になるが、その点でも十分に快適なパフォーマンスが期待できる。

一方で、GPU性能は7000〜8000点台と中程度にとどまる。大規模な画像生成やGPUを多用するAIワークロード、あるいは数十GB規模のモデル学習といった処理では、MシリーズのPro/Maxモデルほどの余裕はない。

他モデルとの比較を見ると、この特徴はさらにわかりやすい。M1搭載のMacBook Proと比べると、NPU性能は約3.1倍に向上しており、AI処理能力は世代の違いを感じるレベルだ。M2搭載のMacBook Airと比較しても約1.6倍と明確な差があり、CPUとNPUの両面で優位に立っている。

さらに興味深いのは、M3 Pro搭載のMacBook Proとの比較だ。NPU性能ではMacBook Neoの方が約1.4倍高く、AI専用エンジンに限れば上位モデルを上回る結果になっている。ただしGPU性能ではM3 Proが約1.8倍のスコアを出しており、GPU依存の処理ではM3 Proに軍配が上がる。

総合すると、MacBook NeoはCPUとNPUという「頭脳」と「AI回路」は最新クラスの性能を備えながら、GPUという「筋肉」はエントリークラスに抑えた構成となっている。AI処理を重視した、非常にユニークなバランスのマシンと言えるだろう。

MacBook Neoの「弱点」は8GBメモリ?不安ならMacBook Air以上を選ぶべし

RAMの転送速度(左:M1 MacBook Pro/右:MacBook Neo)

むしろ気になるのは、メモリ(RAM)の容量だ。MacBook Neoには構成に関わらず8GBの物理メモリを搭載する。上位モデルであるMacBook AirやMacBook Proには16GB以上のメモリが搭載されていることから、容量はだいぶ抑えられていることがわかる。

MacBook Neoのメモリが8GBになっている背景には、おそらくコストを抑えるため、そしてA18 Proの設計上の制約(A18 Proは8GB LPDDR5X RAMがチップダイ上に直接固定パッケージされているため)があると見られる。ただし、MacBook Neoがターゲットとするユーザー層は主に「ライトユーザー層」であることから、8GBでも十分という判断に至ったと予想される。

実際にメモリ不足が感じられるかというと、そんなことはない。これは筆者の普段の作業環境を再現した際にアクティビティモニタでメモリの消費量をチェックしてみた際のものとなるが、メモリプレッシャーは黄色の状態で、スワップも数GB程度発生していた。圧縮メモリも2GB前後使われており、数値だけを見ると、8GBのメモリをかなりギリギリでやりくりしている状況ではある。

ただ、体感的な動作としては非常に軽快だ。ブラウザで複数のタブを開きながら文章作成を行ったり、画像を軽く編集したりといった日常的な作業では、操作が引っかかるような場面はほとんどなく、全体的にサクサクと動作していた。macOSのメモリ管理は非常に優秀で、メモリ圧縮やスワップを活用しながら、限られた容量でも快適に動作するよううまく調整されていることがわかる。

また、スワップが発生しているとSSDの寿命を心配する声もあるが、この程度のスワップ量であれば過度に気にする必要はないだろう。現実的な使用環境の範囲であれば、SSDの劣化を心配するレベルには達していないと考えられる。

一方で、負荷の高いアプリケーションを動かした場合には、さすがに余裕がなくなる場面もある。例えば重めのアプリを同時に立ち上げた場合や、ブラウザで大量のタブを開いた状態で別の作業を行うと、レインボーカーソルがくるくる回る場面や、アプリの切り替え時にもたつくことがまれにあった。メモリが原因と思われる処理待ちが発生するケースは、ゼロではないという印象だ。

とはいえ、MacBook Neoが想定している用途は、あくまでWebブラウジングや文書作成、動画視聴といったライトな使い方が中心だ。そうした用途であれば、8GBのメモリでも十分に実用的な快適さを保っている。

逆に言えば、複数の重いアプリを同時に動かしたい人や、ブラウザのタブを大量に開いたまま作業するような使い方を想定している場合は、MacBook Air以上のモデルを選んだほうが安心感は高いだろう。

このように、MacBook Neoはライトな用途に割り切って使うことを前提としたモデルだ。そういう意味では、メモリ容量「8GB」という仕様が、本機の性格を最も象徴しているポイントと言えるかもしれない。

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ストレージ(SSD)の転送速度はMacBook Air (M2)と同程度

ストレージ(SSD)の転送速度について、「Blackmagic Disk Speed Test」で計測してみた。今回のレビュー機は512GB SSDを搭載しており、速度はRead(読み取り速度)が1593MB/s、Write(書き込み速度)が1490MB/sという結果になった。

これはM2世代のMacBook Air(256GB SSD)と同じくらいの速度で、昨今のMacBookシリーズの中では比較的遅め。エントリーモデルという位置付けを考えると、SSDの性能がある程度抑えられている可能性はありそうだ。

MacBook Pro
(M1)
MacBook Neo
(A18 Pro)
MacBook Pro
(M3 Pro)
MacBook Air
(M1)
MacBook Air
(M2)
容量256GB512GB512GB256GB256GB
Read2815MB/s1593MB/s4970MB/s2861MB/s1527MB/s
Write2008MB/s1490MB/s3382MB/s2806MB/s1421MB/s

もっとも、日常的な使い方でこの速度が大きな問題になるかというと、実際のところ気になる場面はほとんどないだろう。ウェブ閲覧、Office作業、動画視聴、軽めの写真編集、アプリの起動や数GB程度のファイルコピーといった用途では、体感できるほどの差は出にくい。プロレベルの作業をする予定がなければ、このストレージ速度はあまり気にする必要はないだろう。

搭載するUSB-Cポートは2口も、仕様はそれぞれ異なるので注意

MacBook Neoで作業をする上で、気をつけたいポイントのひとつがUSB-Cポートの使い方だ。

USB-Cポートはデバイス左側面に2基搭載されており、奥側がUSB 3(最大10Gb/sでUSB 3.2 Gen 2相当)、手前側がUSB 2(最大480Mb/sでUSB 2.0相当)に準拠している。どちらも充電とデータ転送に対応するが、当然ながらデータ転送の速度はUSB 3に対応した奥側のほうが速い。そのため、接続するポートは用途に応じて使い分ける必要がある。

実際に「Blackmagic Disk Speed Test」を使い、外付けSSDを接続したときの速度をチェックしてみたところ、USB 3では820MB/s前後出ていたのに対し、USB 2では35〜40MB/s前後に留まっていた。この結果を踏まえて、MacBook Neo本体の充電はUSB 2のポートで行い、USB 3のポートは高速なデータ転送が必要な用途のために空けておくのがよいだろう。

外部ディスプレイに出力できる数は最大1枚まで

また、本機には充電専用のMagSafe 3ポートが搭載されていない。そのため、USB 2ポートで充電を行い、さらにUSB 3ポートで画面出力をすると、本体のポートは2つとも埋まってしまう。この状態でほかのアクセサリーを使いたい場合は、USB-Cハブを使用するか、USB-Cケーブル1本で充電と映像出力を同時に行える外部ディスプレイを使うなどの工夫が必要になる。

なお、本体の充電は仕様上35Wに対応している。実際に充電してみたところ約30W程度で充電できていることを確認できた。付属する充電器は20Wなので、すこしでも早く充電したい場合にはより出力の高い充電器をサードパーティなどから別途購入すると良いだろう。

MacBook Neoは最大16時間のビデオ再生に対応しているなど、バッテリー駆動時間も比較的長い。日常的な作業であれば、1日程度は充電を気にせず使える印象だ。実際にWebブラウジングや文書作成を中心とした用途で使う限り、外出先でバッテリー残量を強く意識する場面はそれほど多くないだろう。

安いけど品質はしっかり担保。「色」で選ぶ「MacBook」も悪くない

ここまで「MacBook Neo」を実際に使いながら、その特徴や使い勝手を見てきた。結論から言えば、このモデルは「割り切りのうまさ」が光るMacBookだと感じた。

性能はハイエンドモデルのような余裕があるわけではないものの、日常的な作業やブラウジング、動画視聴、軽めのクリエイティブ用途であれば十分に快適に使える。

さらに、Apple Silicon「A18 Pro」の電力効率の高さもあって、バッテリーは半日以上、使い方によっては1日近く持つため安心して使える。13インチのコンパクトなサイズと軽さも相まって、バッグに入れて気軽に持ち運べるのも魅力だ。日常的に持ち歩くラップトップPCとしては、とても扱いやすいバランスにまとまっている。

そう考えるとMacBook Neoは、「初めてのMac」としてはもちろん、これまでWindows PCを使ってきた人がMacへ移行する際の最初の1台としても魅力的な存在だ。

エントリーモデルとして必要なラインはきちんと押さえながら、価格を10万円前後に抑えている点はやはり大きな魅力だ。MacBook Airでも15万円前後が一般的だったこれまでを考えると、この価格帯でMacを手にできる意味は決して小さくない。初めてMacを手にする人にとって、かなり現実的な選択肢になったと感じる。あるいはメインマシンとは別に、気軽に持ち歩くサブデバイスとして選ぶのも面白いだろう。

そして、何より個人的に好印象だったのは、やはり豊富なカラーラインアップだ。今回試したシトラス(イエローカラー)は思っていた以上に鮮やかで、机の上に置いておくだけでもちょっと気分が上がる。また、ピンク系統のブラッシュも含めて、AirやProの落ち着いたカラーとは違う、ポップで親しみやすい雰囲気がある。かつての12インチMacBookを思い出させるような色展開で、こうした遊び心のあるカラーがMacBook AirやMacBook Proにもあったらいいのに、と感じたほど。

「MacBook」は性能やスペックで語られがちな製品だが、「手頃な価格」や「必要十分な性能」、あるいは「色」をキッカケにMacに入ることだってあるハズだ。そういう意味では、「MacBook Neo」は、「Mac」という新たな世界への入り口として、実によくできた1台だと感じた。

この色が好きだからMacを選ぶーー、そんなシンプルな理由も悪くない。Macに少しでも興味があるなら、まず最初に触れてみて欲しいと思えるモデルだ。

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