
ソニーが再び携帯ゲーム市場への参入を検討していることが、業界内で話題となっている。13年前に登場した「PlayStation Vita」の後継機とも噂される次世代携帯機に関して、新たな情報が浮上した。
著名リーカー (@Junkanlosreve氏) の発言によれば、ソニーは現在「Project Jupiter」と名付けられたカスタムSoCの開発に取り組んでおり、このプロセッサにはAMD製チップとサムスンの最先端2nmプロセス (SF2P) が採用されるという。
PS Vita後継機が噂に。AMD×サムスン、異色のタッグで実現?
今回の報道で注目されているポイントのひとつは、ソニーが完全な自社開発ではなく、AMDとの協業でカスタムSoCを開発するという点だ。
AMDはこれまでにもPlayStation 5のAPUをはじめ、さまざまなゲーム機向けプロセッサでソニーと連携してきた実績を持つ。加えて、同社は近年、Steam Deckをはじめとするポータブルゲーミングデバイス向けのAPU分野で高い評価を得ており、その点においては自然な流れといえる。
一方、製造プロセスにはサムスンのSF2P (2nmクラス) ノードが採用される見込みだ。これは非常に先進的な製造技術であり、仮にこれが実現すればソニーの次世代携帯機は極めて高い電力効率とパフォーマンスを実現する可能性がある。
過去の噂では、次世代携帯機は「ミニPS5」と表現されることもあったが、Digital Foundryによると、PS5タイトルをネイティブで実行することは想定されておらず、Nintendo Switchのようにスケーリングされたゲームタイトルを動作させる設計になるとされている。これは、携帯性とバッテリー駆動時間の両立を重視した設計で、性能・効率の両方のバランスを重視するための結果と考えられる。
もしこれらの噂が本当だったとして、気になるのはリモートプレイ専用機である「PlayStation Portal」との兼ね合いだ。PortalはあくまでPS5のサブデバイスとしての性格が強く、単体でゲームを実行することはできないが、その登場はソニーがポータブル分野に再び注力し始めている兆候と捉えることができる。もし今回の噂どおり、AMD製カスタムチップを搭載した独立型の携帯ゲーム機が登場すれば、それはPlayStationブランドにとって大きな方向転換となるだろう。
発表は2028年までに?
今回の情報はまだ検討段階にあるとされ、正式な発表は数年先になる可能性が高い。現時点では2028年までの発表が視野に入っているとも伝えられており、今後の技術的進展や市場の動向によって仕様やスケジュールが変動する可能性もある。
とはいえ、ソニーが再び本格的な携帯ゲーム機の開発に取り組むとすれば、それは業界にとって大きな転機となるだろう。AMD×サムスンという強力な技術基盤に支えられた新型PlayStation携帯機が、Vitaの遺志を継ぎながら新たな市場を切り拓く可能性に期待が高まる。
情報ソース
(画像提供:ソニー・インタラクティブエンタテインメント)