
ソニーは2025年5月13日、新たなフラグシップスマートフォン「Xperia 1 VII」を正式発表した。先代「Xperia 1 VI」の路線を踏襲しながらも、独自のAI技術「Xperia Intelligence」やウォークマン譲りの音響技術を採用することで、撮影・視聴体験のさらなる強化を図っている。
販売は、公開市場向けモデルと通信キャリア版の2形態。税込価格は以下の通りで、国内キャリアからはNTTドコモ、au (KDDI)、ソフトバンクの3社から発売する。発売時期はドコモが2025年6月上旬、auとソフトバンクが6月5日を予定している。
- Xperia 1 VII(12GB/256GB):約205,000円
- Xperia 1 VII(12GB/512GB):約219,000円
- Xperia 1 VII(16GB/512GB):約235,000円
- キャリア版(12GB/256GB):価格未定(6月上旬発売予定)
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「Xperia Intelligence」が搭載された新型フラグシップスマホ

Xperia 1 VIIは、ソニーが長年こだわってきた21:9の縦長ディスプレイから脱却し、19.5:9のアスペクト比を維持する。これは先代のXperia 1 VIから続くトレンドを踏襲し、より汎用的な比率によりコンテンツ視聴やUI操作の親和性を加味したものだ。
背面カメラはデザインに若干の変更が加えられたが、基本構成は前モデル同様のトリプルレンズ。ハードウェア面よりも、今回は撮影体験そのものに大きな変化が加えられている。
Xperia 1 VIIの最大のトピックは、「Xperia Intelligence」と呼ばれるAI技術群による撮影・再生体験の強化だ。新たに搭載された「AIカメラワーク」機能は、AIによる被写体トラッキングと手ブレ補正を融合し、常に被写体をフレーム中央に捉え続ける。ジンバルなしでの滑らかな撮影を可能にし、誰でも映画のような映像を手軽に撮影できる。
さらに「オートフレーミング」では、構えるだけで被写体に自動で寄った映像をAIが作成。広角の全体映像とクローズアップを同時記録できるため、大切な瞬間を「見る」か「撮る」かの葛藤を減らすことが可能だ。
端末名 | Xperia 1 VII |
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OS | Android 14 |
プロセッサ(SoC) | Qualcomm Snapdragon 8 Elite Mobile Platform |
メモリ(RAM) | 12GB / 16GB (LPDDR5X) |
ストレージ | 256GB / 512GB (UFS 4.0) microSDXC対応 (最大2TB) |
ディスプレイ | 6.5インチ FHD+ HDR OLED (3840×1644相当) アスペクト比:19.5:9 リフレッシュレート:最大120Hz (1〜120Hz) |
背面カメラ | トリプル構成: ・16mm 超広角:4800万画素 (F2.0, 1/1.56型センサー) ・24mm 広角:4800万画素 (F1.9, 1/1.35型センサー) ・48mm 広角 (光学2倍相当):1200万画素 (F1.9, 1/1.35型センサー) ・85–170mm 望遠:1200万画素 (F2.3–3.5) |
前面カメラ | 約1200万画素 (F2.0) |
動画機能 | 最大4K 120fps撮影 AIカメラワーク、オートフレーミング、トラッキング対応 |
オーディオ | 「Powered by WALKMAN」技術搭載 ・3.5mmオーディオジャック ・フルステージステレオスピーカー ・ハイレゾ/LDAC/DSEE Ultimate対応 |
外部端子 | USB Type-C |
通信 | Wi-Fi 7、Bluetooth 6.0 NFC/FeliCa(おサイフケータイ) |
バッテリー | 5000mAh 30W急速充電/ワイヤレス充電 |
防水・防塵 | IPX5/IPX8、IP6X |
生体認証 | 側面指紋認証センサー |
本体サイズ | 約162 × 74 × 8.2mm |
重量 | 約197g |
カラー | スレートブラック/モスグリーン/オーキッドパープル |
アップデート保証 | OSアップデート最大4回 セキュリティアップデート最大6年 |
特長 | Xperia Intelligence搭載(AIカメラ・音響最適化) Creator’s App・Video Pro・Photo Pro搭載 |
カメラ性能も順当に進化。超広角は高画質&マクロ対応

カメラ性能自体も見直されており、16mmの超広角レンズは新たに1/1.56型センサー「Exmor RS for mobile」を採用。従来比で約2.1倍の大型化により、暗所性能も大幅に向上した。
また、超広角レンズでマクロ撮影に対応。先代1 VIから搭載されている望遠接写「テレマクロ」と合わせ、広角・望遠の両レンズでマクロ撮影が楽しめる構成となっている。
音響面では「Powered by WALKMAN」と銘打ち、ハイエンドオーディオ機器で培われた技術を投入。プレミアムグレードのオーディオ回路や、金を配合した高音質はんだを使用し、音の解像感と安定性を向上させた。また、スピーカーは低〜中低音域を最大10%向上させつつ、高域の拡張にも対応した。
なお、Xperia 1 VIIには、最新のSoC「Snapdragon 8 Elite」を搭載する。4回のOSアップデートと6年間のセキュリティ更新が保証されており、4年長寿命バッテリーと合わせて「長く使えるフラグシップ」としてのポジションを改めて明確にする。
「プロのツール」から「誰でも使える本格機材」へ

Xperia 1 VIIは、ハイエンド機らしい完成度を維持しつつも、AIのサポートで誰でも高品質な撮影・音響体験を楽しめるスマホへと進化した。
ただし、撮影以外におけるAI体験の「目新しさ」においては、PixelやGalaxyといった競合に一歩譲る印象もある。約20万円からという高価格帯だけに、次なる進化では「XperiaならではのAI体験」を明示することが期待される。
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(画像:SONY)