2月25日、Sony Mobileはスペインのバルセロナで開催されている 「MWC 2019」 で新型スマートフォン 「Xperia 1」 を発表した。
「Xperia 1」 はXperia XZ3の実質的な次世代モデル。最新プロセッサが内蔵されるなど処理能力の向上、さらにカメラがトリプルレンズ化したことで今まで以上に綺麗な写真が撮影できるように。また、画面比率が18:9から21:9のシネマスクリーン比率に変更されたため映画を見るのに最適になっただけでなく、端末自体も今まで以上に細く縦長になったことで持ちやすくなっているのが特徴だ。
上記の他にも多数の変更点・新機能が搭載され、前モデルから大きく進化した 「Xperia 1」 。同記事では 「Xperia XZ3」 から何がどう変わったのかを比較を交えながら詳しく解説していきたい。
画面:世界で初めて4K HDRの有機ELディスプレイを搭載
「Xperia 1」 の最大の特徴は何と言ってもシネマスコープサイズになった縦長ワイド画面。画面比率がシリーズ初の21:9になっているが、これは実は映画館のスクリーンと同じ比率。当然ながら映画を視聴する際に上下の黒帯が表示されないため、これまでの18:9に比べて快適に視聴できるようになったわけだ。
また、「Xperia 1」 端末背面のトリプルレンズカメラを活用する 「シネマプロ」 機能で、21:9 (4K HDR/24fps) の映画さながらの映像を撮影できるようになっていることもあり、今回のディスプレイはシネマティックな映像の視聴・撮影・編集に特化したものになっている。
「Xperia 1」 の画面はシネマスコープの画面比率になっただけでなく、有機ELディスプレイを搭載したスマートフォンとして初めて4K・HDR画質に対応。さらに、SDR映像をHDR画質相当に引き上げる 「HDRリマスター機能」 も備える。さらに、クリエイターモードと呼ばれる新モードによって、UHD (Ultra HD) 向けの映像規格に対応した10bitカラーの階調表現を実現した点も高く評価されている。
画面サイズは6.5インチと大型化(Xperia XZは6インチ) しているものの、横幅をほぼ変えずに縦長になったため、大きさの割に持ちやすく使い勝手が良さそうだ。ちなみに縦で使う際には専用のスプリット画面が用意されており、画面上部で動画を見ながら下画面でメールを打ったり、ブラウジングができたりと ”ながら作業” が可能になっている。
Xperia 1 | Xperia XZ3 | |
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搭載ディスプレイ | OLED (有機EL) 4K HDR |
OLED (有機EL) HDR |
サイズ | 6.5インチ | 6インチ |
比率 | 21:9 | 18:9 |
解像度 | 3,840 × 1,644 | 2,880 × 1,440 |
新機能 | クリエイターモード 画面スプリット |
– |
カメラ:初のトリプルレンズカメラ搭載&瞳AFに対応
これまでカメラの個数に関してやや遅れを取っていたXperiaシリーズだが、「Xperia 1」 で一気に飛び級してトリプルレンズカメラを搭載することになった。
搭載されているカメラレンズ構成は広角+超広角+望遠、いずれも1,200万画素で統一されている。焦点距離はそれぞれ26mm(F1.6)、52mm(F2.4)、16mm(F2.4)で、これらのカメラレンズを使って光学ズームや被写体の背景のボカシ機能を使った写真、映像の撮影ができるようになっている。
さらに重要なのが、スマートフォンとして初めて 「瞳AF」 に対応したということ。この機能はソニーのデジタル一眼レフカメラなどに搭載されているもので、人物の撮影の際、瞳に自動的にフォーカスが当たるようになっている。さらに、イメージセンサーの進化によって、暗所でのオートフォーカス性能やノイズの低減なども行われているという。
動画撮影に関しても4K HDRに対応している。前述の通り、「シネマプロ」 機能によってシネマスコープ比率の映像撮影が可能だ。ちなみに、この 「シネマプロ」 機能はソニーの業務用カメラ部門が監修したものとなっており、本格的な映像が撮影できそうな予感だ。そのほか、「Xperia 1」 はフルHD画質(960fps)によるスーパースローモーション撮影もサポートする。
トリプルレンズカメラや瞳AF、シネマスコープ比率でのビデオ撮影など、多数の新要素が盛り込まれた 「Xperia 1」 。カメラ性能については間違いなく大幅に進化したと言えるだろう。
Xperia 1 | Xperia XZ3 | |
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レンズ数 | 3 (広角+超広角+望遠) |
1 |
画素数 | 12MP+12MP+12MP | 19MP |
F値 | 広角:f/1.6 超広角・望遠:f/2.4 |
f/2.0 |
ズーム | 2倍光学ズーム | 8倍デジタルズーム |
新機能 | 瞳AFに対応 | – |
最新プロセッサ搭載&指紋認証センサーの位置が変更
「Xperia 1」 に搭載されているプロセッサは、Qualcommの最新7nmプロセッサ 「Snapdragon 855」 だ。前モデル 「Snapdragon 845」 からCPU性能が45%、GPU性能が20%向上しているとQualcommからは発表されているため、「Xperia XZ3」 から性能が向上していることが予想される。
そのほかスペックに関する情報は少ないものの、RAM容量とストレージ容量は以下の通りと発表されている。Xperia XZ3との比較も確認していただきたい。
Xperia 1 | Xperia XZ3 | |
---|---|---|
プロセッサ | Snapdragon 855 | Snapdragon 845 |
RAM | 6GB | 4GB |
ROM | 64GB / 128GB | 64GB |
ちなみに、「Xperia 1」 は指紋認証センサーの位置が変更になっている。前モデルは背面にセンサーが搭載されていたが、やはり不評だったのか端末右側面に戻されている。これで今まで以上にスムーズな画面ロックが可能になるだろう。
また、端末の厚みも8.2mmと薄型化している。「Xperia XZ3」 ではすでに薄型化が果たされユーザーから好評だったこともあり、「Xperia 1」 においても同様に薄型化したものとみられる。
「Xperia 1」 のカラーラインナップはブラック、ホワイト、グレー、パープルの全4色。価格は未発表(2019.02.25時点)、日本を含むグローバルで2019年初夏以降に発売開始となっている。
Xperiaシリーズのファンの方はもちろん、スマートフォンでの写真、映像撮影を楽しむ方であればおそらく満足のいく端末になっていると思われる。ぜひ日本での発売を期待するべし。
Xperia 1 | Xperia XZ3 | |
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ディスプレイ | 6.5インチ 21:9 OLED 4K HDR ディスプレイ (3,840×1,644) |
6インチ 18:9 OLED HDRディスプレイ (2,880×1,440) |
プロセッサ | Snapdragon 855 | Snapdragon 845 |
RAM + ROM | 6GB + 64GB 6GB + 128GB |
4GB + 64GB |
外部ストレージ | microSDXC (最大512GB) | |
背面カメラ | トリプルレンズ 広角(12MP, f/1.6) 超広角(12MP, f/2.4) 望遠(12MP, f/2.4) 2倍光学ズーム対応 |
シングルレンズ 19MP, f/2.0 |
前面カメラ | 8MP, f/2.0 | 13MP, f/1.9 |
通信 | 802.11a/b/g/n/ac, Bluetooth 5.0 | |
外部ポート | USB Type-C | |
バッテリー容量 | 3,330mAh | 3,330mAh |
OS | Android 9 | |
ワイヤレス充電 | × | ◯ |
防水・防塵 | IP65/68 | |
生体認証 | 指紋認証センサー (本体側面) |
指紋認証センサー (本体背面) |
サイズ/重量 | 167×72×8.2㎜/不明 | 158×73×9.9㎜/193g |
カラー | ブラック/ホワイト/グレー/パープル | ブラック/ホワイトシルバー/フォレストグリーン/ボルドーレッド |