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VAIO、3スタイルに変形する13.3型ノート「VAIO T」発表。過去のマルチフリップを現代に再構築

VAIOは9月10日、画面部分を反転させて3つのスタイルで使える個人向け13.3型モバイルノートPC「VAIO T」を発表した。法人向けには「VAIO T work」も用意する。

「VAIO Next」シリーズの第1弾となるモデルで、かつてのVAIO製品に搭載されていた「マルチフリップ機構」を現代の技術で再設計した。通常のノートPCとして使えるほか、画面を反転させてタブレットモードとして使ったり、画面を手前に向けて置く「ビューモード」に切り替えたりできる。

予約受注は9月18日10時から開始。ノジマ店頭では9月22日から展示・販売し、VAIOストアでは9月30日から順次出荷する。VAIOストアでの最小構成価格は税込37万4000円から。

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「VAIO Next」の第1弾、過去のマルチフリップを現代に

「VAIO Next」は、品質や信頼性を重視してきた個人向け「VAIOシリーズ」や法人向け「VAIO Proシリーズ」を進化させながら、新しいスタイルや体験を提案する新ラインアップだ。今後も個人・法人向けの双方で製品を拡充する。

VAIOはソニーから独立して12年が経過するなか、法人向けビジネスを大きく伸ばしてきた。B2B市場の構成比は独立当初の35%から85%まで拡大し、販売台数も約7倍に増加。品質や信頼性を重視した製品づくりによって、法人市場で事業基盤を築いてきた。

その一方で、同社では「信頼を得る一方、ユーザーに驚きやワクワクを届ける存在としての印象が薄れていた」という課題もあったという。

2025年にノジマグループの傘下となったことをキッカケに、製品開発でも新しい挑戦を進める方針に転換。ノジマが掲げる「スピード・ユニーク・クオリティ」の考え方も取り入れながら、VAIOらしい個性を改めて打ち出すことを目指している。

その着想のひとつとなったのが、過去のVAIO製品に搭載されていたマルチフリップ機構だ。ノジマの販売現場でも評価が高かったことから、当時の機構をそのまま復活させるのではなく、現在の技術や使い方に合わせて再設計した。

「VAIO T」は、画面部分を大きく反転させることで3つのスタイルを切り替えられる。通常の状態ではノートPCとして使い、画面を反転させればタブレットモードになる。さらに画面を手前に向けて置けば、向かい側の人と画面を共有しやすいビューモードとして利用できる。なお、製品名の「T」は、3つのスタイル「Triple Style」に由来するという。

一般的な360度回転式の2-in-1 PCでは、本体を持ち上げてディスプレイを背面まで回す必要があるが、「VAIO T」は机などに置いたまま画面部分を動かして、スタイルを切り替えられる。タブレット状態ではキーボードが内側に折り込まれるため、背面にキーが露出しない。タブレットとして持った際にキーキャップへ指が触れにくく、キーを傷める心配も抑えられる。

たとえばソファでタブレット状態にして資料を確認し、気になる部分をタッチ操作でマーキング。その後、机に置いてノートPC状態に戻し、キーボードで内容を整理して送信するといった使い方を想定している。

画面と本体をつなぐ部分には、2枚のウレタン製シートヒンジでFPC(液晶ディスプレイ用ケーブル)を挟み込む構造を採用した。試作段階では手作業による2万回以上の屈曲試験を実施し、耐久性を確認している。

画面の固定にはマグネットを利用する。従来のマルチフリップ機構にあったレバー式ラッチをなくし、マグネットの保持力で画面を固定・解放する仕組みとした。磁力が強すぎると画面を動かしにくくなり、弱すぎると意図せず開いてしまうため、磁束のバランスやマグネットの配置を細かく調整している。

画面部分は2つの大きな金属部品で構成されるため、天板の色合わせにも配慮した。部材の製造段階から最終製品の直前まで色味を管理し、パーツの境目が目立たないようにしているという。

変形状態はジャイロセンサー、加速度センサー、ホールセンサーで検知する。画面表示を自動で回転させるほか、左右のスピーカー出力も状態に合わせて自動で切り替わる。

画面を反転させる際にディスプレイの外枠がキーボード面へ直接当たらないよう、画面上面には微細な凹凸を設けた。わずかな隙間を作ることで、キーキャップが押し込まれたり外れたりするのを防いでいる。

また、画面を反転させる構造に合わせてWi-Fiアンテナの配置も変更した。従来は画面上部に配置していたアンテナを、本体下部のボトムケース側へ移している。タブレット状態では手で本体を持つことになるが、通信への影響は小さいと判断したという。

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Core Ultraシリーズ3を搭載。有線LANも備える

(画像提供:VAIO)

ディスプレイは13.3型ワイドで、解像度は2560×1600ドット、アスペクト比は16:10。タッチ対応のグレア液晶を採用する。

プロセッサーにはインテルの「Core Ultraシリーズ3」を採用。個人向け標準モデルはCore Ultra 5 325(8コア/8スレッド、TDP 15W、NPU最大47TOPS)を搭載する。VAIOストアではCore Ultra 7 356Hも選択できる。

メモリはLPDDR5xで16GBから最大64GBまで選択可能。ストレージは512GB、1TB、2TBの暗号化機能付き第5世代ハイスピードSSD(OPAL2.0準拠)またはスタンダードSSDを用意する。

VAIOストア限定の「VAIO T|勝色特別仕様」では、最上位のCore Ultra X7 358HとIntel Arc B390 GPUを搭載できる。日本語または英語の「隠し刻印キーボード」も選択可能だ。

インターフェースはThunderbolt 4対応のUSB Type-Cを2基、USB 5Gbps対応のUSB Type-Aを2基、HDMI出力、ステレオミニ端子を搭載する。USB Type-Aのうち1基は給電にも対応する。

薄型のモバイルPCながら、1000BASE-T対応の有線LAN端子も備える。Web会議などで安定した通信が必要な場合や、法人ユーザーがトラブル解析を行う際など、有線接続が必要になる場面を想定した。無線通信はWi-Fi 7とBluetooth 5.4に対応する。

Webカメラは921万画素(9.2MP)で、Windows Helloによる顔認証に対応。人感センサーを使ったAIユーザーセンシングにも対応する。音声入力向けのトリプルマイクやDolby Atmos対応スピーカーも搭載する。

本体サイズは幅312.0×奥行224.6×高さ14.6~19.6mm。質量は個人向けが約1.253kgからで、標準モデルは約1.262kg。法人向けのVAIO T workは約1.299kgからとなる。

標準バッテリーの駆動時間は、JEITA 3.0測定で動画再生時が約12.0~12.5時間、アイドル時が約20.5~21.0時間。大容量バッテリーも選択できる。長野県安曇野市の工場で品質チェックを行う「安曇野FINISH」を経て出荷され、MIL規格「MIL-STD-810H」に準拠した堅牢性試験もクリアしている。

AI時代を意識した操作と「VAIOウェルネスケア」

VAIOは「VAIO T」を、キーボードやマウスだけで操作するPCから、タッチや音声も組み合わせて使う「ヒューマン・AIインターフェース」を意識して設計した。

AIの普及によって、PCでの作業はユーザーがすべてを手作業で作るスタイルから、AIに相談しながら方向性を決め、生成された内容を確認して仕上げるスタイルへ変わりつつあるという。

「VAIO T」では、Microsoft CopilotなどのAIと音声で会話しながらアイデアを出し、タッチ操作でドラフトを取り込み、最後はキーボードで仕上げるといった使い方を想定している。

さらに、9.2MPのWebカメラを利用したヘルスケアアプリ「VAIOウェルネスケア」を搭載する。カメラに顔を向けるだけで、顔表面に現れる微細な色の変化をAIで解析し、血管情報や心拍情報を最短3秒で測定・記録できる。測定結果は記録して、日々の変化を確認できる。

処理にはCPUとNPUを使い分ける。顔認識や顔の特徴点抽出などをNPU、画像処理をCPUが担当することで測定を高速化した。

通常のWeb会議では映像をきれいに見せるための「肌モード」を使う一方、ウェルネスケアでは測定に必要な生の画像データを利用する。そのため、ハードウェアからアプリまでカメラ設定を自動で切り替える仕組みも採用した。

VAIOウェルネスケアは医療目的の機能ではなく、日々のアクティビティや体の変化に気づくための生活支援ツールとして位置づけられている。

同機能は8月10日に「VAIO SX14-R」向けの先行プレビュー版が配布されており、9月30日以降、VAIO Tを含む対応製品に正式版を展開する予定。将来的にはPC本体の状態とユーザーの状態を合わせて管理する「ダブルヘルス」や、クラウドによる一括管理への発展も構想している。

個人向けは37万4000円から。ノジマ店頭でもカスタマイズモデルを注文可能

ファインレッド
左:勝色特別仕様/右:ファインブラック

個人向け「VAIO T」のカラーはファインブラックとファインレッド。VAIOストア限定の「勝色特別仕様」も用意する。

ノジマ店頭では標準仕様として4構成を展開。Core Ultra 5 325、16GBまたは32GBメモリ、512GB NVMe SSDを組み合わせ、Office 365 Personalの24カ月版も付属する。想定価格は16GBモデルが税込43万7800円、32GBモデルが税込52万5800円。

VAIOストアではカスタマイズモデルを販売し、Core Ultra 5 325またはCore Ultra 7 356Hを選択できる。最小構成価格は税込37万4000円から。

「VAIO T|勝色特別仕様」は税込42万3500円から。Core Ultra X7 358H、Intel Arc B390 GPUを搭載し、隠し刻印キーボードも選択できる。

法人向けの「VAIO T work」はファインブラックの1色展開。Core Ultra 7 356H、32GBメモリを搭載する。VAIOストア ビジネスを通じて販売する。

販売方法にも新しい取り組みを取り入れる。全国のノジマ店舗内に設ける「VAIOショップ」では、これまでWeb限定だったカスタマイズモデルを実際に確認し、専任スタッフに相談しながら注文できるようにする。カラーやアクセサリーを店頭で比較しながら選べる環境を整える。

予約受注は9月18日10時から開始し、ノジマ店頭では9月22日から展示・販売する。VAIOストアでの最速お届け日は9月30日。

▶︎ VAIO公式オンラインストアで「VAIO T」を購入する